その道を歩く理由
書いていたので更新が早め(?)です。
まだまだお付き合い頂ける方、
ありがとうございます。
ある日の昼、休憩時間に久々に
公園に行きたいという彼女と共に出かけた。
見事に桜の咲き誇る春の公園を見て
また、ふと寂しげな表情を見せ、何かを呟いた。
はっきりとは聞こえなかったが、
「ベル」と聞こえた。
俺は任務の途中にも何度か
こういう表情を見ていた。
「どうしました?」
いつもと同じように訊いてみた。
はっとしたようにこちらを見て、
「何でもありません。大丈夫です。」
と、いつもの笑顔で返された。
「そのペンダント、いつも身につけてますね。」
「これは…その、お守りというか、何というか。」
彼女はいつも銀の鈴がついたペンダントを
身につけていた。
「なにか思い出があるんですね。」
と言うと、彼女は少し困ったように笑ってから
空を見上げた。
そんな様子を見て、
ふと気になったことがあった。
12歳の少女に訊くには少し意地悪な
質問かもしれない。
まだ歩き始めたばかりの道ではあるが、
その道を歩く理由が、気になった。
つまり、「あなたはどうして生きるのですか」
という事だ。
彼女がびっくりしたようにこちらを振り返った。
どうやら声に出てしまったらしい。
「いや、あの、気にしないでください。」
慌てて答えなくていいという
意思表示はしたものの、
彼女はもう一度空を見上げて
「ずっと一緒にいたい人がいるからです。」
はっきりとそう答えた。
彼女の隣に行くと、瞳からは涙が溢れていた。
大人びていると思ったが、
やはり背伸びして頑張っていたのだ。
桜を散らす春のつよい風が
少しだけ素直な姿を見せた
彼女の涙を宙に游ばせた。
読んで頂きありがとうございます。
一気に完結まで持っていきます^^*
次回はアンスズ視点です。
名前だけお借りしている幼なじみちゃん。
ベル、はアンスズの呼んでいる愛称です。
本当はベルカナちゃんと言います。




