26 オーガの里にて
25 オーガの里にて
オーガの里に到着した俺とアクアは、傷ついたオーガたちを目の当たりにした。死者がいないのが救いなのだという。
俺はアクアと手分けしてオーガたちにポーションを配っていった。
そして治療が一段落した頃、
「父の居場所は分かるか?」
桜花が治療を終えた者に話しかけていた。
「姫・・・やはり長を追うのですか?」
姫!?
あのオーガ、女だったの!?
「父をあのままにはしておけん」
「しかし・・・」
「なに、勝算がないわけではない」
そう言って彼女が取り出したのは一振りの大剣だった。
「そ、それは・・・」
「ああ。<業火の大剣>だ。
オーガ族に伝わる秘剣。これがあれば、そうそう遅れは取らんよ」
桜花は共に行動していた三体に目配せをした。
「ダイチ殿」
「なんだ?」
「ポーションをありがとう。正直な話、致命傷に近い傷を負った者も何名かいたのでな」
「オーガの再生能力なら死ぬことはなかっただろ」
「それでも貴殿がポーションを分けてくれたからこそ、後顧の憂いなく戦いに挑むことができる」
「死ぬつもりか?」
「そんなつもりはない。謝礼のことなら里の者たちと話してくれ。我らのできることなら、何でもするよう伝えてある」
「そういう意味で言ったんじゃないんだがな」
「分かっている」
彼女はニヤリと笑った。
「何を言われたところで、我らの意見は変わらない。すまんな」
それだけ告げると、話は終わったとばかりに背を向けた。
「父は何処に行った?」
「・・・東の方向に」
「霊峰シルバーピークの方角か。神龍王にでも闘いを挑むつもりか?」
ここから東の方向には、件の神龍王が住むと言われている霊峰シルバーピークがある。
「行くぞ、お前たち!」
『御意!』
桜花が号令し、彼らは北西の方角に消えていった。
じゃあ、こちらも動きますか。
アクアに合図を送り、俺たちも行動を開始することにした。
H28.7.26
前話までの内容に合わせて修正しました。




