僕、谷底に落ちる。(後編)
「で、君たちは誰なんだね」
「あ、はい、『真田 鏡』16歳です」
「年齢まで言わなくても…そちらのお嬢さんは?」
「イフリート、ロー…カガミ様の契約精霊です」
今、僕らは地下迷宮の最下層にいる。
地上から距離あるんだけどイフのおかげで死ななかった。
そこで女性と会った。今は自己紹介中。
「私は『星菜≪ほしな≫ 大和≪やまと≫、18歳の人間だ」
「あ、はいどうも……って、もしかして日本人?」
「ああ、そうだが、まさか君も?」
「ええ、はい」
ヤッタ――――ッ!!!仲間イタ――――!!!
「む、ニヤニヤしてどうした?」
「あ、いえ別に」
顔にでていたようだ――――
僕は星菜さんに自分の事をある程度話した。
「そうか、君は今日来たのか。災難だったね」
「いえ別に…」
「実は私も一か月前に来て、初日にここに落とされた」
「ええ…ッ!?」
「ホント、生きるので精一杯だったよ」
この人も苦労したんだな……ん?ちょっと待てよ?
「あの、ここ迷宮最下層ですよね?一人で生きてたんですか?」
「ああ、私は『再生者』というスキルを持っているようだ」
「再生者?なんすかそれ?」
「回復能力者の持つスキルです。強力な物なら腕一本斬られても治せます」
なんだとッ!?そんなにすごいスキルがあるのか…
「とにかく、私は怪我を負ってもスキルで治してモンスターと戦っていた」
「はあ、すごいですね……」
「ああ、本当に強かった。最初のころは途惑って身体の半分が消しとんだ」
苦労したなんてレベルじゃねえな―――――――――
その後も話をして楽しんだ。肉がおいしかった。何の肉かは聞かない。
「あの、僕まだこの世界をよく知らないし、戦えないので……その、
一緒に戦いませんか!?」
「良いのか!?ありがとう!一人で心細かったんだ!それに、仲間がいると、
それだけでも心強い!今戦えなくてもこれから強くなれる!ぜひ一緒にいよう!」
目を輝かせる星菜さん。めっちゃかわいい。
「はい!よろしくお願いします!」
こうして初めて仲間ができた。
来て、襲われて、別れて、落とされて、出会って。
騒がしい初日だった。でも僕はくじけない。絶対に強くなって、日本に帰るんだ!
僕はこの日決意した。まずはこの迷宮で強くなって、地上にでるんだ!
―――そして僕、いや俺達は1年間修行してやがて迷宮からでることになる。
次章へ続く。