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僕、谷底に落ちる。(中編)

「おねーちゃん。あそこにどらごんさんがいるよ」

「ほんと、おおきいですね」

・・・なんて平和な会話してられるかーーー!!!


「何!?なんなのあれ!?すごいでかいんだけど!!」

「ドラゴンロードです。しかも近くのダンジョンの主」

「え、なんで出てきたの!?ダンジョンの主って普通は

 自分のダンジョンに引きこもるよね!?」

僕は驚きが隠せない。いきなりドラゴンロードが来たことは

もちろん、イフが冷静すぎることにも、近くにダンジョンがあることも。


まあそこまではいい。ここは異世界、なにがあってもおかしくない。

問題は次だ。僕はこのあとどうすればいいか分からないのだ。

「もちろん戦うのです」

「ざけんな!!ドラゴンロードと戦えってんのか!あと、心読むな!!」

「大丈夫です。ロードには神ランクの魔法剣があります。

 それに、ぶっつけ本番でゴブリンの大群を一掃したではありませんか」

「格が違いすぎるよね!?僕に死ねっていうのか君は!?」

「先程も言いましたがスキルは進化します。あれと戦えばもっと成長できるし、

 もっと武器が進化します。あれと渡り合えるくらいに」

・・・まあ、一理ある。ゴブリンと戦っているときも途中で成長したし。

「よし、やってやる!倒せるまで何度だって!」

「その調子です、ロード」

そして僕は銀色の剣、炎属性のホムラを構えた。

そして、ドラゴンロードに突っ込んでいった。今回もなんとかなるさ!



―――そう思っていた時期が僕にもありました。

突っ込んでいってすぐにブレスを吐かれ、吹き飛ばされた。

挙句の果てには宙に浮かんだ僕の身体を尻尾で崖に叩き落とされた。

結果、僕は谷底に墜落中。イフも一緒に落ちてきた。

そして今に至る。あのドラゴンロードめ、やるなら意識ごと飛ばせよ。

「イフ、僕らこのまま行ったらどうなるの?」

「着陸地点に深い池があります。痛いでしょうが死にはしないかと」

「地上には帰れる?」

「はい。ただ場所が問題ですね」

「どして?嫌な予感するんだけど」

「はい。このままだと、地下迷宮最下層にたどり着きます」

「まじで?でれないじゃん」

「大丈夫です。むしろ強いモンスターがいて、成長しやすいです」

「そういうことじゃないんだよ。そもそも戦えないんだよ」

「ドラゴンロードよりは弱いですが?」

「いや、お腹減ってるんだよね」

「モンスターを食べればよろしいかと」

・・・クソッ!

「ッ!!ロード、下に人の反応が!」

「モンスターじゃないの?」

「人間です!しかもロードと似たような気配…、

 おそらくロードと同じ世界からきているのかもしれません」

「人数は?」

「一人です。…もうすぐ最下層です!目を閉じて!3、2、1、でますッ!!」


ドゴーンッ!!ヒューーー、ザバ――ンッッ!!


キャー!!って悲鳴が聞こえた。誰かいるようだ。

「ブクブク・・・プハッ!!こ、ここは?」

「最下層です。無事に池にぶつかったようです」

「よかった。…それで、反応があった人は……?」

僕は池に浮かびながら辺りを見回す。すると、一人の女性がいた。

結構若い。黒い髪の女性だ。スタイルもいい。だが、なぜ半裸なのか……

女性は驚きの表情を浮かべながら口を開いた。

「い、一体君たちは誰なんだい………?」



このとき僕は知らなかった。彼女との出会いが僕の運命を左右することに

なるなんて。そしていずれ彼女が僕にとって大切な人になるなんて。

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