僕、武器を進化させる。
「剣が成長?」
(はい。その剣が示してきた可能性は3つ。
一つ 「ショートソード系」
二つ 「ロングソード系」
三つ 「バスタードソード系」
これらになります。)
「バスタードソード?なにそれ?」
(盾なしの片手剣です。長さは80センチ~100センチ程度)
「へえー」
そんなのがあるんだ。ゲームだと片手剣は盾を装備してないから、
バスタードソードなんだ。知らんかった。
「じゃあそれで。長さの希望はできる?」
(可能です。ちなみにその剣には属性がついているため、
変更はできません。)
「わかった。じゃあ90センチで。」
(了解しました。武器の進化を実行…。武器熟練度上昇…。)
イフリートがぶつぶつ言ってる。なんか怖いよ、天使の声なのに。
なんて考えていると、剣が光りだした。
どんどん刀身が伸びていく。すると、さっきまでボロボロだった
剣が綺麗に、長く、真っ直ぐになったではありませんか。
これがバスタードソードってやつか。
(それはあくまで種類の話。剣の名前は自分でつけるのです。)
「へーーー」
名前か、それはそれは。難しい注文だ。どうしよう。
「うーん、じゃあ[ホムラ]で!」
(武器名[ゴブリンの炎剣]から[ホムラ]に変更。進化完了。)
おお、進化した。武器が進化した。この世の不思議だ。
「それは置いといてさ。一ついいかい。」
(なんでしょう。)
「ここどこ?」
そう、僕は肝心なことを忘れていた。マジでここどこ?
いつだったかゴブリンがいたから勝手に異世界と認識していた。
(ここはあなたにとっては異世界です。)
「あ、やっぱり?でもなんで異世界にきたのかな?」
(その異世界というのは辞めたほうが。ここの住人にとっては
主が異邦人ですから。)
「あ、そっかそうだよね。」
(お願いします。主がここに来たのは、おそらくこちらの世界が、
一方的に主たちを吸収するためでしょう。)
「なるほどわからん。」
(あくまで推測です。実際は私もわかりません。)
「そっか、ならしょうがない。」
僕は立ち上がる。周りを見てみると、モンスター達がたくさんいる。
「とりあえず、今のところ一人でいるからもう少し強くなろう。」
そう、強くなる。クラスに見放された以上、一人で行動する。
だから仲間をみつけるまでに強くなろう。
「イフも手伝ってくれる?」
(あの、イフというのは・・・)
「パートナーだからさ、あだ名で呼んだほうがいいと思うんだ。」
(了解しました。主の意志のままに。)
「固くならないでよ、気楽にいこう、ね?」
(わかりました。では私もロードと呼ばせていただきます。)
「うんいいよ。これからよろしくね。イフ。」
(よろしくお願いします。ロード。)
そして僕らは歩き始めた。強くなって、元の世界に帰るため。
「あ、そうそう、君の姿を見てないんだけど。」
(あ、隠れたままでした。すぐに姿をお見せします。)
次の瞬間、僕の目に入ったのは超絶美人の女性精霊だった。