ジーク対ノブナガ。
どうしてこうなった。
俺はノブナガとジークに付きあって、訓練場に来ていた。
ここに来たのは、先程の会議が原因だ。
侵略に対抗するのは難しいというジーク。
自分の考えを否定され、頭にきたノブナガ。
俺からすればどうでもいいが、コイツらが言い争って、住宅街で武器を引き抜き始めたので、
さすがにまずいと思って止めたらなんやかんやここに来ることになった。
一方レンキとハツノは、紀伊の調整をしている。なんでもレンキが
「この子を武器の拡張パーツにしたい」
とか言い始めたので、神器の研究と同時に改造することにしたらしい。
…やはりハツノは日本の先端技術を超えているような。
とか考えてるうちに、ノブナガとじーくは決闘を開始した。もちろん闘技場で。
先手必勝と言わんばかりにノブナガは太刀を振るうが、避けられる。
ジークは大剣を抜いてはいるが、振るう様子は全く見受けられない。
その後も、突くだの斬るだの繰り返すが、当てることは事はできなかった。
「どうした。その程度か?リュウグウと魔人化したらどうだ?」
精霊は生前より弱くなる。イフが言っていた。当然こちらの世界の人間のジークは知っている。
つまり、ノブナガが魔人化して、やっと手抜きのあいつと対等になれる。
あいつが本気を出せば、フェンリルも勝てないだろう。
ジークでも組織に対抗できないなら、俺達にも無理だって言う事だ。
「いいだろう…。そこまで言うならやってやる。
激流を纏いし精霊よ、我と一つとなり、魔人と化せ!」
するとノブナガは髪と服が銀と赤を強調したものに変化して、リュウグウノツカイみたいになった。
太刀は、蛇のようになグニャグニャした光を纏った。
「シッ!」
太刀を振るってもジークには届かなかった。が、光が刀身を延長して、
ジークの鎧を掠った。
「ほう。如意か。だが、貴様には使いこなせん!」
ジークの雰囲気が一変した。
すると、大剣からはありえないような斬撃を繰り出した。
ノブナガは受け切れずに吹き飛ばされた。
闘技場の壁にぶつかり、太刀を落としてしまった。
「剣士たるもの、どんな時でも得物は手放すことなかれ。
がっかりだ。これが天下の織田信長かよ」
「生憎、天下は取れなかったんでな…」
そして、ノブナガはジークに追い打ちの連撃を喰らって、気絶した。
大剣を背中の鞘にしまって、ジークがこちらに来た。
「やはりな。どうやらこの世界は本来の力を出せないようにされているらしい」
「どういうことだ?」
「そのまんまの意味だ。アイツはもっと強い。しかし本来の力が出せてない。
外部からかけられた圧力でな」
そういってジークはノブナガを回収して、話し始めた。
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