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異世界行ったら普通じゃなくなった少年  作者: パツキン緑ベルト
冒険者学院の強化合宿 “フェンリル化”の恐怖と魔力の共存
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俺、合宿に同行する。(会議編)

俺達は迷宮の宝物庫にいたが。


「おい。お前帰んないの?」

「美味しいご飯を食べることが人生の目標なので。

 貴方についていけば美味しいご飯がいっぱい食べられると思い、ここにいます」

「いや。組織とやらの仲間なんじゃないの?」

「契約しただけの関係です。仕事のために信念を曲げたくないのです」


ふんすと鼻を鳴らす青髪少女。

そういえばコイツの名前って…


「お前って名前あるの?」

「本名は分かりません。ただ、コードネームならあります。セインというね」

「セイン?じゃあ、それで名乗ってんのか」

「はい」


セインはさっきから作り置きのカレーをガツガツ食べていた。

食べるというか、口に入る前に消えていた。

「キャプ食い…」

「まさか本物を見ることになるとは…」

俺とジークは普通に拝んでいた。


「これからどうすんだ?ほぼ全員殺されたんだろ?」

「フォレストに向かう。当ては無い」

「俺等フォレストに住んでるけどな」


ジークは考え込んでいた。そして、


「お前等に頼みがある。俺と一緒に組織と戦ってくれ!」

「いや良いけど。大丈夫かよ。さっき俺死にかけたぞ?」

「その辺の連中より強いから大丈夫だ。ほっとけば笹野はお前を狙ってくるぞ」


うーむ。まあいいけども。

コイツらはいいのかな。


「ゴルダグ。そういうわけだ。援助頼むわ」

「いや。俺等了承してないし」

「どうせやんだろ?イフリートはその気みたいだし」

「ロードを襲撃…いい度胸ねフフフ…」


な?と言ってこっちを見るジーク。


「レンキとルシフェルは?」

「やるわよ。こんな目にあわされたからにはやり返してやるわよ」

「わ、私も全力で頑張ります…」


二人は了承してくれた。


「よし。ならハツノ達の所へ戻ろう」

「へ?あいつ等いんの?」

へ?知らんかったの?


―――

レンキ、ルシフェルは神器を一つずつと防具を貰って帰ることにした。

俺は、攻略の腕章にゴルダグの光を宿してもらった。

これで二つ目か。


―――(フォレスト・ノブナガの家)

「お?おかえり」

「何してんだ?ハツノ」

「いや。人工知能搭載の戦闘用機甲人間を作ってんだが」

「…お前こっち来てから技術力上がってない?」


まずハツノの工房に来てみたが、とんでもない開発をしていた。

すると、後ろからお茶を差し出された。美少女に。


「えーと、どうも。で、どちらさまで?」

「そいつは動力テスト用だよ。音声認識はできるが会話はできない」


コイツ既に世界の技術超えかけてない?


「よしできた。紀伊だ」

「紀伊?」

「コイツの名前だよ。紀伊。製作者は俺。マスターはレンキだ」

「は!?」


レンキが驚くと、紀伊が寄ってきた。


「マスター。ご命令を」

「これ、合成音声か?肉声と大差無いぞ?」

「そらそうだ。人間の声帯使ってるしな」

「何!?どこで手に入れたんだよ!?」

「奴隷ギルドで、死んでしまった犯罪奴隷の声帯を拝借した」


奴隷ギルドに行ってたのかお前。


「ま。この世界じゃあ、犯罪奴隷は人体実験に使われるパターン多いからな」

「鳥居?よう。どこ行ってたんだよ」

「反応薄くね?」

「お前は生きてると確信していた」


鳥居はにやけていた。

友人に信じてもらえてたのって嬉しいんだろうな。


―――

リビングに全員集合。


ノブナガの精霊が表に出ていた。

「リュウグウじゃん。おひさ」

「略すな。今までどこをほっつきまわっていた」

「悪い悪い。昔の力を取り戻すのに必死でよ」


リュウグウノツカイは頑固らしい。口数も少ない。


俺達は全員に現状を話した。


「なるほど。まずはそこの2名を学院から退学させ、フォレストに加入させたいと。

 そして、戦になるかもしれんと。…なるほど。それで召集がかかっているのか」

「召集?」

「実力のある冒険者全員に、ギルド協会の召集令がでた。

 明日の朝、各国のギルドに集合することになっている。

 学生や新入りは、まず参加できないだろう。ギルドもそこまで手が回らん」


いつの間にそんなものが。

と、ジークが顔をしかめた。


「連中とやりあうなら無駄だぜ。精霊を使いこなせんのが最低条件だ」

「世界中に何人いるかわからんだろ。それに、そこまで弱い冒険者なんて」

「半端な力を持った連中が集まっても、奴らには通用しない。

 強いか弱いかじゃない。自分の力を過信している奴らに頼っても足手まといだ」

「何…?」


なにこのギスギスした空間。

ノブナガとジークの言い争いが始まった。



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