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異世界行ったら普通じゃなくなった少年  作者: パツキン緑ベルト
冒険者学院の強化合宿 “フェンリル化”の恐怖と魔力の共存
35/38

俺、合宿に同行する。(5日目)

神獣フェンリル。

古の時代に、初代の神々がまだ人間の時、王となるために挑んだ最強の獣。

獣人族の中では、神として崇められている。


今は魂だけとなり、肉体を転々としている。

未熟者に宿ると、その中で暴れまわり、自我を乗っ取ってしまう。


「フェンリル…。まさか彼に宿っていたなんてね」


グルルルルルルルルゥゥゥゥ…


「狼風情が…。ファム様に手を出すな…!」

いままで大人しかった青髪少女が感情を表に出した。

しかし、


ボァァァァァァァァァッ!!!!


フェンリルの白い炎のブレスではじき飛ばされた。


フェンリルは初代の神々も簡単には倒せない。

そんな奴を少女に倒せるはずが無いのだ。


フェンリルは床に転がる少女にトドメを差そうとしたが、邪魔が入った。


『テメエ…!他人の身体で好き勝手やってんじゃねえ!』

カガミが叫び、フェンリルの支配に抵抗した。


支配が完全でなかったのか、すぐに解放された。


「グッ…!」

そのまま地面に崩れ落ちてしまった。


「フフ。フェンリルの支配に抵抗するなんてね…」

「しかし、その身体では満足に戦えまいよ」


青髪少女の言うとおりだ。

カガミは身体を貫かれた上に、神獣に抵抗して、潰れる寸前だった。


「これは好機ね。さっさと殺して…」

「貴様!」

何も言ってなかった銃士がようやく口を開いた瞬間。


「やれやれ。世話のかかるマブダチだぜ」

恐ろしく強い風が吹いた。

そこにいたのは、最初の友である男。


鳥居 訪露だった。


――――――――(カガミ視点復活)

「と、鳥居…?」

「おうよ。またせたな」


彼は銀と緑を主体とした騎士とは違う鎧を着ていた。

自分の体格に近い大剣を背中にぶら下げていた。


「ジークフリート。まるで狙って来たかのようなタイミングね」

「へっ。俺がいるのは既に知ってただろうが」


ん?ジークフリート?何?どういう…。


俺の頭がごちゃごちゃになっていると、ファムが話し始めた。

「ジーク ウィーガ。古の時代に最も暴れた孤高の龍騎士。

 魔剣グラムを使える唯一の人物ジークフリートとして歴史に名を残した。

 28歳で戦死した後、日本で転生。鳥居 訪露として生きる」

「ってことは…。お前もこっちの人間だったのか?」

「おうよ。まあ、このタイミングで出てきた時点で、薄々気づいてたとは思うが」


いや、全然わかんねえから。混乱しっぱなしだったわ。


ジークが何かを投げて、俺達に言い放った。

「おい!いつまで寝ころんでんだ!さっさとあいつ等を撃退すんぞ!」

ジークが投げた物が光を放ち、俺達に降り注いだ。そして、




俺とレンキとルシフェルの傷は簡単に治ってしまったのだった。



閲覧ありがとうございました。

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