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異世界行ったら普通じゃなくなった少年  作者: パツキン緑ベルト
冒険者学院の強化合宿 “フェンリル化”の恐怖と魔力の共存
32/38

俺、合宿に同行する。(2日目後編)

「さすがに上層だと、お前等の相手にもならないか。さすがに鍛えられてんな」

俺は迷宮の上層にいた。学生たちにも戦闘はさせたが、魔物は相手にもならなかった。


「教官。何故戦わないのです?」

「俺が殺ると、お前等の訓練にならないだろ。早く進みたいのは事実だが」

正直、コイツら置いて進みたい。

あくまで強化合宿の引率なので、進めないだけだ。


「っと。2階層は終わりか。ここから中層だ。魔物もモンスターも桁違いだぜ?」

俺が言うと、少女達の目付きが変わった。望むところらしい。

俺は少女達に感心しながら進んでいった。


地上では夜になったころ。俺達は3層目の真ん中あたりまで進んでいた。

この迷宮は氷型の迷宮主がいるのだろうか。ひんやりしてきた。

ここまで順調。どこの班よりも早く進んでいる。


俺はここで少女達を休ませることにした。

迷宮の真ん中は危険だが、俺は大きな穴を壁に掘った。

そこに魔物よけを置いたり、簡易ランプをつけたりしてキャンプ場を作った。


「今日はここで寝てくれ。テントは5つ張った。小さいのが俺だ。

 残りの4つは2人ずつ入ること。食事は俺が作るから。それと、

 無駄に広いから鍛錬しても良いぞ。寝ててもいいし、好きにしてくれ」

俺の話を聞いた少女達はテントの割り当てを決めて、すぐに武器を持って、

洞穴の奥に行ってしまった。熱心だな。


さてと。あいつ等にはカレーかな。俺は魔物肉でも食おう。

迷宮内の魔物やモンスターの肉は人間の身体に害らしい。

俺も最初は苦しかったが、身体がすぐに適応した。今は苦しくない。


訓練を終えたのであろう少女達を呼び戻し、夕食。

運動直後に炭水化物はよくないが、そうも言ってられない。

俺は無理やり食わせて、寝るようにした。


「あの…教官。ちょっとよろしいですか…」

「ん?ルシフェルか?どうした」

俺のテントに銀髪の少女が入ってきた。

ルシフェルだ。彼女は声をひそめて俺を呼んだ。

俺はテントから出て、ルシフェルの話を聞いた。


「あの…。先日は兄が大変なご迷惑を…。申し訳ありませんでした…」

「兄?迷惑?」

「えっと。グローリーは私の兄です…はい」

はい?グローリーがルシフェルの兄貴?


話を聞くと、ルシフェルとグローリーは血が繋がっているらしい。

あいつ、似てねえな。

銀髪くらいしか共通点が見当たらねえ。


ルシフェルはショートカットだが、前髪だけ長い。目を隠してしまっている。

なので、顔は口元しか見えない。人見知りなのかな?

身長は150位だろう。あとはちっぱいが特徴なくらいかな。


「まああいつも反省してるし、気にすんなよ」

「いえ…。レンキ先輩にも教官にもご迷惑を…ホントに、ホントに…」

「あの、俺が悪者みたいだからやめてくんね?」

やっとやめてくれた。落ち着いたみたいだ。


「グローリーの話はいいとして…。なんか他に用があんだろ?」

「はい…。図々しい話ですが…剣舞を見ていただきたく…」

「剣舞?別に良いぜ。寝れなくて退屈してたんだ」


俺はルシフェルの剣舞を見ることにした。

俺はそれにホントの美を感じた。


こうして夜は明ける。二日目終了。

閲覧ありがとうございました。

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