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異世界行ったら普通じゃなくなった少年  作者: パツキン緑ベルト
冒険者学院の強化合宿 “フェンリル化”の恐怖と魔力の共存
31/38

俺、合宿に同行する。(2日目前編)

「君が君であれることの何が悪いんだ?君を否定する奴がいるように、

 君を認めてくれる人だっているんだ。白海や…僕みたいにね。あ、それと鳥居と近藤もか」

「「も、って何だ!も、って!」」


――――――

これは、私とカガミの出会いの一部。

そしてこの言葉が、私がカガミに恋するきっかけだった。


私が中学3年くらいだったか。実はグレていた時期があった。

私だって人間だ。反抗期も当然ある。カガミは反発するほど親と話して無かったらしいが。


私は当時、自分に自信を持てず、一人で悩んで捻くれたのだ。

それでもアマノは相変わらず普通に接してくれた。


でも世間の目は甘くは無かった。

私は、クラスメイトに煙たがられるようになった。

アマノに好意を持つ男子にも責められるようになり、孤立してしまった。

当然、笹野にでもある。一番分かりやすい嫌がらせも彼がやった。


そんな時、私はチンピラに絡まれた。これで2回目だ。

1回目はアマノとの帰宅中の時。まだグレてなかった時だ。


海沿いの倉庫まで連れていかれ、軟禁された。

そして身代金を親に要求したらしいが…。


「おい。お前の親どうなってんだ?そんな娘知りませんだってよ」

チンピラも呆れていた。

そう。私は親に捨てられたのだ。そもそも家はおかしすぎる。


浮気しまくって家に帰らなくなった父。

自分の思い通りにならなきゃ娘にも手を出す母。

良い子ぶって周りから優遇され、天狗になってる姉。

私の小遣いを奪い、私に暴力を振るう妹。


それはグレて当たり前だろう。

家にも学校にも、何処にも居場所が無いのだから。

でも、そんな時…


「おい。やっと見つけたぜ」

「はあ。はあ。お、お前等、俺等が来たからには…」

「タダで済むとは思ってねえよな?」

「連輝ちゃん!助けに来たよ!」

カガミ、鳥居君、ハツノ、アマノの4人。ハツノは息切れしてた。

4人が私を助けに来てくれたのだ。私はこの時、すごく嬉しかった。


カガミと鳥居君は鉄パイプ、ハツノはスタンガンで戦っていた。

その隙に、アマノが私の縄を解いてくれた。


その後、チンピラをボコボコにして、3人が外に出てきた。

3人が駆けつけた警察に怒られて、こっちに近づいてきた。

そしてカガミは恋のきっかけの言葉を私に言った。

私はそれを聞いて、涙を流し、カガミに抱きついた。


以来、私は元に戻ることができた。

これが私の過去である。


―――(レンキ視点終了)


「レンキ、ボーっとすんなよ。早く買い物終わらせろ」

「あ、うん。ごめんなさい」

レンキの奴、どうしたんだ?ずっとボーっとしてたぞ?


合宿2日目。今回、俺にとってもチャンスの日だ。

何しろこの合宿、迷宮攻略に行けるのだ。しかもこの間と違うとこ。


最下層まで行っても良いってよ。やったぜ!

さっきから俺は嬉しくてテンションが高いんだよ!


で、午前中は攻略に向けての準備。午後から潜ることになっている。

準備は宿の近くの街で行っている。

といっても、俺はそんなに準備していない。せいぜい、調理器具とか食材くらいだろう。


「よし。全員いるな。準備はいいか?」

「教官!教官の荷物が少ないですが!」

「俺はストレージがある。ってどうした?」

「教官!ストレージは高位の魔術師でも使えるか微妙です!」

「知るか。そんなもん。よし行くぞ!」

俺の発言に面喰らってる少女達を置いて、俺は迷宮に踏み込んだ。


ちなみに。レンキは変わらず上の空であった。



閲覧ありがとうございました。

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