俺、合宿に同行する。(後編)
午後になった。訓練再会。
午前と内容は変わらないので手合わせだ。
俺は生徒達を一人ずつ叩きのめした。
今は生徒たちは地面にめり込んでいる。レンキも。
女性の扱いが酷いって?強化合宿だからいいだろ。男も女も関係ない。
「はいはい。叩きのめされた諸君。強くなりたいかー」
「……………」
あ、これ死んでんじゃね?掘り出すか。
「教官!どうすれば強くなれますか!」
「修行」
「どうすれば教官のようになれますか!」
「ダンジョンの最深部で四肢を消し飛ばされる」
真面目に答えろ!!
少女たちのブーイング。だって俺はそれで強くなったしな。
「んー。じゃあ武器魔法を教えるか」
「魔法武器のことですの?」
「武器魔法。魔法で武器を練成すんの。スキルとは違うな」
俺は生徒達を座らせ、ストレージから黒板を取り出す。
そして図を描いて説明した。
「今、俺等が持ってる存在する武器。そして存在しない武器魔法。
これらは全く違うってのはお前等にもわかるな?
まず武器魔法は自分の属性に対応した属性の武器になる」
俺は魔法を使って実際に見せた。
「俺は神炎だ。こんなふうに魔法を使いたい武器の形にコントロールできる。
利点はいくらでも作れること。無限じゃないけど、近接戦が苦手な奴向きだ。
欠点は魔力を消費することか。作った武器によって違うけどさ。魔力を抑えたいなら使うな」
俺は訓練用の騎士人形を召喚した。
「剣型にして、っと。ハァ!」
人形を斬る。スパンと音を立て、騎士人形が燃え尽きる。
ざわめく少女たち。俺にはキャッキャウフフにしか聞こえない。
「習うより慣れろってな。魔法式はこれだから見ながらやれよ」
俺は少女たち一人一人に魔法式を描いた紙を渡す。
後は放置。正直俺に指導は無理だ。
夕方になり、真っ黒コゲの少女達が帰ってきた。
「おつかれ…って、何があった…?」
「気にしないで…。作った武器魔法で殺り合ってただけよ…」
レンキの返答に俺は顔を青ざめた。恐ろしい少女達だ…。
「め、飯はつくってあるから。とりあえず部屋まで運ぶか…?」
「じ、自分で行けるわ…。皆、立って…ゴホッ」
口から煙を出してる生徒少女達は部屋まで歩いて行った。
俺は静かに後ろを着いてったのだった。
23時。皆、飯食って簡易風呂はいって就寝。
少女達は安らかな眠り…出来るはずもなく唸り声を上げていた。
それもそのはず。俺が少女達に魔法をかけたのだ。
その名も肉体改造魔法。
身体への負担を50倍にする代わりに、成長が早くなる魔法だ。
迷宮内では、修行の際に俺がいつも使ってた魔法。
俺の場合、負担は最高で100倍だった。
今でも日常生活で使っている。支障がないレベル…180倍位にしている。
銀龍との戦闘で異常ステータスになったのが原因で、300倍まで行けた。
支障がないのが200以下だったのでそうしたのだ。
明日の朝には筋肉痛は消えて、疲労も無くなっている。
ように感じるだろう。正確には違うのだ。
筋肉痛が無いのは合ってる。
疲労は、身体が疲労を意識させるまでの疲労の許容量が増大するためだ。
彼女達もきっとそれを実感するだろう。
初日は訓練ではなく、食事や睡眠に意味があったのだから。
ようするに、彼女達が強くなったのが何故かと納得する理由を付けるための
訓練が本日の訓練だった。明日、どうなるか楽しみだ。
そうして俺は眠りについた…。
翌日、俺に試練が待ち受けていたのだが…。
短かったですね。今回は。




