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異世界行ったら普通じゃなくなった少年  作者: パツキン緑ベルト
冒険者学院の強化合宿 “フェンリル化”の恐怖と魔力の共存
27/38

日本にて、とある少年の父の記録(四章プロローグ)

四章開始です。

俺が妻と日本に来て、もう20年以上だ。

最初は慣れない世界で苦労もしたが、アマテラスの指導でなんとかやってこれた。

だが、やはり向こうの世界も気になっちゃうんだが。初代の神としてはね。


日本に来て家を構え、3年くらいになったときに子供が産まれた。

妻の烈火は、鏡と名付けた。日本人としちゃ中々な名前だ。

息子は、生まれたばっかの俺と同じで可愛くねえ奴だった。

俺と違って、馬鹿では無かったがな。悪戯が妙に凝ってんだ。


鏡は戦闘に関しても、魔力に関しても異常な能力だった。

日本では必要ないと感じ、ある程度強めに封印したが…それでも不安はあった。


10年くらいたって、鏡もでかくなった。割と大人しい感じに育ったな。

家では、小遣い全部使って買った大量のらいとのべるってのをを読んでいる。

まあ両親が元々初代の神だし、そういうのに興味があるのかね。


中学生になった我が息子。変わらず家で本を読んでる。

学校でも休み時間は誰ともつるんでないらしい。人のかわし方が上手いのかね。


仕事の帰り道だったか。偶然早く終わったんで買い物して帰る途中で、

チンピラと戦ってる鏡をみつけた。

そんとき、俺は衝撃をうけたね。

喧嘩していることじゃない。年頃だし、珍しくもない。


鏡がチンピラを圧倒していることに驚いたんだ。

どこで覚えたのか、護身術を恐ろしいくらい使いこなしている。

相手の攻撃をかわして自滅させる。烈火の戦い方にそっくりだった。


烈火が戦いを教えたわけじゃない。

気になったんで、寝てるところをこっそり調べた。

能力の封印が解けたわけじゃない。ではなにか?


おそらく親の遺伝だろう。護身に関する才能は並外れているようだ。

それにしてもこの野郎、女の子を守ってやがった。

かぁー!我が息子ながら、なかなか男じゃねえの!


高校生になった鏡。半年もしないうちに悲劇が起こった。

生徒たちが消えた。鏡のクラスの生徒たちだ。もちろん鏡も。

俺と烈火は急いで原因を調べた。

探さなかったのは、消えて向かった場所がどこか知っているから。


俺は魔法で姿を隠し、教室を調べた。

そこにあったのは黒い魔力の残骸。

やはり、アテナ達に何かあったのだ。俺は確信した。

奴らがあの世界に干渉を始めたと。


案の定、向こうの世界に持って行かれたらしい。アマテラスが言うにはね。

俺はかつての仲間であるイフリートを呼びだした。

で、俺は事情を話し、イフリートに全てを任せた。


その後、イフリートには鏡の修行の報告を入れてもらっていた。

1年たった後、適当な言い訳で復帰してもらった。


やはり…何百年という時を越えて尚、裏切りの騎士の器を欲するのか、奴らは…。



―――(記録終わり)


「烈火。裏切りの器の子…、笹野君はすでに…?」

「ええ。黒魔力の種子が植えつけられていた。身体の半分はやられてる頃ね」

「やはり奴らは完全に黒と化したようだな」

「何百年もたってるしね…」

二人の人…。いや、人となった二人の初代の神々は静かに話す。


「だが、モルドレッドの器は一つじゃないだろうな」

「鏡もその器になりうる…。あの子の身体には生まれつきの黒魔力があるから…」

「魔力が身体に馴染んでいて、モルドレッドの定着が早い、か…」


男は考えた。そして一つの結論になった。

「イフリートに頼んで、白魔力を強化してもらうか」


この男は誰かに似て、面倒事は押し付けになるようだ。

いや。その誰かがこの男に似たのだろう。

女は男の考えに呆れ、苦笑するのだった。


今回でてきた人物、話題は物語の終焉のカギとなります。

四章でもちらっと取り上げる予定ではあります。

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