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異世界行ったら普通じゃなくなった少年  作者: パツキン緑ベルト
地上に出たよ。新しいヒロインも出たよ。
21/38

俺、大会に参加することを決める。

「私、最初は天乃と手紙で連絡をとっていたの。でも、急にそれが途絶えた。

 理由はあの子が所属しているパーティーが原因だった」

「所属しているパーティー?何て名前だ?」

氷咲の言葉に近藤が質問する。ていうかパーティーって何?


俺が質問すると、近藤と氷咲が答えた。

「言ってみりゃ“団”だな。大がかりなのも少数なのもある」

「毎月、それで成果を競ってるのよ。大会とかメンバーのクエストとか」

「ふーん。大会って、パーティー所属必須?」

俺が質問した。すぐに回答が来た。

「いや、個人エントリーもある。個人戦がほとんどだしな」

「団体戦も個人エントリー組が適当な相手みつけてマッチングするし」

「後は…まあ、助っ人とかな」

「助っ人?」

ノブナガが急に発言した。助っ人システムが大会にあるらしい。

「大会で数が欲しいときとか無所属の連中に声かけるんだ。金払って契約」

「金払うのか。あれだ、買収ってやつか。賄賂か?」

「賄賂って言うなよ。たしかに間違ってないけども」

近藤が呆れた表情を見せる。事実だからしょうがない。


「話が脱線したわね。で、所属パーティーなんだけどね…」

「おいおい、そんな真剣な表情ってまさかそんな事無いよな?」

近藤が不安そうな顔をする。氷咲は答えた。

「そのまさかよ。“ホワイトローズ”に所属しているわ」

「やっぱりか…」

「え、何?ホワイト?ローズ?」

俺が訳が分からないということを伝えると、ノブナガが答えた。


「ホワイトローズは誇り高い騎士貴族の集まりだ。男女共に実力があり、

 けして野蛮な者を許さない。ファンも多い」

「はあ。それの何がまずいんだ?」

「ホワイトなんて言ってるが実質ブラックなんだよ。

 大会じゃあ冒険者を瀕死まで追い込むわ、二度と立てなくするわ」

うわ、何が野蛮を許さないだ。お前らの方がよっぽど野蛮だわ。

「白海の奴、なんでそんなとこに所属してんの?」

「強くなるためよ。鳥居君と同じように。ただ方向性を間違ったの」

「白海はそんな奴だったのか?」

「真田君を助けたい一心だったの。強くなりたくて人を傷つけることに

 ためらいを持たなくなった。これじゃあ今度の大会も…」

氷咲は涙を浮かべる。ということは近々大会があるのか。


俺は立ち上がる。そしてこの場に居る全員に言った。

「俺は別に白海に助けてほしかった訳じゃない。

 …ていうか俺にそんな価値は無い」

「カガミ…」

先輩が、ノブナガが、イフが、近藤が、氷咲が、ゴコルが、

俺の言葉に耳を傾けている。皆が複雑な感情を抱いてるのは一目瞭然。

「だが、助けようとしてくれたのには感謝してる。

 あいつの努力を否定するつもりもない。だが、道を踏み外したやつに、

 助けてもらおうなんて微塵も思っちゃいない!ふざけんな!」

「真田君、あなたまさか…」

「ああ、俺があいつの信念をぶっ壊す。ホワイトローズも斬ってやる。

 ここの冒険者に全く面識はねぇが、正直日本に帰るのに邪魔だ」

「おいおい、お前ホワイトローズに挑戦状突き付けるつもりか?」

「ノブナガ、心配しないでくれ。カガミは強いぞ」

「だが…」

ノブナガが微妙な表情をする。先輩の言葉が信じられないらしい。

まあ、普通そうだろうな。


「はは。いいじゃないかノブナガ」

「ギ、ギルドマスター!?いつお戻りに!?」

「今だよ。すごい新人が二人いると受付嬢に聞いたのでね」

突如謎の兄ちゃんが現れた。本物のギルマスらしい。若いな。

「僕は60歳だよ。こう見えてね。名前はステル クロウ。

 よろしくね。あ、敬語は使わなくていいよ」

「ああはい。って60?ウソだろ?」

「ホントだよ。信じてもらえないけど。まあいいや。

 それで、君がホワイトローズに挑もうって子だね?」

ステルは俺に問う。その眼差しは確かに強者の物だった。


「ああ。そうだが…」

「だったら大会じゃなくてさ。ホワイトローズのチャレンジマッチに

 参加しなよ。そっちの方が手っ取り早いはずだ」

「チャレンジマッチ?」

「ホワイトローズ所属メンバー全員と戦うんだよ。

 勝てば四天王とリーダーに挑めるんだ。冒険者がよくでてるよ、強制で」

「ホワイトローズが叩き潰すための大会か…」

どうやら、冒険者は常にホワイトローズに狙われてるらしい。

「んじゃ、それでいいや」

俺はあっさりと参加を決めた。


「…大会ルールは終わり。日時なんかはこれに書いておいたよ」

ステルからルール説明を受けた。まとめると、

・ホワイトローズ50人との勝ち抜き戦

・50人に勝利すると四天王に挑戦できる

・四天王に勝つとキング、クイーンのタッグに挑める

・ホワイトローズのジュエルを破壊すれば意識関係なく試合勝利とする

の四つで、使用武器は問わない。殺さなきゃいいらしい。


「気を付けなよ。四天王、キング、クイーンは神器使いだ。

 キングはレイピア、クイーンは弓だったはず」

「関係ない。強いならだれでもいいさ。

 魔物を弱いと感じてたとこだしな。それに俺には秘策がある」

「秘策?」

ステルが首をかしげる。

「まだ言わない。当日までのお楽しみだ」

俺が笑いながら言うと、イフと先輩以外は微妙な顔をした。


「大会は7月だから…えーっと」

「1ヶ月後だな。それまでにタッグをみつけないと。ってもう決まってるか」

「ああ。先輩、お願いします」

「まかせろ。と言ってもタッグ戦までソロバトルだろう?」

先輩が苦笑いをする。俺の作戦上そうなるだろう。

ちょっと見世物があるんだよね。


「ほんじゃ一ヶ月後、ここで待ってるよ。大会場所まで送らなきゃね」

「ああ。よろしく頼む」

さーて、ちょっくらいぢめてやろうとするか。



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