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異世界行ったら普通じゃなくなった少年  作者: パツキン緑ベルト
地上に出たよ。新しいヒロインも出たよ。
17/38

俺、ノブナガについて説明される。

しんみり回です。

「アテナ、話が違うぞ?」

「ごめんなさい!ノブナガに関してはちゃんと説明するから!」

俺は今アテナに拷問、もとい質問をしている。

その前にこうなる前のことを説明しよう。



―――(回想)

俺と先輩はノブナガの家に来ていた。中心地にある大きめの家だ。

俺も先輩も訳が分からずしどろもどろになっていたが、

「どうした?遠慮せずに入れよ」

空気を読まない野郎、ではなく女性が俺達を家に押し込む。

もちろんノブナガだ。美女なのに行動が野郎のものだ。

ちなみにイフは俺のなかでお茶を飲んでいる。畜生め。


俺達は部屋割について悩んでいた。一人部屋二つか、二人部屋かについて。

もちろん俺は一人で寝るが、先輩が信長と寝ることに抵抗があるらしい。

「だったら3人で寝るか」

ここでも空気読まないノブナガ様。女性ならもうちょっと謙虚になれよ。


夕飯は俺が振る舞うことになった。ちなみに何故か受付嬢までいる。

とりあえず味噌汁を作ったが、ノブナガと受付嬢が俺等の分まで飲んだ。

「味噌汁なんてこの世界で初めて飲んだぞ!」

「こんなにおいしいスープがつくれるなんて…ギルドで売りませんか!」

「駄目だ。これは私達だけの秘密にしよう」

なんか言ってるし。と思ったらノブナガが交渉してきた。

そしてご飯を作ることを条件にこの家に住むことになった。


受付嬢が帰ったあと、俺達は寝室に向かった。結局3人で寝ることになった。

ちなみにみんな風呂上がりで顔が赤い。地上の風呂なんて初めてだ。

地下迷宮では俺がユニットバスを開発して、風呂に入ってたからな。

俺達はノブナガと話をしていた。ギルドのルールとかステータスとか。

ノブナガがこの世界に来る前のこととか。いろいろ。


「そういえば、お前ハツノ コンドウって知ってるか?」

「ハツノ コンドウ?」

「日本人か?」

「ああ、ちょうど1年前にこの国に来たんだ。集団で来てたけど、

 なんかギスギスしてたな。集団の半分くらいが脱退したんじゃないか?」

すっげえ心当たりがある。ハツノ コンドウ…。おそらく近藤 初野だ。

クラスメイトで笹野に反感を持ってた男子で、発明の天才と言われていた。


あいつもこの国にいるらしい。近藤はよく鳥居といっしょにいた。

運動は全然だが、数学、理科、英語、機械技術は天才級だ。

「あいつ今どこにいんの?」

「ギルドで発明屋を営んでいる。冒険者ギルドに入ってすぐ左だ」

なるほど。どうやら笹野とは決別したらしい。

あいつは商才もあるからな。良い選択かもな。


11時くらいで俺は寝てしまった。

ここまでで俺が気になったのはノブナガの記憶だ。

アテナは生まれる世界が違うと記憶が消えると言っていた。

なのにノブナガは日本での自分を知っていた。

しかもノブナガがこの世界に居たのは6年前からという。

これはちょっと問いたださねば。アテナになんとか会えないか。


―――――(回想終了)


と思ったが割とすぐに会えた。向こうがよびだしたらしい。

相変わらずスタイル良いなと言って持ちあげたら、

お前って絶壁だよなと言って撃ち落とす。

これによりアテナは崩れ落ちた。そして縛って拷問。じゃなくて質問。

「ノブナガは6年前にこの世界に送り込まれたのは本人から聞いたでしょ?」

「ああ」

「彼女は魂としてここに召された。でも記憶が消えなかったの」

「何故?」

「それは魂の強さが違うから。彼女は貴方達と同じで魂の力が強いの」

「それ初耳なんですけど」

「そうだっけ?…で、魂について説明するとね。稀に異常な力を持つ

 魂が現れるの。それを異魂と呼んでいるわ。で、その異魂は記憶が消せない。

 だから肉体を返して、そのまま別世界に放り込むの。ノブナガのように」


鬼かよ。でも何となく理解はできた。でも俺と先輩は分かんねえな。

「あなたと大和も同じよ。むこうで死んだらそのままこっちに来るわ」

「それは交換とは違うのか?」

「異魂は交換では使えないの。他の魂が消えるからね」

「じゃあなんでこっちに送られるんだ?」

「本人の意思とは関係なく転送されんのよ。だからいつ来るか分かんないの。

 来たら来たでこっちで処理するけど」

お、おう。残飯を処理するみたいに言いやがって。ご飯は残さず食べよう。


「異魂は一回しか現れないわ。稀に二回もあるけどね。ノブナガがそうだし」

「つまりノブナガはあと1回死んでも記憶が消えぬまま日本に行くと?」

「日本とは限んないけどね。異魂は転生してその後死ぬと力が無くなるの」

つまり、記憶が消せるようになって交換で使えると。そういうことか。


魂って複雑だな。あれ?ちょっとまてよ?

「なあ、アテナ。お前5代目って言ったよな?」

「ああ、おじい様から聞いたの?」

「まあな。もし6代目が生まれてお前が死んだらお前の魂はどうなるんだ?」

「6代目が管理するわ。ていうかまだ生まれてないけど」

ああ、そうか。神にも魂があるんだよな。


「不思議ね。あなたって」

「ん?どうしてだ?」

「だって普通なら、俺達は神の道具じゃない!って言うし」

「まあそうだろうな。でも世界がこうやって循環してんならって考えられるし」

「やっぱ変わってるねあなたは。そうか…あなたならきっと…」

「ん?どうした?」

「なんでもない」

また苦笑い。なんでつらそうなんだ?


アテナは思い出したように言った。

「そうそう、元の世界に帰りたければ、“神の眠る場所”に行きなさい。

 地上から見ることは出来ないけど」

「どうやって行くんだよ…」

「条件が整ったら教えるわ。まずは全ての迷宮を攻略なさい」

条件ってなんやねん。この前の事と言い、もったいぶらずに教えろよ。

「ああ、もう時間ね。今度呼ぶ時はアークを紹介するわ」

「え、ちょっ」

俺の意識はそこで途切れた。




朝起きたら、すでに日は昇りかけてた。隣には先輩とノブナガ。

俺の脳裏にはあのアテナの苦笑いが残っていた。

「…朝飯作るか」

誰に言うわけでもなかったが、俺は複雑な感情をごまかすように言って、

布団から起き上がった。



「…なに作ろうかな」

俺はそんなことを言って厨房に向かった。



閲覧ありがとうございました。

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