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異世界行ったら普通じゃなくなった少年  作者: パツキン緑ベルト
修行が終わった、いざ地上へ
12/38

俺、銀龍と戦って女神と会う。

戦闘シーン=微妙

「ラァァッッ!!」

俺は銀龍に剣を振るう。見事にヒットし、龍の身体は血を吹く。

『グウッ!』

銀龍は苦しそうに声を出す。だがまだまだ、とでも言うように立つ。

「ハァァァァッ!」

先輩が剣に雷を纏わせて、龍の前足に剣を突き刺す。

走りながらだったので、その分威力も上がった。


実は、ここまで優勢だった。尻尾攻撃、蹴り攻撃、爪攻撃、頭突き。

いろんな攻撃があったが、俺達はあっさり受け流した。

しかも俺達のスピードに目が追いついてない。だから優勢だった。


『くっ!人間2人ごときに苦しめられるとはな!』

「想定外か?こうなったのは自分のせいだぜ?」

「私達に圧倒されてくやしいか?」

『いや、楽しいんだ!こんなに強い奴らと戦えることがなァァ!』

銀龍が喜々とした声で語りかける。さっきまでの大人しさはいずこへ?

「だが早いとこ終わらせたいんだ。確かに楽しいが、時間は

 無限じゃない」

「これでトドメだ。私達の1年間の修行の成果、受けてみろ!」


俺は剣に“蒼い炎”を、先輩は“金色の雷”を剣に宿す。

そして走り出す。そして加速しながら跳び、剣を振り下ろす。

炎と雷の斬撃が迫ってくるなか、負けじと銀龍もブレスを吐く。

おそらくコイツの最大技だろう。いままでの攻撃よりもっとも強い。

エネルギーとエネルギーのぶつかりあい。

互いが互いを押し返そうとする。けど、負けられない。

ここから出るため、白海と鳥居と再会するため、日本に帰るため。

「絶対に、負けられないんだ……ッ!勝たなきゃ、帰れないんだ!」

先輩と俺の声が重なった。

「俺は………ッ」

「私は………ッ」


「絶対にここから出るんだッッ!!」

俺達が銀龍を押し返し、銀龍が吹き飛ばされる。

『グヌゥゥゥッ!?そうか、これが……主らの信念か………』

銀龍が光に呑まれる。段々声が薄れていく。



そしてそこで俺の視界は真っ白になった。





―――て。

ん?誰だ?

―――起きて。

誰の声だ?前が見えねえ。

―――カガミ、起きて。

ん~~~?ん?

俺は目を覚ました。だがそこはさっきまで俺がいた場所じゃない。

なんていうか、空の上に立っていた。比喩ではない。

そして目の前には女神っぽいのがいた。比喩ではない。

「えーっと、誰?」

「私はアテナ。女神アテナ」

女神だった。俺、この世界に来てからの初対面みんな女子だわ。

アテナは金髪一本の三つ編みで、緑の瞳だ。

そして服装は、金の鎧に白い布。あと露出が多い。極端にではないが。

「で?女神さまが何の用?」

「ええ、あなたの願い、元の世界に帰る方法を教えてあげる」

「うさんくさいな」

「これでも女神なんだけど」

俺の発言に、アテナが拗ねる。可愛いな。

「まあ、いいわ。信じる信じないは別だけどね」

「はやく話せ」

「はいはい。…結論から言うと、このままでは元の世界に帰れない

 かもしれないわ」

「は?」

元の世界に帰れない?どういうことだ?




つまり、この世界の神である二人の女神、“アテナ”と“アーク”。

その二人がこの世界に干渉できなくされたと。

そして、俺らのいた世界の神、“アマテラス”と“フレイヤ”も

自分たちの世界に干渉できなくなったと。

そのせいで、本来送るはずの死んだ人間の魂が交換できず。

代償に、生きていた俺らが一方的にこっちに引き込まれたと。

なるほどわからん。さっぱりわからん。


「私達の世界とアマテラス達の世界は定期的に死人の魂を

 交換しているの。生まれ変わらせるときに記憶が残らないように」

「つまり、違う神の世界で生まれ変わると元の世界の記憶が消え、

 新しい人格を形成すると」

「そう。でもそれができなかった。交換は100年に一度。

 私達にとっては100年なんて人間が1年と感じる期間。

 それが1年前だったの。でも、なぜか生きているあなた達が

 送り込まれた。それも一方的にこっちが引き込んだ」

「交換って、1回じゃないのか?俺と先輩は1カ月差で来たぞ?」

「引き込まれたのは一緒だったの。君らが届くのが彼女より

 1カ月遅かっただけ」

ふーん。でも帰れない理由の説明にはなってないよな。


「で?帰れないってどういうことだ?」

「自分の世界に干渉できなくなったのは私達だけじゃない。

 アマテラス達もそうだって説明したでしょう。どちらも

 干渉できないなら交換が発動しないの」

「あー…そういうことか」

つまり、次の交換で俺らを元の世界に戻すつもりだったのか。

「いや、まて。次の交換100年後じゃん」

「それなのよね。だから交換では元に戻せないの」

アテナが右手で頭を押さえる。

「じゃあどうやって」

「それはまだ説明できない。きっと受け入れられないから」

アテナが表情を曇らせる。どういう意味だ?


「でもきっと元の世界に還してあげる、だからとりあえず、

 全ての龍を認めさせて。あなたと彼女が手にいれたその力、

 それがあればきっとできる」

「え、ちょっ、おい!」

「また逢いましょう。そのときに、ちゃんと真実を伝えるわ」

アテナが消えていく。俺は手を伸ばす。

「それから、滅多なことがない限り、力は押さえたままね。

 押さえていても、その力は地上では強すぎる部類よ」

「おい、無理やり話を切るんじゃ…」

「じゃあね、蒼の少年」


アテナの言葉を最後に、再び俺の意識は途絶えた。

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