1章プロローグ
同時連載です。メイン投稿にはならないかもです。
「で、あるからして…」
ここは、とある公立高校。今は授業中だ。皆、静かに話を聞いている。
「では、真田。ここから読んで、問題を解いて。」
「はい。」
僕の名前が呼ばれた。僕は立って教科書を読む。
「ここから山脈になっていて…」
僕はすらすらと教科書を読んでいく。読み終えて問題の答えを言う。
「正解だ。うむ、やはり問題を解くのが早いな真田は。」
「そうですかね。」
「ああ、他のクラスの奴らよりは間違いなく早いだろ。」
お世辞はいいよ先生。テストも中くらいの成績だし、特別運動できる訳でもない。
僕はなんのとりえもない普通の人間ですから。
なんてことを考えるとチャイムが鳴った。
「よし今日はここまで、ちゃんと復習しておくように。」
「「「ありがとうございました。」」」
「ふう、やっと終わった。」
僕はため息をつきながら、片付けをする。今日は帰ってから何をしようか。
僕の名前は『真田 鏡』。高校1年生。特技なし、成績そこそこ、運動そこそこ。
僕は教室の端っこの席に座っている。基本的に一人で。
休み時間は唯一の友人、『鳥居〈とりい〉 訪露〈ほうろ〉』とつるんでいる。
僕の容姿は普通だと思う。極端にブスでも、イケメンでもない普通の顔。
身長も170センチと、普通の感じだろう。
黒いボサボサの髪、普通のメガネ、大きくも小さくもない普通の髪。
鼻も口も大きくない。小さいほうだ。普通で無いとすれば、メガネ外したときの
目つきだろう。なんかキリッとしてるらしい。
だから、視力は悪くないがメガネをかけてる。
ここまでの説明でご理解いただけただろうか。僕は普通と縁切れぬ男なのだ。
だけど僕は安心していた。なんとなくこれで静かに過ごせるから。
そう、僕は今もこれからも静かに生きていこうと入学式で決意したのに、
「真田君。」
「そうは問屋がおろさないよね…」
「なによ失礼ね。」
今話しかけてきたのは、『白海〈しらうみ〉 天乃〈あまの〉』。
学校の人気アイドル『スカイカラー』(非公認)の一人だ。
当たり前だが女子。しかも超人気の美女。胸もある。艶のある黒髪と小顔、
制服のせいで色気がある。勉強、家事、運動、なんでもできる完璧超人。
中学時代1~3年全部同じクラス。別に興味はなかった。
たしか2年の夏、不良に絡まれてた彼女を救ったことがある。
彼女はあの程度の奴らを倒すのはたやすいだろう。でも人を傷つけさせるのは、
なんとなく嫌で思わず前に出てしまった。でも仲良くなる出来事かな。
白海がなんか話始めた。
「ねえ、帰り一緒に本屋行こうよ。欲しいのがあるんだ。」
「いいけど、帰り道だし。どうせ暇だし。」
「やった!」
なんか喜んでる。可愛い。思わずナデナデしてしまいそう。
彼女は身長165センチ。だから余計可愛い。
「なら、早くいこ!」
「ちょ!手を引っ張んないで~!」
痛くないけど、周りが睨んでくるから~~!!(特に男子)
でも、教室から出ようとした瞬間、それは起こった。
一瞬でこのクラス全員が、教室から別の場所に飛ばされた。
このときの僕は思いもしなかった。ここは剣や魔法、モンスターが存在する、
『異世界』だと・・・・。