楽しい楽しい宇宙旅行~♪
8 楽しい楽しい宇宙旅行~♪
「何が墜落はしないだーーー!!どう見たって落ちてるやんー!!!」
ロケット内部ではチロの叫び声が響いていた。
「計算違いだ!でも大丈夫!ちゃんと河星に向かってる!」
「その前に宇宙って無重力じゃないのぉ⁈」
「今話しかけないでくれ!」
しばらく沈黙して、
「近づいてきた!!」
またチロが叫んだ。
目の前に地面が近づぬいてきて……
ドォーン!!
ロケットが大破した。
「いったぁーい!!」
がれきの隙間からチロが顔を出した。
「完全に重力あるじゃねーか。」
続いてリールががれきを押しのけて這い上がってきた。
「これは何かが起こるわね。」
まだがれきの中からは出れていないようだが、コールの声がした。
「ムゥムゥムゥー!」
「兄ちゃんどこだ?」
「ムゥムゥー!!!」
キールの声は聞こえるが、どこにいるのかわからない。
「ム……!!」
「にいちゃぁーーん!!」
リールが叫んだ。
「……ナンテナ」
がれきの間から、キールが出てきた。なんと、全くけがもしていなければ、汚れてもいない。
「チイサイッテラクダナァ。」
三人を見上げながら、キールが言った。
「さすが兄ちゃん!」
「んでさ、河星来たけどこれからどうするの?」
見かねたように、チロが言った。
「きまってるだろ。」
リールは目を輝かせた。
「河星探索だ。」
「ええええ!結局そうなるの⁈」
四人は各々のやりたい事をすることにした。
☆ ☆ ☆ ☆
せっかく宇宙に来たんだから、なにか持って帰らなきゃね。みんなに怒られちゃう。
決めた!みんなのお土産さがそーっと! まずはまなみちゃんのからさがそーっ!
あれ?なんかある……うわぁ……なにこれ……石……かな……でも…きらきらしてる……きれい……すいこまれそう……。
決めた!これチロの!
他に何があるかなー?
ん?なんだこりゃ。ちっちゃい家?……なんでこんなとこに家があるんだろ……。
♪ ♪ ♪ ♪
こりゃあ水精石じゃないか!世界の大発見だぞ!いや……ここには結構色々な人が来てるはずだ……こんなに沢山あるのにどうして持って帰らなかったんだ?もしかして、何かひみつがあるのか……?まあいいか、これは持って帰ろう。
ザクッ
ん?何か踏んだか?
こ……これは……!
♡ ♡ ♡ ♡
河星か……お父さんとお母さんも来たことあるんだっけ……。確か初デートの場所だった様な……。
そういえばソルドが何回も河星に着陸しようとして失敗してたな……なんか関係してるのかな……?
あれ?なんだろう。一瞬赤い旗が見えた様な……。
○ ○ ○ ○
オレガチイサイカラッテナメンナヨ!ツブサレタトオモイヤガッテ!イチバンキレイニデレタンダカラナ!
エ?オレノコエヨミトリニクイッテ?シランヨ。ムカシカラコンナコエナンダカラ。ヨクイワレルサ。
ン?ナンダ?ミンナナニヤッテンダ?コノカタチ……ドコカデミタヨウナ……イシト……ミズト……ハタ……サンカッケイ……ア!!
ビクトールハカセダ!
* * * *
キールの声がする。三人を呼んでいるようだ。
「コッチニキテクレ!!」
まず最初にリールが駆けつけた。
「ビクトール博士の遺留品だろ⁉これ!」
続いてチロとコールも来た。
「ビクトール博士?」
「旗!旗があった!」
「ミテクレヨ。」
キールはリール、チロ、コールが元いた方向を指差した。
「あ……。」
「え?何?」
「これは探索のしがいがあるぞ。」
「え?だから何なの?」
チロにはわからない何かが、三人にはわかったようだった。