宇宙へゴー!
6 宇宙へゴー!
「わああああああ~!」
ロケットが飛んだあ!すごい!研究所がちっさくなってく!
それにしてもこの宇宙服、暑いなあ。
「ねえねえ、これ、ぬいじゃだめ?」
「どうなってもしらないわよ。」
これは脱がないほうがよさそうだ。息ができなくなってしんじゃうかもしれない。チロが軽くなって飛んでっちゃうかもしれない。
「大丈夫、飛んではいかないから。」
え⁈なんでチロが考えてたことが分かるんだろ……。
「さて、なんででしょう。」
コールって、超能力者⁈
「残念だけど、超能力はもってないわ。」
「え?じゃあなんでチロが考えてたことわかったの?」
「さて、なんででしょう。当てたらアイスあげる。」
「アイス!!」
チロがアイス好きって事もわかってる!!んー、ますます超能力者にみえてきた……。
♪ ♪ ♪
チロがコールの事を超能力者だと思っている時、地上では、たいへんな騒ぎになっていた。
「なんやなんや!ヘリコプター大量やん!」
「それよりチロは本当にあのロケットで飛んだんですか!」
ルーとまなみが叫び合っている。
「なんかお偉いさんが乗ってるってうわさですよー!」
「それにしてもヘリコプター音うるさすぎや!こんな大量でこんでもいいやろ!」
「それは私も思います!」
「ねえねえ!これ、みてよ!」
バナナが参戦してきた。
「なんですか?」
「テレビ!ニュース!ルワノ放送!」
そう言いながら、バナナは大きなテレビを指差した。
『たった今入ってきた情報です!ソルド民主党の原梅代表が、我々ルワノを支配下に入れると宣言しました!』
「なんやって!」
「条約を破るってことでしょーか……」
☆ ☆ ☆
自分たちのせいで大変な騒ぎになっているともつゆ知らず、四人は宇宙旅行を思う存分に楽しんでいた。
「おい、水飲んでみろよ!まるくなるぞ!」
「ほんとだ!!まるくなる!ところでさ、三人とも宇宙来るのはじめて?」
「はじめてよー。行く理由も無かったしね。」
「そうなんだー。」
ビーン、ビーン、ビーン
急に大きな音が鳴り響いた。
「オイ!ネンリョウガモレテルゾ!」
どうやら楽しい宇宙旅行はこれで終わりのようだ。
「もしかして……落ちる?」
「いや、大丈夫だ。とりあえず河星に着陸する!」
「こんなんで大丈夫なのー!?」
燃料が丸くなって落ちていく様子を見ながら、チロは叫んだ。