経験
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「危ない」
首筋を狙われたザックにたいするゾーラの一言だったが、ザックはゾーラの言葉の前に動いていた、まずザックはすぐ近くにいることを確認し、わざと隙を作った。思った通りにファングは首筋を狙いに動く、ファング等の動物は蛇やクモと違い一撃で仕留めにくる、硬くなく、口で噛める範囲で。となると頭には攻撃しない心臓じゃ噛みずらいとなれば大抵は首筋を狙う。つまり地面を蹴った音を確認したら、半回しながらしゃがむ、とすると大抵は上の方に影が見える、その影を見ながら柔らかそうな部位に全力でジャンプする、その一連の動作は数秒で出来ることであり無論ファングよりも速い、危ないと言った時はもうザックはしゃがみこんでタイミングをうかがっていた、ゾーラはザックを助けるために瞬時に作った氷塊(水と風の合成)を保ちながら、辺りを見回した、(たしか三匹で来たとかいってましたね、とすると……)ザックがジャンプをして首筋を狙ったファングの腹をおもいっきり突く、予想だにしない攻撃にファングは対処できず、無防備のまま突きをくらう無論激しい衝撃に襲われ倒れこむ。ザックは倒れこむファングに追い討ちをかけるため一歩前に出て踏みつける準備をする。すかさずそれを狙ったようにもう一匹のファングが出てくる、勿論そのファングには氷塊を作ったゾーラの一撃を食らう。無論襲いかかるスピードよりも速い、そしてファングの牙よりも硬い(まがあっためできるだけ硬くしといた)そしてアゴに命中、骨が砕ける音がしながら木にぶつかっていった。バキ!!早急よりも強い音が流れる、ザックの追い討ちの音だ。しかし今の衝撃は明らかにザック自信の体重で出せる音ではない。
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「ザック君今のはいったい………」
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「少しだけ重力を増やしただけだ、それよりも、どうやら親玉が来るらしい。」右方から炎弾が飛んで来た。ゾーラとザックは後方にバックステップ、バン!と言う衝撃音のあとに聞こえてくる雄叫び。|
「あったったら火傷じゃすまされませんね多分骨も砕けますよ。」|
「だけど避けられないわけでもないだろ。」ザックは炎弾の後を見てみた、直径二十センチくらいの半円が出来ている。このぐらいの威力の炎弾を出すファングは滅多にお目にかかれない、つまりかなり強い部類に入る。だが強くても所詮は炎弾系のファング武器を使うまでもない。|
「よそ見してないで次来ますよ。」
ゾーラの言葉道理、次々と炎弾が飛んできた。しかしながらある程度の距離と場所が確認出来れば炎弾の放つ赤い色のせいでなんなく回避できる、それにはファングもきずいているはずとすれば次の攻撃は。
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「ゾーラ、そろそろ炎弾を地面に当てて視界を悪くして俺達のことを狙うはずだ、風の神力の準備をしてくれ。」|
「もうとっくに準備できてますよ。」
暫く炎弾を吐き続けた後、今度は地面に炎弾を吐き出していった。当然視界が悪くなるたがしかしこれは計算のうちに入っている。後は臭いを頼りにくる親玉を対処するため、五秒位たった後ゾーラは風の神力で視界を良くする。すると居場所がばれるとわかった親玉ファングはせめて一人倒そうと近くにいるザックを狙い走ってくる、しかし倒し方は噛みつきだと風を出している奴が援護をして食らわないかも知れない。だとすれば至近距離から炎弾をだして瀕死に陥らせるたか方が無難だと、恐らくここまで生きてきた感覚からそうするだろう。いやむしろそうするように作られたのだろう勿論ザックは何回も炎弾を吐くファングと戦っている彼等がどのように戦いどのように考えるかも知っているだからザックは目の前にある黒い影の顔に、昔こいつらと戦ったように投げる。
そして自分は後方に飛込む、そしていつもこいつらと戦った時みたいにドン!!!という衝撃音の後いつもの通り静かになる。さっきまでうるさかった音が消えていく、そして残るのは静穏だが、今回は視界をはらしているゾーラの風の神力の音が辺りに聞こえるだけになった。辺りははれていく、周囲には親玉を倒した焦げあとと瀕死のファング(死んでいるかもしれない)と呆れているゾーラの顔が写っていた。
「こんな戦い方初めて見ましたよ、ガソリンでファングと戦うなんて。」
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「非常識かい、でも結果は君の目の前にあるとうりだ、逆に武器で戦っていたら敗けたかも知れない。」やれやれと溜め息をつきながら
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「ではここで今夜は野宿しますかと」
とゾーラは言った………
今日は二回の投稿になりました、感想待ってますm(_ _)m