逆ハーエンドということは。
「母ちゃん、話、聞いてくれるか?」
大商人の息子、マーリィが。母のハイトに話しかけた。
マーリィは今、学園高等部から帰ったばかり。この頃、何だか思い煩っているようで、元気がない。と思えばやたらと興奮した風で、爛々とした目、ちょっと心配な息子なのだ。
恋煩いでも、しているのだろうか。
「何ですか?母ちゃんはないでしょう、学園で、第一王子殿下とも仲良くさせてもらっているのよね?言葉には、気をつけないと。」
「ああ、いや、ううん。その事もあるんだけど、母ちゃん。今は母ちゃんって呼ばせてくれ。何もできなかった、まだ祖父ちゃんに父さんが認められてなくて修行してた、俺の小ちゃかった頃みたいに、あの小さな家に住んでた頃みたいに。……ほとほと困っているんだ。」
相談してみなさい、とハイトは言った。見直していた帳簿と、手慰みにしていた繕い物を置いて。
大商人だとて、貴族ではないのだから、贅沢が可能なら可能なだけ、必要な所はグッと豪華に、そしてシメル所はシメているのだ。
「母ちゃん、俺、おかしいんだ。ううん、おかしいのは、俺だけじゃないんだ。」
マーリィが言うには、好きな女の子がいる、と。
その子は男爵家の子で、男爵のお手がついた平民の母から生まれ、母が亡くなり、引き取られた経緯の哀しい子。男爵には可愛がられているらしいが、奥様には、それは確かに、一線を引かれている。
相手のお嬢さんは、一人っ子ではない。そしてウチほどの大商人ならば、身分差があってもお嫁にもらえない訳ではない。
「アリシアっていうんだ。素直で、元気で、気さくで、優しくって、かわいくって。」
その気はあるらしい。そっと仄めかせば、良い顔をしてくれる。
でも、そのアリシアを狙っているのは、マーリィだけではない。
騎士団長の息子、ダンヒル。
宰相の息子、リンリー。
公爵家の長男、メイル。
第一王子、プライド。
「俺たち、何か知らないけど、皆してアリシアの側で笑っていてさ。でも……アリシアって。」
笑っていたマーリィが、半目になって、皮肉な笑いになる。
「全員に、何か、気を持たせるような感じの態度をとるんだよね。」
マーリィは思ったらしい。
これは、祖父ちゃんに連れられて行った、花街のお姉さんの手管じゃないか?
誰もが自分こそ本命だと思っている。
貴方だけよ、と言いながら、沢山の男を手玉に取り、そして、男達を競わせる事で、自分を上げる。
その状態を作り出しているんじゃないか?
「俺たち、誰がアリシアの相手になっても、恨みっこなしだ、って誓い合ってさ。アリシアに、それとなく問い詰めたんだ。」
それが、なーんでか、皆、自分が本命だと、やっぱり思わされるらしい。
だけど、決定的な事は、絶対に言わない。
「マーリィ。分かっているんなら、やめたら?そんな子。」
「うん。俺たち、そう思ってさ、だって身分のある騎士団長の息子、ダンヒルも、宰相の息子、リンリーも、公爵家の長男、メイルも、第一王子殿下のプライド様だって、婚約者がいらっしゃるんだよ。男爵家の平民上がりの女の子なんて、やばいと思うじゃない。俺よりもっとさ。」
だけど。
アリシアを前にすると、何だか、不思議と、ボーッとなって、いい気持ちになって、いい感じにされちゃうんだ。
「学園に行くと、アリシアに会うと、もうダメなんだ。何かおかしいんだ。それで、アリシア、私たち皆で、仲良くしましょ、いつまでも。とか言うんだ。それってどういうこと?いつまでも?最終的には全員と結ばれたいってこと?俺たち、どうなっちゃうの?怖い!」
「本当に抵抗できないの?」
できない、何かがおかしいと分かっているのに。
マーリィは、幼児のようにハイトの胸に縋り付いた。得体の知れない、自分でコントロールのできない事に、彼は白旗を掲げ、自分の出来うる、最上の案を取ったのだ。
いい歳して母ちゃんに縋りつき、情けないが、それは些細なことだ。
ふぅ〜む。
考え込む母のハイト。彼女は少女の頃から賢いと、ハイトに相談すれば何とかなる、と。多くの人に最後の手段として頼られてきた智慧者である。
「婚約者の方たちは、なんて?」
「それが、アリシアに意地悪な事をしているらしいんだ。はっきりしないんだけど……証拠は掴めなくて、俺以外の4人は、話だけ聞いて、アリシアの前では怒ってる。でもさー、それ、当たり前にそうなるだろ。婚約者の方たちにしてみればさ。」
「なるわね。でも、高位貴族のお嬢様たちがなさる意地悪が、そんな軽いものかしら。誰がやったか分からないように、バッサリやるべき時にやり遂げる、なんて、出来ない訳ないでしょう。もしくは、本当に、お淑やかな鞘当て程度か。」
両極端のどっちかじゃないか、とハイトは思うのだ。
些細な言葉で、態度で、分かってもらう。注意を促す。忠告。
それが続いてもダメなら、貴族としてダメだから、バッサリやる。
それが何でか、男爵家も無事だし、アリシアも嫌われず、何故か婚約者たちばかり悪評が立ってゆく。
「怖いよ、母ちゃん!」
「そうねえ。これは、怖い事だわねえ。」
そしてマーリィは言うのである。
「卒業式で、ビシッと婚約破棄すれば良いんじゃないか。って他の4人は、アリシアに言ってるんだ。いや、言わされてるんだ!おかしいと分かってるのに、学園にいると、俺も『ですね!』とか言っちゃう。どうしよう、皆だって、今まで真面目に、婚約者を大事にして、長らくやってきたんだよ?それが、台無しになっちゃって、俺たちだけじゃなくて、婚約者の方たちだって、傷つくじゃん!」
皆みんな、その家の、大事な息子、娘なのに。
ハイトは思った。
「その、強制する力みたいなのは、学園の皆にかかっているのか、調べる必要があるわね。婚約者の方たちも集めて、身分は違うけれど、宰相のご家族、騎士団長のご家族、公爵家のご家族、それから、恐れ多いけれど王族のご家族も。私たちもよ、皆で集まって、相談すべきね。」
「そんな大それたこと、できる?母ちゃん。」
ニコニコ!とハイトは笑った。
「母ちゃんに任せときな!」
大事な息子たち、娘たちを守らなくて、何で母と言えようか。
マーリィは、トン、と胸を叩いた母に、ホロリと涙を流すのだ。
転んで泣いて、慰めてもらった、幼児の時と、同じ瞳の色で。
アリシアはウキウキしていた。
今日は卒業式である。
逆ハーレムエンドが完成する日である!
ここは乙女ゲームの世界。前世を思い出し、主人公として生まれたと、幼い頃から分かっていた。ジリジリしていた。
だから、男爵に引き取られて、学園に通い始めてからは、本当に楽しかった!
皆、アリシアをちやほやしてくれる。
もちろん、それに見合う、元気で素直で頑張り屋な少女として、ミスを犯さずやってきた。一言一句として外さず、どうすればいいか、攻略を覚えているのだ。
「悪役令嬢も、今日が最後ね。追放エンドは可哀想だから、側妃として頑張ってもらって。他の婚約者令嬢達は、修道院でいいかなー。食うには困らないんだもんね。私は王太子妃、そして周りに侍るイケメンばかり、素敵!」
くふふふ!と笑いが止まらないのだ。
ドレスは第一王子プライドが贈ってくれた。迎えにきてくれる、5人の攻略対象者たち。
1人ぼっちで入場する悪役令嬢は、ほんと可哀想。でも、意地悪だって実際にされたし、(噴水前でやんわり押されたり、教科書破られたりとか)仕方ない。
「リレイン!良くもアリシアを虐めたな!そんなお前を、妃になどできるものか!私はお前と、ここで、婚約破棄をする!そして!」
すぅ、とプライド第一王子が、アリシアと結婚する、と言うべく息を吸った時。
プライド第一王子の婚約者で、悪役令嬢。また、公爵家の長男メイルの姉、リレイン公爵令嬢が、腰を落として、しずしずとカテーシーをした。
「承りましてございます。」
婚約者たちは知っている。おそらくアリシアと5人を結びつけるための強制力は、それをスムーズに進めるためならば、ちょっとくらい言葉を自由に選んでも大丈夫なのだ。彼らは協力し合って、小さく日々、実験したのだから。
「私たちも、アリシアさんを虐めました。」
「私も。」
「私もです。婚約破棄、ですわよね?貴方様の、婚約者でいられる、とは思っていません。」
4人の攻略対象の婚約者が、皆そろって自分から負けを認めてきた。
あれ?何だか話が早すぎるじゃない、とアリシアは思ったが、まあ、まあ、えーと、いいか。とプライド第一王子の腕にギュッとお胸をくっつけて縋りつき、怖い!という顔で続きを促した。
「そ、そ、そうか。それでだな、私はこの、アリシア嬢と――――。」
「アリシアさんと結ばれるのですよね。プライド殿下。祝福いたしますわ。」
「ダンヒル様も、結ばれるのですよね。」
「リンリー様も。メイル様もですわ。」
「もちろん、マーリィさんもですわよね。」
「「「皆で、ずっと一緒に、仲良く暮らすのですわよね!」」」
あれ、あれれ?
アリシアは、目を大きく開いて―――いや、逆ハーなんだから、そういう事か?何で皆、振られたのにニコニコしてるの?
「ああ、そうだ!私たちは、アリシアを、平等に5人で愛すると誓った!友情と愛情が織りなすファンタジーだ!」
そうそう、ファンタジー、え?
プライド第一王子の言い切りに、えーっと、と考えたアリシアは、悲しいかな、少しオツムが弱かった。
だから、クネクネッとしながら、いい事言ったろか、と。
「皆様、私が悪いんです!一人を選ぶなんて残酷な事はできない!選べない私を許して!」
「「「「許しますわ!!!!」」」」
おかしいな?と思ったけれど、叩き込むようにプライド王子が。
「それじゃあ、卒業式のパーティーはそこそこにして、私の家族に会ってくれないか?」
優しげな王子フェイスの眼差しに、アリシアは。
「はいっ!」
とニマニマするのだった。
「ウチの家族にも。」
「私の家族にも。」
「姉とは面識があるでしょうが、私の、家族にも。」
「俺の家族にも!」
えーっと。
「はい♡」
逆ハーエンド、なったわあ!
と思った瞬間が、アリシアの最高地点だった。強制力は、ここで終わった。
ゲームのシナリオが終わったから……。
別室に連れて行かれる。
何故か、エスコートするプライド王子は、今までより足が速い。ダカダガダカ、と急ぎ足で、心なしか乱暴な。逸っちゃって、可愛いわね、とアリシアは思った。
騎士団長の息子、ダンヒル。
宰相の息子、リンリー。
公爵家の長男、メイル。
そして大商人の息子、マーリィ。
全員が無言で、男の速度で、ダカダガダカ。つんのめりそうになって。
「あの、ちょっと、もう少しゆっくり。」
バタン!
扉を開ける。王族もいるから、豪華な部屋だ。そこに、家族たちが、勢ぞろいしていた。
「いらっしゃい、アリシア嬢。」
ソファに座った王妃様が、ニッコリ笑う。
王様も、威厳のある顔で、ゆったりと。第二王子も。
騎士団長の息子ダンヒルの父親、母親。それから、姉、兄、兄、弟。
宰相の息子リンリーの父親、母親。
公爵家の長男メイルの父親、母親。
どうやってか、小走りで来た5人とアリシアよりも早く。先ほどプライド第一王子が婚約破棄したはずの、メイルの姉、リレイン嬢までいる。
そして大商人の息子マーリィの父親、そして母親のハイト、弟、妹。
あっ、なんか大勢いるな、とアリシアは思った。
王妃様が、ニッコリしたまま、話しかける。
「アリシア嬢、話は聞いています。私たちの息子も合わせて、5人全てのお嫁さんになってくれるのだと。平等に、ずっと一緒に仲良くと。私は、それはアリシアさんが大変なのじゃないの?お嫁にいくということは、その身を相手のお家へ染めるという事なのだから、と言ったのですけれど。」
「アリシアならできます!母上!」
プライドが、キリッと応える。
ニコニコを崩さず、王妃様が、ん?とアリシアを見る。
王太子妃よ!とアリシアは、ニッコリして、いい返事をした。
「できますわ!王妃様!わたし、頑張ります!」
うんうん、と頷く優しい王妃様。
美しくて、嫋やかで、でも芯はしっかりしている深い輝き。私もそうなるのだわ、とアリシアは。
「5人と平等に、ですから。お姑とお舅が、5人ずついるという事よ?貴女、その意味が分かって?」
「へ?」
「私がお嫁にきた時の王妃様は、いえ、今の王太后様ね。私に、こんな事を言って下さったの。」
良いかしら。
貴女は、お嫁にきた。
私は、義理の母となったわ。
色々な事を教えましょう。
もしかしたら、意地悪に思えるような事も、あるかもしれないわ。
的外れな事だって、あるかもしれない。
それでも、私の思う、王妃になるに相応しい知識を全て、貴女に。
「どんなに厳しくても、ついてくるのですよ、と。私は覚悟をしたつもりだったのだけど、つもりに過ぎなかったわ。まあ、それからの前王妃様はそれはそれは厳しくあられてね、でも、今となっては、必要なことが多くあったわ。中には、今の私たちの治世にはそぐわない事もある。それでも、学んできたわ。」
「は、ハイ。」
「虐めるつもりはないけれど、これから、よろしくね。アリシア嬢。」
「よ、よろしくお願いします。」
「次は私が。」
見るからに身分が高位貴族の女性、公爵家メイルの母が、す、と前へ出た。
「貴女には、公爵家の嫁としても、家を切り盛りしていただきます。社交も、煌びやかな事だけではなく、また、王太子妃ではない我が家の息子の妻の立場でする場合の振る舞いを、詳しく教えます。ですから、私にも付いてしっかり学んでいただくわ。」
「えっ!?ハイ…。」
宰相の息子、リンリーの母。
「我が家では、妻であってもそれなりに、夫の職務の助けになる学びを、生涯続けてもらいます。日々の夫婦の、何げない会話から、少しでもお役に立てたらと思うのよ。もちろん家内の諸々の事も担ってもらいます。その勉強は、終わる事はありませんよ。ついていらっしゃいね。」
「ハッ、は、…い。」
騎士団長の息子、ダンヒルの母。
「我が家では、女性でもそれなりの武を!というのが家訓でありますわ!何だかアリシア嬢、健康そうだから、手加減しなくて良いかしら。アッハッハ!まあ明日から基礎訓練開始ね。起床は朝、一番鶏が鳴いたらすぐよ。」
「えっ!そんな早い…。」
何か?
ジロリ、と威圧をかけられる。
強い人は目力も強い。否は言えないのだ。
「い、いいえ!起きます!」
大商人の妻でマーリィの母、ハイト。
「家では、まず帳簿つけかしら。基本的な書き方からお教えするわ。帳簿が間違っていると、税金を誤って納めたりしてお叱りを受ける事になるし、情報を見落として時には大損もするから、気をつけてね。赤字を出したら、夫婦の予算から引きますよ。あと、従業員のお夕飯の手配はお嫁さんがするものなの。全く家事ができないと指示できないから、最初は一番下から始めてもらうわ。」
それからそれから。
子供は2人欲しいわね。
あらウチは3人、男はどうしても欲しいわ。
うちは女の子でも嬉しいけれど、やっぱり何人か欲しいですわね。
「1人ずつじゃあね。兄弟姉妹で助け合ってほしいですしね。」
ハイトが言えば、どの母も頷く。
「普通のお嫁さんだったら、神様の御心をお待ちしましょう、なんて言えるけれど、アリシアさんの場合は少なくても10人産まなければいけないのだから、明日から、いえ今日から休みなしで子作りしてもらわなきゃね。」
「えっ。」
サーっと青ざめるアリシア。
5人の姑に学びながら。
5つの家の嫁をやって。
5人の子供を休まずに産み続ける。
逆ハーレムの行き着く未来は、そういう事である。
「早死にしないように、身体に精のつくものを、俺、頑張って仕入れるから、アリシア。」
マーリィが、ニコパッと笑う。
「アリシア。」
「アリシア嬢。」
「アリシア。」
「アリシア。」
平等に5人を愛せるだなんて、あるわけがない。
「ご、ごめんなさい!」
土下座して謝ったが、許されず。
アリシアは1か月、ふらふらになるまで。5つの家のほんの基本の学びごとを、寝る時間を最小限にしながら、泣きながら、逃げ出して取り押さえられながら、やらされた。
卒業式のパーティー後、2か月すると。
貴族家の、学園を卒業したばかりのニューフェイスが大人としてお披露目される、大きなパーティーがある。
そこで、第一王子プライドは、公爵家リレイン嬢と、腕を組んで仲睦まじく談笑していた。
「マーリィがハイトに泣きついてくれて、本当に良かった。許してくれて、ありがとう、リレイン。」
「良いのですわ。ちゃんと理由を話して、おかしいと分かっているのに、抗えない何らかの強制力があった、とはっきりしていましたもの。殿下のせいではなく、何か悪魔的なもののせいだったのでしょう。私も、何だか、アリシアさんには、モヤッとさせられて、自由にならず、変な態度をとってしまっておりましたし。」
マーリィの母ハイトが、犠牲者の家族全てを集めて、現状を認識し合った後こう言った。
「皆様、5人のお姑さんを持つのって、どう思いますか?」
と。
それだけで女性達は、あーね。と分かった。
お姑さんだって、良いところはいっぱいある。
だけど、嫁の立場から見れば、何をやっても敵わずに、ちょっとけむたい人になってしまうのは、これはしょうがない事なのだ。
「他人同士が、同じ家族になるのですものね。」
婚約者たちも招ばれて、会話を聞いていたが、あー、1つの家だけでも大変そうなのに。という気持ちと、義理の母になるこの人たちだって、いつかはお嫁さんだったのだわ、とほっこり思ったのだ。
そう、強制力をなんとかして、大事に育ててきた婚約者との仲を、どうにか修復したい、と、攻略対象者の4人も思っていたので。素直に謝ったし、嫌な気持ちにさせてすまない、傷つけてすまない、と本当に真摯に。
「プライド殿下が、アリシアさんとの関係は、ファンタジーだ、とおっしゃったから。あのお言葉、流行っていましてよ。」
くふふ、とリレイン嬢は笑った。
ファンタジーだ、ありえない、という事にして、お遊びにしちゃったのである。
商人の母ハイトが、誰とくっつくか、それとも全滅?全員とゴールイン?と賭けにして、貴族家の全て、アリシアの男爵家だけを除いて、広めたのだ。
ちなみに胴元は王家である。
かなり儲かったらしい。
この後、男爵家から1人で、このパーティーに出席したアリシアは、5人の攻略対象者から肩をパンパン叩かれて、いい演技だったよ!と微笑まれる事になる。
婚約者たちも、迫真の演技でしたわ!と拍手。
5人のお姑から逃げられただけで御の字。
あはは、あは、とアリシアが笑うしかない所で、協力してくれた男爵家に感謝を!と結ばれたパーティーは、大団円で幕を閉じるのであった。
逆ハーレムって家族が黙ってないと思った。