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託された 宝

「私、友達と紅葉を見に行きたいんだ!」


「楽しんでこい」


病室の中から聞こえる親子のたわいもない会話。

しかし、私はこれがとてつもなく嬉しく感じた。


少し前、私が紅葉ちゃんの病室を訪れた時、

紅葉ちゃんは紅葉ちゃんのお父さんとかなり激しい言い合いになっていたからだ。


それも、紅葉ちゃんのお父さんが紅葉ちゃんから大切なお友達の海人くんを引き剥がそうとしたからだった。


でも、今はあの時の険悪な雰囲気も感じないし

何より紅葉ちゃんも嬉しそうだ。


ガララ


「あれ、いたんですか」


「あっ!お父さん!」


いきなり扉が開いて紅葉ちゃんのお父さんが病室からでてきた。

盗み聞きされたの確実にバレたなこれ、


「私達これから仕事であまり来れない日がありますが、その間私たちの大切な(むすめ)をお願いします」


深々と頭を下げる紅葉ちゃんのご両親。

あっ、これ紅葉ちゃんから海人くんを引き剥がそうとした理由わかったかも。


紅葉ちゃんが大切で心配だから。

それが行き過ぎた結果がこれなんだ。


多分この人口数少なくてよく勘違いとかされるタイプだな。


「ええ、もちろん。紅葉ちゃんはここの大切な患者で私の大切な友達でもあるので任せてください」


「ありがとうございます」


そうして紅葉ちゃんのご両親は病室を後にした。

いいご両親じゃん紅葉ちゃん。

昨日話してたあの意味がわかったよ。


「紅葉ちゃん!聞いたよ〜!外出許可出たんだね!」


「レイちゃん!そうなの!ほんとに楽しみなんだ!」


「やっぱ、海人くんと行くの?」


「うん!そのつもり、で、もし良かったらレイちゃんのお休みの時に一緒に行かない?」


「私も一緒でいいの?」


「もちろん!逆に休みの日まで迷惑かけちゃうけど大丈夫なの?」


「そこは心配しなくて大丈夫だよ!友達のためなら何でもしてあげる」


「そっかありがとうね」


「こちらこそ」


その日、紅葉ちゃんは何時もより遅くまで起きていた様だった。



「ねぇねぇ!聞いて!海斗!!」


「どうしたの?」


次の日私は仕事が休みだったらプライベートで紅葉ちゃんの元へ訪れていた。


「実は昨日パパたちが来て、外出許可貰ったんだ!」


「え!最高じゃん!おめでとう!」


「ありがと〜。でさ、しばらく先のことになっちちゃうんだけどさ今度私と海人くん、それと紅葉ちゃんで紅葉見に行かない?」


「いいね、じゃあ計画立てないとだ」


「その前に、まず紅葉ちゃんは近場でもいいから外に出て色々慣れとかないとだよ」


「確かに」


「もう外出許可が出てるなら今からでも行ってみない?」


「行くってどこに?」


「多分、紅葉もレイさんも気に入るかもしれないところ」


「なにそれ、気になる。紅葉ちゃん!行ってみようよ!」


「そうだね、楽しそう」


「じゃあ、準備もあるだろうし僕はロビーで待ってるね、」


「別にここにいてもいいんだよ?」


「着替えないの?」


「あっ、、海人のえっち、」


「なんでだよ、まぁいいやゆっくり準備してていいからね」


海斗くんはまた後でと言って病室を出ていった。

あれ多分海人くん恥ずかしがってるね、

それはこっちもか、


「ねぇ、レイちゃん。」


「どうした、恋する乙女よ」


変な反応こそしてないけどもう耳まで真っ赤になっちゃって、


「私、久しぶりだからメイク上手くできる気がしないの」


「任せて!私がやってあげる」


その後数分、紅葉ちゃんの顔は真っ赤なままだった。

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