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「紅葉ちゃん。朗報があるよ〜」


太陽の光に魅せられ少しオレンジに染った白い雲

が空を染めあげ、涼しい空気を与えてくれる。


病室ではいつものようにレイちゃんが私の身の回りのお手伝いをしてくれている。


「朗報って?」


「実は明日海人くんがここに来ることになりました!」


「え!?でもそれは出来ないって向こうから言われたのに」


「実は昨日海人くんのとこに突撃してお話してきたんだよね」


「それは嬉しいけどもしパパ達に見つかったら」


「そこはもう安心して、朝会議の時に話したらこちらで説得してみるって」


「それでパパは納得するのかな」


「まぁ、私は紅葉ちゃんのパパを知らないから言えないけど多分無理だろうね」


「そう思います?」


「まね、でも不可能じゃないから何とかしてみせるよ。君はこの病院の大事な患者様だからね」


「でも、パパとは別に問題があってさ?」


「どうしたの?」


「私こないだ久しぶりにメイクしたら下手になっててさ」


「でもいつもメイクしてるじゃん」


「地雷系あるじゃないですか、私アレやってみたくて」


「あ〜なるほど。それなら任せて私得意だから」


「そーだよ〜私も地雷系好きだから」


こうやって好きな事が同じことに嬉しがって、

好きな事で盛り上がる。

これが私はとっても幸せでこの幸せが続くなら、

私は幸せのために頑張りたい。そう思えた。



「紅葉、入っていい?」


海斗は昼前に私の元にやってきた。

その格好は前に見た時よりもかっこよくて顔もよく見たらメイクをしているようだった。


「久しぶりだね、紅葉」


「う、うん。久しぶり、」


「どうしたの?調子あんまり良くない?」


「あっ、いや!そーいうことじゃないんだけど、海斗かっこいいなって、」


「!?、ありがと、」


お互い恥ずかしさからか沈黙が続く。

なにか話題を出したいけれど、何を話せばいいのかわからない。


「なにいきなりいちゃついちゃってんの?」


「レイちゃん!」


「ども〜」


「この間はありがとうございました」


「こちらこそ〜。紅葉ちゃんお昼ご飯持ってきたよ〜」


「ありがとうございます!いただきます!」


「はいはーい」


「海斗くんごめんね?来ていきなりご飯食べ始めちゃって、」


「いえ、全然お構いなく」


私の前に置かれた病院食を私はパクパクと食べ始める。最初は味気なくて美味しくないって思ってたけどもう今は親のご飯より沢山食べてるし全然美味しく感じる。


「海斗、」


「ん?どうしたの?」


「私実は夢があってさ、でもその夢を叶えるためにはパパとママを説得しないといけなくて」


「その夢って?」


「景色いっぱいの視界を埋め尽くすような紅葉を見ること」


「素敵な夢だね」


「ありがと」


私の名前の由来となった紅葉。

でも、私は画面の中のものしか見た事がない。

紅葉だけじゃない。海だって、学校だって見てみたい。


「なら、僕が見せてあげるよ」


「おっ、いいね、私も見せてあげるよ」


「でも、パパ達が素直を首を縦に降るとは思わないんだよね〜」


「俺が説得してみるよ」


「海斗くん、あんたいい漢だね」


「そんなことは無いですよ、友達のために精一杯努力をすることは僕にとって当たり前だから」


「紅葉ちゃん、いいお友達もったね」


「ええ、全くです」


その日は、海斗に初めてあった時よりも、レイちゃんと仲良くなった時よりも、楽しく、重厚な思い出となった。


「そろそろ、時間だから帰るね」


「また、あの子たちのお手伝い?」


「ええ、今日は誕生日の子もいるんで、ケーキ用意しないとなんですよ」


「ケーキいいですね」


「また、持ってきますよ」


「待ってますね」


「楽しみにしててください、では」


海斗はそう言って病室を去っていった。


「紅葉ちゃん、言わなくてよかったの?私明日誕生日ですって」


「これ以上彼にお願いするのはずるいじゃないですか、それにもう誕生日プレゼントはいただきましたよ」


「ふふ、そっか」

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