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想い 繋ぎ 願い


紅葉ちゃんから見せてもらった海斗くんの手紙に書かれていた住所。

児童保育施設 こうよう

庭にはたくさんの木々に花々。その全て丁寧に手入れされている。

建物自体も白い壁なのに汚れがほとんどない。

ここは確かだいぶ前からあるはずなのにそれだけ愛されている場所なんだろうな!


まさか、海斗くんは施設出身だって思わないよね

紅葉ちゃんの周りは複雑だねぇ。


「すいません。桜木病院の渋谷と申します。西園寺海斗様はいらっしゃいますか」


立派な塀に立て付けられたチャイムを押し、

決まり文句のようにそう告げた。


向こうからしたら私のこと知らないし、どうなるか、まぁ、なんとかなるよね


「今出ます」


おっ、男の人の声。これ海人くんなんじゃない?


「すいません。今みんなご飯の時間で自分もバタバタしているので中で待ってもらうことってできますか?」


「あっ、タイミング悪かったのか、すいません」


「いえ、かまいませんよ」


そう言って海人くんは門の扉を開けてくれた。

なんか、行動の一つ一つがすごい丁寧。


「粗茶ですが、」


「ありがとうございます」


案内された部屋もすごい綺麗。

パッと見職員さんはいないけど子供たちだけでここまで綺麗にできるとも思えない。

ここの家事全部やるってなるとすごい大変そうだ


目の前に置かれた紅茶。グッと喉に流す。

スッキリとした味わいで私好みだった。



「お待たせしてすいません。」


部屋に戻った海斗くんはさっきより髪が少し乱れていて額には汗が流れていた、


「大変そうですね」


「大変ですけど、子供たちは好きだし僕もここに泊めてもらっているんで」


「そうなんですね、私家事苦手なんで尊敬します」


「いえいえ、そんな、ちなみに今日はどう言ったご要件で?」


「あっ、そうですね、まず私桜木病院の渋谷レイっていいます」


そう言って名刺を出すと、海斗くんも名刺を出してくれた。こっちは名前知ってるんだけどね、


「で、私今秋月紅葉さんの担当看護師として働いているんですけど、先日届いた手紙のことで相談がありまして」


「あーその事ですか、」


「私個人としては海斗さんにはまた病院で紅葉ちゃんと仲良くして貰えるとありがたいんです」


「と言うと?」


「紅葉ちゃんとお話をする時いつも海斗さんのことをお話するんです。で、紅葉ちゃんのご両親の事は私たち医師と紅葉ちゃんが解決するべき問題で海斗さんはただ純粋に紅葉ちゃんの友達でいて欲しいんです。」


「なるほど、紅葉がそれを望んでいるなら僕は全然構いません」


話がどんどん進んでいくな、少しぐらい詰まったりするかなって思ったのに、


「本当ですか?」


「ええ、ただ。なぜあなたはそこまで彼女のためにしているんですか?」


「それは、私実は紅葉ちゃんが初めての担当の子で、正しい距離感とか分からなくて、私は彼女が幸せと感じてもらうことも仕事だと思っているからです。もちろん仕事を抜きにしても紅葉ちゃんはいい子だし紅葉ちゃんの為になんでもしてあげたいって思うんです」


「なるほど、わかりました。では明後日お伺いするのでそう伝えといて貰えますか」


「はい!わかりました!」


「海斗兄ちゃん!一緒にゲームしよ!」


バン!と音を立てて小さい5.6歳ぐらいの男の子が部屋に入ってきた。

男の子の髪はサラサラだし、服にはシワひとつない。日頃から丁寧に家事をしている海人くんたちの頑張りの証拠がこんな形で見れるとは、


「悠。今お客さんと大事なお話してるからまた後でな?先にお風呂入って来な」


「え〜今がいい!」


わがままっ子かわいい!

思わず表情が緩んで笑みがこぼれる。


「すいませんご迷惑おかけしてしまって」


「いえいえ、構いませんよ。もう要件は済んだので」


「ならもうゲームできるでしょ?」


「ふふっ、君名前は?」


「俺、悠って言うんだ!」


「いい名前だね。」


「ほんと!?」


「ほんと」


「では、私帰ります、長居するのも申し訳ないですし」


「そんな気にすることないですよ」


「私より悠くん達に時間を使ってあげてください」


「色々とすいませんね、ありがとうございます」


「いえいえ、あっ、またここに来ていいですか?次はお客さんじゃなくてお手伝いとして」


「ええ、構いませんよ。何時でもお待ちしております」


「では、」


「ええ」

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