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想い 繋がる


ここで働き始めて今日でちょうど1週間。

今のところ大きな事件とか事故とかもないし、

紅葉ちゃんとも順調に仲良くなれている。


今日は紅葉ちゃんとどんな話をしようかな。


「だから!それが余計なお世話って言ってるの!」


突如聞こえた怒号にぎょっとした。

しかし、、それ以上に病院であまり大きな声で騒がないで頂きたいね。


「紅葉ちゃん、あんまり大っきい声出さないでね〜びっくりしちゃったよ」


ひょこっと病室の扉から顔を覗けばそこには見知らぬ2人の夫妻。

恐らく紅葉ちゃんのご両親だろう。

家族喧嘩とかちょっと面倒事に首突っ込んじゃった感じ?


「おっと、娘がお騒がせして申し訳ない」


「一体なにがあったんですか?」


「それはあなたにお話する必要はありません」


なんだ?こいつ。丁寧な言葉遣いだけど根本的に私なんか視界に映っていないみたいに、

男は私の方を一切見ないし謝ってるはずなのに頭のひとつも下げない。なんなんだ?こいつ


「いえ、私は紅葉ちゃんの担当なので紅葉ちゃんのメンタルマネジメントも仕事のうちです」


「なんと言われようとあなたは部外者です。」


「はぁ、紅葉ちゃんごめんね。」


「え?」


「すいませんが、お話できないというのならおかえり頂けますか?」


「たかが、一看護師がそんなことできるのか?」


「一看護師だからです。私は秋月紅葉の看護師で彼女も守る義務があり、それを果たすためにあなた方には帰ってもらいたいのです!」


「言わせておけば!」


さっきまで丁寧な口調だったのにみるみる面の皮が剥げていく。

実際はただのクソ野郎だね。


「あなた、今日は帰りましょう?」


「ッチ、」


そうして秋月夫妻は病室を去った。

去り際に私の事睨んだり病室の扉をガタンッ!って力強く閉めたのは見逃してあげよう。


「さて、」


「「何があったのか」」


「ですよね?」


「さすが」


まだ1週間しか一緒にいないのにこの子私の考えてること分かるのかな?。



20分ほど前。


私はこないだ送られた海斗の手紙の返信を書いていた。海斗の手紙には会えなくなってごめんなさい。パパとママに私と海斗が一緒にいたらダメと言われたから暫くは合わないようにしましょう。

って書いてあった。


これを見た時私の心に現れたのは手紙を貰った嬉しさではなく、海斗、パパ、ママ、そして私。

全員に対する大きな怒りの感情だった。

本当に悪い子だよね、私って。


私のパパもママも昔から過保護だった。

でも、それでも完全に私の全てに目がいく訳もなく私は大きな怪我を負った。

そのせいか、入院してからさらに過保護になってしまった。


ただ、正直ここまで過保護気味だと私も精神的に参ってしまう。

私は外に出ることも叶わない。私は外の桜とか、海とか紅葉とか見てみたいものが沢山あるのに、


そして、新しくできた友達すらも私の為の言う盾で取上げてしまった。


もうさすがに我慢もできない。

でも、ここで逆らえば私は生きていけない。


結局私はパパとママの人形であるのだ。


コンコン、トツトツと2つの足音がふと廊下から響いた。

基本的に、看護師さんは1人で来るし、2人で来る人なんて決まってる。


「紅葉。見舞いに来たぞ」


やはり、パパとママだ。

今、1番見たくない人達だ。


いつもは我慢出来るこの嫌な気持ち。でも今は我慢できない。


「なんで、私の友達にあんなこと言ったの?」


「なんのことだ?」


始まった。私をこの鳥籠に閉じこめるための呪文の言葉。

なんのことだ?紅葉の為だ。なら一人で生きていけ。

この言葉を聞く度にパパに対する嫌悪感がどす黒いドロドロとしたものとなって私の心を真っ黒にしてしまう。


ママだって、助けて欲しいのにビクビクしてパパに何も言ってくれない。


でも、今日はもうどうでもいいと思えてしまう。

それだけ、海斗という存在が私にとって大きなものだったのだ。


たった2回話しただけだけどそれでも彼と話していてしばらく感じていなかった感情を作ってくれたのだ。


「あんたらこたないだ私の友達に向かって私に近づくなって言ったんでしょ!」


「それは紅葉のために行ったんだ」


「だから!それが余計なお世話だって言ってるの!」


言ってやった。言い返されると思ってなくてちょっと怯んだその顔最高に滑稽だね。


その時、病室の扉を開ける人がいた。

レイちゃんだ。

レイちゃんの顔を見たらパパに向かってなんか変な顔してる。なんか面白い顔。


その後レイちゃんがパパに色々言ってくれたおかげでパパは帰ってった。


初めてパパに勝った気がしてとっても嬉しかった。


「ーってかんじかな?」


「なるほどねぇ」


「ご迷惑をお掛けしてすいません」


「全然気にしないで?悪いのは紅葉ちゃんじゃないよ、ところでさそのお手紙って例の海斗くんって子からの手紙?」


「そうですけど、」


「ちょっとその手紙見させてもらえる?」


「え?まぁいいですよ」


「ありがと」


その後すぐレイちゃんは仕事と言って病室を出ていった。


なんだったのだろう

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