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想い 乗せて


雲一つない快晴で迎えた今日。

今日は渚に久しぶりに会える日。


とてもいい日だ。今日は一日外出許可をもらっているから朝一で渚と遊べる。


病院のロビーで待っているとクールに決めた渚の姿。


「久しぶり」


「うん、久しぶり」


数年ぶりの彼女の姿は髪もメイクも何もかも変わっていたけど、

それでも渚と認識させるには十分すぎた。


彼女はちょっと待っててと言って私のから離れてく。

どうやら、受付の人と話をしているようだ。


数分もしたら彼女は戻ってきた。

と、思ったら今度は私車いすを押し進めてくれた


「別に、手伝う必要ないよ?」


「私がやりたくてやってるから気にしないの」


まあ、そういわれたのなら従うしかない。

渚に連れられた先は駐車場。


「紅葉あんま遠く行ったことないでしょ?連れてってあげる」


「迷惑じゃない?」


「迷惑だと思うなら近場にしてるよ」


そっか、と軽く返したら私を軽々と持ち上げ車に乗せてくれた。

車の中は少し甘くフローラルな香りが広がっている。


車の外では渚が車いすを畳んで後部座席に入れようとしている。

車いすの畳み方とかちゃんとわかっているんだ、、


その後すぐ渚は車を発進させた。

そうして、私たちの一日旅行が始まった。



「はい、到着。」


車に揺られ30分ほど、連れてこられたのは県内最大のショッピングモール。

困ったらここに来れば何とかなるというレベルらしい。


「ありがとう。早速だけど雑貨屋に行かない?」


「いいよ近いところから回ろうか」


雑貨屋だけでも5店舗ほどあるらしい、正直一日で回れる広さじゃない。

だから行きたい場所を絞らないとな、、


「とりあえず、今プレゼントとして候補いくつか挙げたんだけどハンカチとかポーチとかいいんじゃないかなって」


「うん。いいじゃん」


そんな会話の中も渚は車椅子を押してくれている。

なかなか快適だ。


人ごみの中を縫うように進むと雑貨屋についた。


その時頭に浮かんだのはレイちゃんの姿。

レイちゃんはこないだ猫が好きと言っていたから猫の何かにしよう、


「渚、こんなのどうかな」


「かわいいけど、ちょっと小さすぎてポーチとしては使いにくいんじゃない?」


「確かに、」


目に入ったのは猫の形のキャンドル。

最初の予定とは違うけどこれを見た瞬間これ以外ないと心の中の私が叫んだ。


「渚、これがいい」


ほかの商品を眺めている渚は私の声が聞こえるとすぐに私の近くに来てくれる。


「紅葉がきめたならそれがいいと思うよ、会計する?」


「うん、とりあえずこれ買ってくる」


「そっか、じゃあ行こうか」


「ありがとう」


レイちゃんへのプレゼントは買えた。あとは、海斗のと、、

そのあと人の流れに身を任せて私たちは買い物を楽しんだ。


お昼にはハンバーガーを食べて、ちょっとゲームセンターでプリクラ撮ったりりて遊んで、気が付いたらもう夕方だった。


「じゃあ、そろそろ帰ろうか」


「そうだね、その前渚。これ」


「これは?」


差し出したのは一つの紙袋


「渚へのプレゼント!私と友達になってくれてありがとう!」


紙袋の中にあるのはピアスとネックレス。

そのどちらとも私とおそろいのものだ。

渚にはばれないように渚がトイレに行ってる間に買っておいたんだ。

渚は私にとって大切な友達だからおそろいのこれがいいと思った。


渚はその瞳に涙をためているように見えたけどありがとうと軽く感謝してくれたと思ったら後ろに回って車椅子を押してくれた。

これは照れてるな、


喜んでもらえたようでよかった。

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