83、VS熊倒す剣士、刀坂三坂
刀坂三坂は防具を突けずに俺の持つ竹刀より大きな竹刀を両手で持っている。
「…防具はつけないの?」
「安心して、竹刀でボコボコにされるのは慣れているから気にせず殴ってきて、竹刀で殴られて死ぬほどやわな体はしてないよ」
「まあ、そうだな、俺より肉体が強そうだしな」
「それじゃあ挑戦者と共に来たメガネをかけた人、開始の合図をお願いして良い?」
メガネ?あー俺のPグラスを装備しているのか知木。
「わかった、それじゃあ尋常に…はじめ!」
「接歩!」
知木の声と同時に刀坂さんは一歩、地を蹴り一気に肉薄してこちらの胴体に向けて横薙ぎを放ってくる!
それをなんとか竹刀で受け止める!
「は、はや!?」
「おー素人はこれで胴体取れるのに、受け止めれるということは強さは結構上位だね」
「ほ、ほめてくれてありがとう…」
…相手の竹刀を押し返したいが、力差があって押し返せない!
「それじゃあこれはどうかな、地縫い!」
刀坂さんはバックステップしてから足下に狙って竹刀を振るう!なんとか反応してくれてバックステップで回避する!
「うお!?防具の所以外狙うのかよ!?」
「素人相手ならやらないよ、君程の実力者なら問題ないと判断したよ」
「高評価してくれてありがたいけど…ちょっと無法に攻撃するのはどうかと思うよ!」
長剣の竹刀を振るい、反撃を試みるが、素早いステップで回避される。
「はは、その戦い方で分かるよ君は実戦的な戦い方が得意て、こっちの怪我なんて配慮せずに攻撃してきなよ!」
「無茶言うな!」
床を蹴りこちらから攻勢に出る、足、腕、肩に向けて順番に三連撃を放つが、全て竹刀で受け流されてしまう。
それどころかカウンターによる一撃を胴と腕に深々と貰う。
「ぐう!?はあ…はあ…」
剣道の防具越しでもお腹がビリビリする衝撃と痛みが響く…防具越しでこの痛みて、防具無かったらとんでもないことになりそうだ…。
…と言うか小手のスキマから手首が見えたが、自分の手首が真っ赤になっているように見えるんだが…。
「うーん、本調子じゃない?もしかして防具のせいで本調子出ない?」
「はは、そうかもな、何時もこんな重い物身につけて戦ってないからな…」
もしかしなくても知木から貰ったタワーシールドに変形できる腕輪て、鎧を着るより強い守りなんじゃないかと思えてくる。
「何と戦っているの?」
「…悪の組織」
「随分と茨道を進む…ね!」
頭を狙った大振りの一撃、大振りと言ったが素早い一撃でほぼ普通の攻撃と大差ない、だが明らかに受け止められる一撃ではない、バックステップで回避する。
バチーン!と床と刀坂さんの竹刀がぶつかり、凄い音が鳴り響く!
「悪の組織に挑むと意気込んだ剣士は何人も観てきたけど…全員病院送りになったわよ、あ、私が送ったわけじゃないから誤解はないようにね?悪の組織に挑む前にこっちに挑んできて、返り討ちにはしたけど」
「あ、ああ…返り討ちにはしたんだな…」
「まあ、簡単に言うと私に一太刀位入れないと悪の組織相手に五体満足で帰れないよ!」
ビュン!と風を斬る音が響き渡る一撃が何度も飛んでくる、それを回避するが、剣道着の重さで上手くかわせず、剣道着のお腹の硬い所にかすり、軽い音が鳴る。
「頑張れー半身、カウンターを決めろー!」
知木が応援してくれるが、俺の持つ片手で持てる竹刀と刀坂さんの両手で持つことを想定した竹刀ではリーチ差がありカウンターは極めて難しい。
くそ、どうすれば攻撃が届く…竹刀が届くんだ?
いや、別に竹刀での攻撃で勝つ必要ないよな?
「そう言えばこの手合わせの勝敗どう決めるの?」
「背中もしくはお腹が床か地面についたら負けとしよう!」
刀坂さんの猛攻による竹刀攻撃を防具を掠めるというギリギリな回避しつつ、打開策を探していると知木が疑問の声を上げて、刀坂さんが勝敗の定義を決めてくれた…。
背中、お腹を床か壁につける…それならなんとかなるかも知れない!




