77、デートの為に暗薬博士をぶち倒せ!
戦闘の音が聞こえる場所に向かうと、そこには学校の放送を伝えるスピーカーに手足が生えた化け物と戦うスカイホップとマフナがいた。
化け物を使役しているのは大きなヘルメットをした暗薬博士だ。
「トテモネガティブダー!!!」
「ぐう、うるさい…」
スピーカー型の化け物が爆音を発して怯むスカイホップ…そう言えば月凪は耳がいいから爆音とか苦手だったな…。
「おや、早いね…来るのはもう少し後になると計算していたんだけど…」
暗薬博士が意外そうな感じを出す。
確かに一般人ならあんな囲まれてボコられたら対処しよう無いが…こっちは武器と何度も戦いを潜り抜けた経験があるからな!
「ぐぅ逃げて…壁牙、こいつ音響兵器で耳がやられる…」
スカイホップが逃げるようにこちらに呼びかける…が逃げるわけには行かない!
膝をついた妹を見捨てて逃げるなんて出来ない!
「1人じゃきついだろ、助力する!うるさいのなら慣れている!」
「へぇ、それなら耐えてみなさい!トテモネガティブダー、怨嗟の声を吐きなさい!」
「トテモネガティブダー!!!!」
スピーカー型の化け物が咆哮するギィーン!と金属と金属をこすり、異音を出したかのような音が響き渡る!
ああ、月凪が嫌いな音だ…だが俺にはそんなに効果ない!スカイホップが大音響と言っていたが、嫌いな音だから過剰反応しているみたいだ、確かにかなりうるさいが、こちらの鼓膜が破れることはない。
「はあ!不気吸滅!」
短剣をスピーカー型の化け物に突き刺して不気吸滅を試みるが…ガキン!と硬い体に短剣のエネルギー刃が防がれる!
「くう!エネルギー刃が通らないと不気吸滅使えないのに!」
「金属音が駄目ならこれならどう?トテモネガティブダー、発泡スチロールをこすり合わせる音ー!」
「いやあああ!それはやめて!?」
「ちょっとスカイホップ!杖を落とさないで!?」
カラン!と杖を落として耳を防ぐスカイホップ…ああ、月凪はそれ大嫌いな音だったな、俺は平気だから何度かスピーカー型の化け物に斬りかかる!
「ははは、その程度の出力でトテモネガティブダーの装甲を貫けると思っているのか!私は貴様を不穏因子として見ている、故に対策は万全だ!」
何度切りつけても、トテモネガティブダーは怯みもせずまるで虫のようにこちらを無視している。
不気吸滅を放ちたいが、これは全力で精神力を短剣に込めて、出力全開で攻撃を試みるしか無いが…。
「スカイホップ!立ち上がって!壁牙が頑張っているよ!」
「うう、嫌な音嫌…」
俺が出力全開攻撃を放ち、化け物を怯ませた所にスカイホップの必殺技を叩き込むのが勝ち筋にだが、現状スカイホップは戦える状態じゃない、マフナが鼓舞しているが耳を塞いでいるから聞こえてないみたいだ。
そんな状態で出力全開攻撃を放てば、スカイホップが怯んだ隙を必殺技で突けずに立て直されて、自分は疲れて戦えなくなる可能性が高い、そうなってしまったら、嫌な音響攻撃でスカイホップがなすすべなく、やられてしまう!
くそ、嫌な音とは厄介だな…スカイホップが耐えようとしても、本能的耳を閉じてしまうのだろう、なんとかして音を止められたら良いんだが。
「トテモネガティブダー、一撃だけ壁牙に攻撃しなさい、彼は盾を持っている、そうそう死ぬことなないから全力で校舎から叩き出しなさい!」
「トテモネガティブダー!」
相変わらず不協和音を出しながらもこちらに攻撃を開始するスピーカー型の化け物、そんな中、スピーカー型の化け物の背後に機械のコードみたいな尻尾を生やしているのを見つけた…もしかしてそこなら攻撃が通るかも!
「マフナ、この状況打破できたら今度また一緒にお出かけして欲しい!」
「こんな状況で何言っているの!?ああ、もうわかった!でもケガしないでね!」
「うーうー逃げて壁牙ー」
おー、言質取れた、スカイホップは完全に耳を塞いで兄に逃げてといい続けている…マフナとの会話聞こえてないみたいだな、まあいいや、ここで活躍してマフナとデートにこぎ着けてやる!




