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7、見え見えの朝

あの死にかけた日の次の日の朝、いつもの様に起きて朝ご飯を食べるのだが…。


「なあ、月凪…」

「ど、どうしたの壁牙お兄ちゃん?」

「………いや、何でもない」


不思議そうに月凪が首を傾げるが、何でもないと返すが…実際は何でもあるのだ。


マフナがガッツリと月凪の肩に乗っていて、丸見えなのだ、更に変なことにお母さんはそれを見ても完全にスルーしている。


いや、昨日立ち聞きした魔法で月凪が魔法少女と知らないとマフナの姿が見えなくなる魔法を使っていると予測は立てれるが…。


まさかここまで堂々と居るとは思わなかった。

凄く指摘したいが…多分指摘したら駄目だよな…。


「壁牙お兄ちゃん、もう体は大事なの?」

「ああ、どうやら謎の魔法少女の力と知木が処方してくれた薬のおかげで体調は万全だよ…心配してくれてありがとうな」


「心配するよ、あんな声聞こえたら最悪を想像したんだよ?」

「そ、そうか…」


うう、どうしてもマフナの存在が気になる…でもじっと見たら気づかれそうだし、見ないように我慢我慢…。


「2人共そろそろ朝ご飯を食べ終えて登校しなさい、遅刻するわよ」

「「はーい!」」


お母さんの言葉に朝ご飯を食べる事に集中する。

良かったこれ以上話をしていたらボロが出そうだったし…ちょっと助かった。


ちょっと知木に相談しよう、このまま隠すべきか、言ってしまうべきか…いや、言うのは良くないか、隠す方向で相談したいな…。


あ、そうだ!知木に魔法少女の相談をしているから、自分のようにマフナの姿を隠蔽する魔法の効果がないかもしれない!


「すまん月凪、ちょっと先に出ていく!」

「え、お兄ちゃん歯磨きは!?」


妹の静止を振り切り、カバンを持って家を出ると、すぐ近くに知木が居たので、有無を言わせずに知木の手を取り引っ張る。


「すまんちょっと来てくれ!」

「わかった」


知木はこちらの頼みを無条件に聞いてくれて、一緒に走ってくれる。

ある程度走ったら止まり、知木に事情を説明する。


「なるほど、月凪の肩に妖精が乗っているから気にしないようにしてほしいと…」

「ああ、頼めるか?」


「勿論いいよ、それよりも後で時間が出来た際に状況整理に付き合ってもらうよ、妖精に一目惚れ云々に関しても改めてじっくりと聞きたいし」

「あ、ああ…そこは俺もちょっと整理したい…」


そう話していると、月凪が合流してきた。

走ってきたのか少し息が切れているが、相変わらず肩にマフナを乗っけている。


「はあ…はあ、知木お義姉さんおはようございます…」

「……おはよう月凪、ごめんね、半身が2人っきりで話がしたいと言われてね」

「なんの話していたの?」


知木の言葉に興味津々に聞いてくる月凪。


「妹が魔法少女になって、半身がどうしようと相談されたのよ」

「え!?!?」


月凪が驚愕の表情をする、こっちもなんで言ったの!?と絶句してしまう。

マフナもへ!?と両手で口を押さえている。


「なーんて嘘よ、昨日休んだ授業の内容を聞いてきたからそれを教えていたのよ、後日デートしてくれる事を条件にね」

「な、なーんだ、そうだったんですね…で、デートするんですね…」


「まあ、デートは嘘だけどね」

「ええ!?どういうことですか!?」


知木の言葉に翻弄される月凪、あんまり妹をおちょくらないで欲しいけど…まあ、初手に真実を突き付けて嘘と言う知木の話術だろうから知木を信じて任せるのが最善だろう。


「さて、そろそろ学校に行こうか」


かと言ってこのまま知木に翻弄されている月凪を見ていると本当に遅刻してしまうので、2人に登校することを促す。


「そうね、それじゃあ細かい話は昼休みにでも」

「昼休みてなんですか!私にも話してくださいよ!」


2人のやり取りを聞きながら3人?いやマフナ入れると4人?で登校するのだった。

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