57、猫との再会
「ごちそうさまでした」
シッカリ出されたステーキやサラダ、白米食べ終えて、お店にお金を払い、退店する。
思わぬ掘り出し物に満腹と満足感に満ちた状態だ。
「さて、午後は…体動かすという気分には成れないな…」
お腹いっぱいな状態で激しい動きをすれば横腹が痛くなる物でトレーニングなんてもっての外だ。
「うーん、遊ぶとしても1人じゃな…」
今から知木でも誘おうかな?そう考えていると前から見たことある人…いや猫が現れる。
「あれは…タマ?」
「………ニャー」
「いや、ニャーじゃなくてパッションソルのサポートしているタマだろ、声でもろに分かるぞ」
「……人払い結界構築…ふむ、まさかこんな所であの奇妙な一般人と再会できるとはな…」
最初誤魔化そうとしていたが、こちらが強く指定したら、普通の猫に擬態するのをやめたタマは俺の周辺に結界を展開する。
「おお、結界魔法か、そういった魔法も使えるんだな」
「当たり前だ、我がパッションソルのマスコットキャラだから周りにバレたら大変だからな、会話にもこう面倒くさい結界を貼る必要あるのだ」
タマはそう言うとこちらをジロジロと見てくる…まあ、こちらから見ても物珍しいのでタマをジロジロと見てしまう。
「お主何者だ?名を名乗れ」
「天壁壁牙、隣街に住む一応警察に志望の高校生だ」
「高校生?学校では悪の組織が出た時逃げろとか教わらなかったか」
「小学校で習ったけど、あの時は逃げるに逃げれない事情があったんだよ」
妹やマフナが関わらない戦いなら首を突っ込む気は無いが、あの時はマフナがいたから逃げる気にはなれなかったのだ。
「そっちは一人で何しているんだ?情報収集でもしているのか?」
「ふん、ただの散歩だ、悪の組織の情報収集はしたくても出来ないからな…」
「……どうして?」
会って2回目出し、教えてくれないだろうなと思いつつも、ダメ元で聞いてみる。
「悪の組織は情報隠蔽能力が高いんだ、そして本拠地は高い確率で別の次元にあるから聞き込み程度でたどり着けるわけないのだよ」
「あ、教えてくれるんだな」
「君は魔法少女のアニメとかゲームとか見たことないのか?魔法少女の中では常識だよ」
「生憎魔法少女のゲームやアニメはノータッチでな」
確かに現実の魔法少女をテーマにしたアニメやゲームとかあるが、別のジャンルのゲームやアニメの方に興味持って殆ど触れたことないんだよな…。
「しかし意外と話してくれるだな、魔法少女のマスコットて魔法少女以外あんまり話をしないと思っていたんだけど」
「そうだ、我々は基本的に魔法少女以外に干渉する事は非推奨だけど、君はガッツリ魔法少女に干渉している存在みたいだから話しても問題ないと判断した…個人的にはスリシプを蹴飛ばした豪胆さも評価している、悪の組織の幹部に飛び蹴りとか普通の人だと出来ないぞ…くくく」
なんか思い出し笑いをしているが、それほどスリシプに飛び蹴りをしたのが面白かったのか?
「あ!そうだ!タマさんだったけ、タマさんはマフナの事色々と知っていたりしますか?」
「いや、殆ど知らん、名前と姿、軽い噂とスカイホップという魔法少女担当なのは魔法少女ネットワークで軽く知っていた程度だ」
「そ、そうか…」
うーもしもマフナに詳しいかったらマフナの好きな物とか教えて貰おうと思っていたけど、流石に甘い考えか!
「なんだ?マフナの知人と会いたいのか?」
「あー…マフナの好物を知る為に友達、もしくは知り合いに会えるなら会いたいかな」
「マフナとの接点が殆どないから何とも言えないな…探すにしても、ただの人間が魔法の国に行けるわけないし…」
魔法の国…知った以上1度行ってみたいがネットで調べても詳しい情報が乗ってなかったんだよな、写真すらなかった…でもとあるサイトに魔法の国では電子機器は機能しない、だから写真は撮れないというコメントが書いてあったな…あのコメントが魔法少女が書いた物なら信憑性高いが…分からない以上なんとも言えないな。
「そうか、教えてくれてありがとう、あと1つ質問いいかな、背筋がピシッとしていて、手足が老人という思えないくらいに筋肉質な老人は見たことある?あとケンセイ流という流派に心当たりはあるか?」
「質問が多い…セイケン流もそんな特徴的に過ぎるお爺さんも知らない」
「そうか、教えてくれてありがとう、隣町に住んでる可能性は低いのか…?」
「さあね、さてこっちはそろそろ行かないと、じゃあね」
タマさんはそう言うとすたこらさっさと何処かに去ってしまった…。




