51、閃け！新たな力？
ズン！とトテモネガティブダー…手の形をした化け物は上から下へビンタというか叩きつけをしにくる、それをバックステップで回避して、短剣から生成されたエネルギー刃で斬りかかる！
「く、すぐ再生しやがるのか！」
斬った所から黒い瘴気みたいな物が出たと思えば、すぐに斬った所が塞がり、ほぼ元通りになってしまった。
「トテモネガティブダー！」
どっから声を発しているか分からない手の形をした化け物はこちらに向かって手をグーにして突撃してくる！
「くう！」
回避できないと判断してタワーシールドを構えて防ぎにいく！
ゴン！とグーパンチとタワーシールドが激突する！ズズズズ！と身体は大きく後退するがなんとか受け止めきる。
「ぐう…おら！」
受け止めて、腕がビリビリするがタワーシールドを無理やり持ち上げて振り下ろし、タワーシールドで殴りかかる！
ゴン！と手の化け物の薬指をタワーシールドで潰してダメージを与える、悶え苦しむように暴れ始めたので打撃は効果はあるみたいだ。
「短剣のエネルギー刃をハンマーに出来ないかな？」
短剣に精神力を注ぎ、ハンマーをイメージするがエネルギー刃が大きくなるだけだった…。
「駄目か…く！」
体制を立て直した手の化け物は再び上から下へ握り拳でこちらを押しつぶさんと叩きに来る。
「うお！？危な！？」
流石に上から叩き潰す攻撃をタワーシールドで受け止めようとしたら体格差で押しつぶされるのが目に見えているので、回避する。
何度か回避するしていると、次は手を広げて掴みかかってくる！
「やば！？」
回避しようとするが、上手く回避出来ず胴体をガシッと掴まれてしまう、幸い短剣を持つ手は自由なので短剣で化け物の手を滅多刺しにする！
「離せ!」
まだ手の化け物は力を入れていない為、初めて悪の組織と出会った時のように全身の骨が折られるという事はないが、それも時間の問題だ！
だが斬った所ですぐに再生される…。
どうすれば…ああもう！刺して駄目なら…。
「一か八か！はあああ！」
短剣をザクッと手の化け物に突き刺した状態で、短剣に全力で精神力を送る！
するとガクンと目の前が朦朧とし始める。
やばい、精神力を注ぎすぎた、今気絶したら確実に死ぬ！
しかも短剣に精神力を注いで内部でエネルギー刃を大きくしたはずなのに手の化け物は苦しむ様子もない！
「やば…」
この意識が朦朧とする状態をなんとかするなら、短剣に払った精神力を得なければいけない…。
やばい、ギリギリ締め付けてきた早くなんとかしないと、そう思った時に閃いた！
「そうだ…短剣に精神力を注いだならその分の精神力を一旦自分の元に戻せないか！うおお！」
頭の中に短剣のエネルギー刃を収納して、自分の体内に吸収するようなイメージで短剣を強く握る！
すると意識が鮮明になると同時に…意識の朦朧が解消されたが…。
『怖い怖い怖い、殺す殺す殺す、死にたくない死にたくない死にたくない、やりたくないやりたくないやりたくない、嫌い嫌い嫌い』
「う！？」
身体中に響くように感じたネガティブな声？思い？音？に吐き気を催す…。
何今の！？と思う暇もほぼ無く、手の化け物は手を離して、俺を拘束するのをやめた…。
「げほ、げほ…なに！？今の？」
今のなに！？なんか明らかに自分の中に良くない物が通った感じがする！
「うう、体が動かせない…」
なんとか戦闘続行しようとするが、身体は痺れたように思うように動かない、身体の一部が自分じゃなくなったような感じがする。
「あ、これは不味いかも…」
手の化け物も自分と同じように少しの間無防備な状態を晒していたが、自分より早く復帰して、こちらを叩こうとしている。
どうしてこうなった？
そう思うと同時に聞き慣れた声が聞こえた。
「ムーンバレッド！」
そう、月凪…スカイホップの登場だ！隣にマフナも居るし合流出来たみたいだ。
「大丈夫！？壁牙お…壁牙！」
「まって、壁牙の状態がちょっと変だよ！良くわからないけど、壁牙からトテモネガティブダーと同じ力？気配を感じる…あ、消えた」
マフナが驚く事を言う、俺からトテモネガティブダーと同じ気配…？
もしかしてさっきエネルギー刃を収納して、精神力を自分の中に戻した時にトテモネガティブダーのなにかを身体に取り込んだのか？
「マフナ、壁牙の事をお願い！私はトテモネガティブダーを倒すよ！」
「分かった！」
マフナが俺に近付き状態を確認するようにこちらを見てくる。
「はあ…はあ…やっと動けるようになった…」
「貴方何をしたの？」
「多分だけどあの手の化け物の力を一部取り込んだんだと思う…」
「何やってるの馬鹿！？というかどうやってそんなことしたの！？食べたの！？」
マフナにめっちゃ詰め寄られる…すごい形相だ…焦っているようにも見える。
「…食べたと言うよりかは……ちょっと確かめたい事があるし…もう1回試してみるか」
「え！もう1回て何言っているの！？」
驚くマフナを横目に短剣を構える、スカイホップと手の化け物はまだ戦っている。
その戦いに乱入する為に自分は地を蹴った！
