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4、目覚め

「うう、ここは…」


気が付いたら病院と思える天井が視界に入る。

頭が混乱する中自分は現状を振り返る。


自分の名前は天壁壁牙…てんへき、へきが…だ、ちょっとキラキラネームだがそこまで嫌ではない、小中高一貫校に通っている高校生だ、そして妹は天壁月凪…同じ学校に通う中学生でちっこくて何時も俺を慕ってくれる大切な妹だ…。


気絶する直前に魔法少女になっていたな…。


そして親友の名前は智知木…さとい、ちき…天才肌の発明王、美人で圧倒的勝ち組ステータスを持ち結構な人嫌いだが、俺の幼馴染でとある事件以降、俺を半身と呼んで仲良くしてくれているクラスメイトだ。


うん、記憶は失っている訳じゃ無い…よな?


「起きたか半身…全く心配したんだよ」


もぞもぞと起き上がると、隣から親友の声が聞こえた。


「知木…?」

「ああ、死にかけだったが記憶喪失とかにはなってないようで安心したよ」


「死にかけ?待ってくれ、俺は何日生死の境目を彷徨っていたんだ?」

「朝から夕方までだね、ちょうど私が見舞いに来て数分後に目覚めた感じね、因みに全治半日だから、ゆっくり休んでよね」


知木の言葉にポカーンとなる、まってくれ、全治半日?そんなわけない、記憶が正しければあの痛みの感触や音といい、骨は砕けて1日で治る体じゃないはずだ。


「え?俺は全身の骨とか折れてなかったのか?全然痛くないんだが」


「骨折は多分謎の魔法少女スカイホップの治療の力と肉体の痛みは私の作った肉体補強薬のおかげよ…」


「魔法少女スカイホップ?月凪じゃなくて?いや、肉体補強薬てなんだ…?」


いや、ニュースで魔法少女の力で悪の組織に壊された土地とか建物を修復や怪我人の治療とか見た記憶はあるけど…。


「肉体補強薬はまあ、名前のとおりよ…骨とかは折れてなかったけど…肉体はガタガタだったから、色々と処置しておいたわ」

「知木て薬の処方も出来たんだな…いや、それは前から出来てたな」


「半分闇だけどね、半身とはいえ無断で薬を投与してごめんなさい」

「いや、知木の作る物は信用出来るから気にしてないよ…それよりも月凪は無事だよな?」


知木に薬を投与された事より妹の方が心配だ。


「月凪は無事よ、私の手を振り切って半身の所に向かった際はゾッとしたけど、追いかけた際に居たのは魔法少女スカイホップとボロボロの半身だけよ、病院に運んだ後に無事に合流したわ、月凪はもう家に帰ったわよ、親の説明もあるし」


うん?なんか食い違いを感じるな…?


「なあ、その魔法少女スカイホップの姿はわからないのか?」

「え?…ちょっと待って、今半身のPグラスにこっそり取った、スカイホップの姿をだすね」

「ありがとう…」


知木がスマホを操作すると、自分が身につけていたPグラスに気絶する直前に見ていたフリフリドレスの月凪の姿と側にマフナの姿が映し出される。


何処からどう見ても月凪だ、長い付き合いの知木ならば見たら一発で分かると思うが…?


それ以外にもマフナと名乗った妖精の姿から目を離せない。


見ているだけで心臓の動きが速くなる…。

もし可能ならマフナの力になりたいという感情が湧き上がる。


「……もしかして恋か!?」

「へ?もしかして魔法少女に一目惚れした!?」


「いや、魔法少女は月凪だからあり得ない、俺が一目惚れしたのは…隣の妖精マフナだ」

「………………え、ええ……」


知木が大声を上げそうになるが、今いる場所が病院と思い出したのか、両手で口を抑えて声を殺す…端からみたらドン引きしているようにも見える…。


「まさか…半身が……そんな人外趣味があるとはね…いや、それと同レベルでスカイホップが月凪ちゃんと言うことにも驚きで困るんだけど…」

「いや、魔法少女に関しては一目で分かるだろ」


「わからないわよ、魔法少女は変身したら、基本的に認識阻害の魔法でたとえ肉親相手や同じ魔法少女でも正体がわからないようになっているのよ…」

「そうなのか?目の前で変身していたけど…」

「あーそれなら認識阻害しようがないわね…ちょっと待って頭の中整理させて…」


知木がふらふらしている…。

無理もない、あんな事があったんだ、精神的に来ないほうがおかしい。


「なあ、知木今日はもう休んだ方がいいんじゃないか?悪の組織に襲われて精神的に限界だろ?」


「…確かに限界だけど…休む前に他にも色々とやらないと…とりあえず今日の授業のノートの写しあるから夜はこれ見て勉強しておきなさい、学校には事情は話してあるし…多分後で月凪ちゃんや親御さんが来るだろうから沢山怒られなさい」

「怒られるのか…?」


「当たり前よ、いくら私達を逃がす為とはいえ、囮になって、苦痛の悲鳴上げるほど痛い目にあったんでしょ?男らしいけど、妹と幼馴染としては大切な存在が死んでしまうのでは?という恐怖のネガティブ感情に襲われて大変だったわよ、親も息子が1日だけ入院としって大慌てよ、素直に心配かけた分怒られなさい」


怒られる嫌だな…いや、今回ばかりは仕方ないか…あの悪の組織に怒りが湧くが、ただの高校生の自分では悪の組織を倒すことは出来ない。


「わかった……今日は色々とありがとうな」

「構わないわ、この病院ならこの後検査あるだろうけど、完治しているからすぐに任意で退院出来ると思うわ…また明日学校で会いましょう」


知木はそう言うと病室から出て行った。

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