39、マフナとカラオケデート(中編)
「カラオケルーム3時間でお願いします、あとドリンクバーもお願いします…あ、グラスは2つでお願いします、ストローもお願いします」
カラオケが出来るお店にたどり着き、受付を済ませる。
マフナはキョロキョロしている。
ドリンクバーでドリンクを入れつつマフナに小声で問いかける
「カラオケは初めてか?」
「初めてよ…凄く騒がしいのね」
「まあな…好きなジュースとかあるか?」
「…その中にあるのだと、リンゴジュースが好きです」
コップにリンゴジュースとオレンジジュースを入れて、カラオケルームに入る。
「今更な話だけど、マフナは歌とか歌ったことあるのか」
「それくらいはあるわよ、まあ殆どは魔法少女の歌だけどね…」
あ、良かった…魔法少女の曲なら色んなのがカラオケの機械に登録されているから、マフナも歌えるな、マイクは一人カラオケでも2本デフォルトで入れてくれているし、問題ないな。
「後は…マフナの隠蔽魔法てカメラにも効くのか?」
「効くわよ」
「なるほど分かった、ひとまず機械の説明をするね」
マフナにカラオケ装置の使い方を教える。
「…なるほど、実際に1回使ってみてくれる?」
「分かった…」
うーんと、選曲は…勇者をテーマにした勇ましい曲にしよう…まあ、元はゲームの曲なんだが…生憎俺は魔法少女の曲を知らない、知らずに歌うと上手く歌えないので、それなら歌った事がある曲を選ぶ。
勇ましい曲が流れ始めたので早速マイクの1つを手にして歌い始める!
「奮い立てブレイブハート、交わした約束を守る為ー♪」
「………」
なんとか一曲歌いきる…月凪や知木に聞いてもらった事があり、2人共褒めてくれたが…どうだ…?
「初めて聞いた曲だけど面白い歌詞ね…それに貴方て歌う時かなり力強く歌うのね」
「マフナも全力で歌えばいい、ここなら誰も邪魔されない」
「全力で歌う……」
マフナは呟くようにカラオケの端末の前に立つ、その間にマフナが歌いやすようにマイクをセットする、カラオケ室てカメラあると思うけど、そこまで変に見えないはずだ。
勿論もう一つのマイクは自分の口の近くに添える、これで自分が歌っているように見えるはずだ。
「このマイクの前で歌ってくれ」
「分かったわ」
マフナが端末を操作するとロック調の曲が流れ始める、知らない曲だがそれはお互い様だ、マフナはマイクの前に立つと大きく口を開いて歌い始めた。
「おお…」
妖精の体格だからマフナの声て少し小さいんだけど、マイクの影響でかなり大きくなっている。
それに歌うとかなり力強い、思わず盛り上げるより聞くことに集中してしまう。
「光る意思を手に何処までも何処までも己の誇りを貫いていけ!」
サビの所はとても力強く、脳が痺れて、圧倒されてしまう。
そのままマフナは一曲歌いきった。
「凄いな!かっこよかったぞ!」
本心のままにマフナを褒める。
「…楽しいわね、普通こんな大声で歌ったら周りから文句言われるわ」
「ここは防音はしっかりしているから、安心して歌いな、次は俺が歌うー」
ポチポチとカラオケの端末を操作して、新たに曲を流す、スピード感があり、ちょっと難しい曲だ、とあるアニメのオープニング曲だ。
「乗り遅れるな、揺蕩う刹那!見遅れるな、波打つ一閃!」
全部歌うと拍手の音が聞こえてきた。
「なかなかいい曲ですね」
「それなら歌ってみるか?」
「…1回歌ってみます」
マフナが同じ曲を歌う、1回しか聞いたことがない為かたどたどしく歌うが、サビの所は覚えやすい為か、ノリノリで歌っていく。
そのまま歌い終わったら、俺は拍手をした。
「なかなか楽しい…知らない曲歌うの…」
「良し、ならドンドン新しい曲をいれるぞ!」
こうして自分が見本を歌って、マフナがその見本で歌詞を覚えて歌うという事を続けるのだった……フードメニュー頼むのも忘れて3時間歌うのだった。




