34、壁牙特訓中
暗薬博士になすすべなく眠らされて負けてから約1週間経った。
あれから悪の組織はが現れることはなかった。
その間自分は学校の勉学の他に休みの日は筋トレや持久力を鍛えるトレーニングをしていた、現在は土曜の休日でトレーニング中だ。
「はあはあ…疲れた」
30分くらいフルスピードでランニングして息切れを引き起こす。
「はい、おつかれこれ体力回復薬」
「ありがとう知木……」
自転車でこちらのトレーニングについてきた知木がドリンクを差し出してくれたので受取、喉に流し込む、さっぱりとしたチョコ味がした、知木のオリジナル体力回復薬は味が結構ランダムだ、いったい何を使って味を変えているのだろう。
「最後の2分くらいの全力疾走していたけど、結構持久力ついたんじゃない?」
「そうなのか…?どっちかと言うと脚力が高まる方がいいんだけど…」
「脚力は平均以上だけど、プロと比べたら…といった所ね」
知木にそう言われて落胆する。
別に運動部ではないが、まだまだと言われると悔しくなるものだ。
「半身の身体は持久力向きの身体しているから瞬間出力を鍛え上げるのは難しいのよね」
「そうなのか…しかし休みの日にトレーニングに付き合ってくれてありがとうな」
「こっちは暇潰しでやってるだけだから気にしないで、色々と面白いデータ取れるし」
「データて俺に飲ませているドリンクの事か?」
「うん、効率よく強くなれるように多彩な栄養、エネルギーが含んでいるよ」
「ありがたいな…なんかお礼したいけど何がいい?」
汗をタオルで拭きながら知木に要望を聞く。
そうすると知木は嬉しげに要望を口にした。
「じゃあ今日も肩を揉んで欲しい」
「了解、今日も肩カチカチなのか?」
「ええ、今日も石化しているから半身のゴッドハンドが欲しいのよ」
肩を回しながらベンチに座る知木、その背後に周り、肩に手を置く。
「それじゃあ肩を揉むね」
グニグニと知木の肩を揉む、同じ学生とは思えないくらいに肩が硬い。
「家でずっと同じ姿勢でいるのか?」
「そうだよ、だから筋肉は凝り固まっているのよ、貴方の力じゃ無いと治らない程度には」
「そうなのか」
機械じゃ駄目なのかな?と思ったけど口にはしなかった…機械に頼ったらお礼にならないからな。
「半身は警察官目指しているけど、マッサージ師にもなれるよね…」
「いや流石にマッサージ師は難しいと思うぞ…」
それにマッサージ師てなんか安定しづらそうな職に思える…実際安定してるかどうかは調べた事がないから何とも言えないけど…。
そう思いつつも知木のマッサージをすすめる。
「はあーこの時間が至福だわ…」
「俺に肩揉まれているのが至福な時間でいいのか?」
「勿論いいわよ、平和と言うことだし…この時は何も考えなくてもいいし……半身もゆったり出来るでしょ?」
「まあ…そうだな……」
確かにこの時間はのんびり出来る…肩を揉み終わった後は知木と一緒に飲み物を飲みたい気分だ。
「はい、これアイスコーヒー、肩揉みはもういいよ」
「うん、アイスコーヒーありがとう」
知木の隣に座り、受け取ったアイスコーヒーを口にする。
完全に自分好みの甘さに調整されていて、口の中が美味しさに満ちる。
「うめぇ…というか完璧に俺好みに作られているな」
「天才のコーヒーよ、味わって飲みなさい…なんてね」
「ああ、味わって飲ませてもらう…というかさっきのチョコ味の体力回復薬といい液体大量に持ってて重くないのか?」
「自転車の籠に入れてるから重くないわよ」
知木と会話しながら飲んでいると、ウエストポーチの中からの光が漏れる。
光る物を取り出すと、ハート型の石が3つとも満タンに示すように光っていた
「お、ポジティブな感情を吸って、石のエネルギーが満ちたか…」
「おめでとう、3つ貰って3つとも満タンになったの?」
「ああ、時間はかかったが、これでまたマフナと会えるな…」
嬉しげにそう言うが、知木は少し考え込んでいる。
「どうかしたか、知木?」
「そのハートの石はポジティブな感情を吸ってエネルギーにしているんだよね?」
「ああ、質は悪くないけど、俺が直接エネルギーを込める事も出来るな」
「…それなら今度マフナにあったらデートに誘ってみたら?」
ニヤリと良いことを思いついたかのようにデートに誘う案を出す知木。
「いや、無理だろ!?マフナて他の人相手には姿隠す必要があるんだよ!?そんな状態でデートて難しくないか!?」
「別に人がいる所に行く必要はないわよ、ピクニックしたり、釣りとかぱっと見一人でもやっても変に見えない事をマフナと一緒にすればいいわ、ご飯だって一人で食べてても変じゃないでしょ?それに、デートしないと関係は進展しないわよ!」
「う、確かに…」
現状は一方的にこちらがおせっかいしているような状況だ…ここは少し踏み込んだ方がいい気がする。
「そうだな俺デートに誘ってみる!」
「頑張れ半身、私は応援しているよ」
こうして俺はマフナをデートに誘うと決意を固めるのだった。




