33、幕間、暗薬博士の憂鬱
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「おい!暗薬!!」
悪の組織のネガゴッド、その本拠地の研究室かわ荒々しく開け放たれる。
「うるさいわよ破壊将軍、ここは騒音厳禁よ」
「そんな事どうでもいい!!お前魔法少女を見逃したみたいじゃないか!何考えてやがる!」
破壊将軍が怒りに満ちた表情で叫ぶ、毛並みが逆立たない怒り狂っている。
「私は研究員として居るのよ、戦闘は貴方の区分でしょ、貴方の仕事を奪わないようにしたのよ」
「はあ!?腹が立つ、まるでそんな事も出来ないのか?と言っているようにも聞こえるぞ!」
「暴れないでよ?警備兵器が暴れるわよ?」
暗薬博士がそういうと、研究者の至る機械が赤く光る…それを見た破壊将軍は分が悪いと察して舌打ちする。
「ち、俺はお前が嫌いだ」
「良いじゃない、それを力にしたら?」
「フン!貴様への感情で強くなれたら苦労はせんわ!」
バタン!と荒々しく扉を再び開けて、破壊将軍は研究室から去って、行った。
「はあ、やっと帰った…全く最近負け続きなのを八つ当たりされたら溜まったものじゃないわね」
「魔法少女スカイホップ、サポート妖精マフナの解析結果が出ました」
「AIツリー、解析ご苦労さま……うーん、やっぱり性能が低いわね…」
解析結果を見て暗薬博士が唸る。
「博士からネガティブの感情を探知、なぜでしょうか?相手が弱いのは我々にとっては有益ではないのですか?」
「…弱すぎるのはかえって困るのよ」
「何故でしょうか…?論理的証拠を求めます」
「……よく言うでしょ?光が強くなるほど闇は強くなるものよ、肝心の光が弱ければ闇は育たない、光がこれではネガゴットは成長できずに他の悪の組織に押し負けるわ」
暗薬博士はそう言いながら近くのパソコンでキーボードを操作する。
「マスター暗躍博士の命令受諾、バトルシュミュレーションシステム起動します、シュミュレーション内容を入力してください」
「本気を出した破壊将軍対スカイホップ、マフナ…そして天壁壁牙の四人の戦いをシュミュレーションして」
「承知しました…何戦分シュミュレーションしますか?」
「取り敢えず100戦程」
「暫くお待ち下さい…」
AIはそういうとひたすらブーン!とパソコンに繫がった大きな機械が音をあげて動き続ける。
暗薬博士がのんびりとブラックコーヒーを飲んでいるとAIが再び喋り始めた。
「演算完了しました、7割の確率で破壊将軍の勝利、3割の確率で魔法少女スカイホップの勝利で終わりました」
「…………天壁壁牙の生存率は?」
「五体満足で生存する確率13%です、残りの19%が片手か片足を失って生存します」
「良くないわね…」
「なぜ良くないのでしょうか?天壁壁牙の生存率は悪の組織に特に影響がないと思いますが」
AIがそんな疑問を示す、暗薬博士はやれやれとため息をついて答える。
「彼は戦闘力は低いけど影響力は馬鹿にしたら行けないわ、一般人が怪我して魔法少女が覚醒する…なんて物語としてはよくあるでしょ?」
「それは創作の中だけで現実で起こると考えるのは非現実的ですマスター」
「魔法少女を相手にするのに非現実云々言うのはナンセンスだと思うんだけどね、まあ、もう1つの理由として、私の美学的に彼はまだ一般人枠よ、死なれると美学に反するのよ」
「マスターの美学は非効率的です、マスターの好きな効率的に捨てることを推奨」
「非効率的で結構、これに関する事での効率の突き詰めはあんたに任せるわ」
暗薬博士はコーヒーを口にする、喉を潤した暗躍博士は一言こぼした。
「私の計画のためにこれからも頑張って貰うわよAIツリー」
「承知しましたマスター」
暗薬博士は暗躍し続ける…。
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