20、幕間、悪の組織ネガゴッドにて2
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「ああもう!最近エリア管理ガバガバすぎない!」
悪の組織ネガゴッドの本拠地、暗薬博士の研究室にて暗薬博士が叫ぶ。
「おかしいよね?一応成績は平均以上なのになんでこうもエリア侵害受けるかな…まったく、ここにいる人は表は平和だけど裏ではどんどん侵攻していく美学を知らないのかな?それで今回学校にトテモネガティブダーを放ったのはだれなの?」
「解析が完了しました、陽時街にある学校でトテモネガティブダーを生み出したのはアンチトリックです」
暗薬博士の側にいた機械が言葉を発する。
「アンチトリック…あの神出鬼没ね…たまには姿を見せればいいのに…」
「性格的に難しいでしょう」
「ネガゴッドでマトモに会話出来るの総帥だけかしら?」
「破壊将軍は博士と相性最悪ですし、アンチトリックはマトモに会えない、解析の観点でいうとマトモに会話する相手が欲しいならネガゴッドを抜けることを推奨」
「ネガゴッドの為のAIがネガゴッドの不利益になる事を推奨するんじゃないわよ」
「善処します」
暗薬博士は機械と会話する、すると研究室のドアが開き、総帥が入ってきた。
「総帥…どうかしましたか?」
「いや、魔法少女の研究に関して進歩を確認したくてな…」
「まだまだよ、戦いのデータだけじゃそんなすぐには無理よ」
「だろうな…本物の魔法少女が協力が無ければどうしても亀の子レベルの研究スピードになるか」
「本やゲームのようには上手く行かないわよ」
暗薬博士がそういうと、ネガゴッドの総帥はにやりと笑う。
「ゲームのように行ったら負けるフラグになるからな、上手くいかないほうがいいかもな」
「個人的には効率最優先で行きたいけどね、さて、もう少し研究に集中したいけれどもいいかしら?」
「ああ、すまない、邪魔したな」
総帥はそう言うと研究室から出ていった。
「よろしいのでしょうか?研究の為に総帥との会話を打ち切って?」
「構わないわよ、相手も研究優先だしね」
「殆ど研究が進んでないのに優先して進むのでしょうか?」
「うるさい、簡単に研究が進んだら、私の存在はいらないのよ」
機械に向かってそう答えつつ、隣に置かれたパソコンを操作する。
「しかしアンチトリック…どうやってトテモネガティブダーに人を閉じ込めたのやら…?」
「人にネガティブエネルギーを注ぎ込み、その人の感情が引きこもりたいなどの拒絶心が強いほどそういうトテモネガティブダーが生まれやすいと、解析結果が出ております」
「うえ、人にネガティブエネルギーを注ぎ込むなんてえげつない…でもネガティブエネルギーの回収効率はどうなの?」
「まずまずですね、時間は掛かるけど、魔法少女に邪魔されずノーリスク、ロス無しででネガティブエネルギーを集める暗薬博士の方が効率は良いと思います、どうしても他者にネガティブな感情を抱かせると魔法少女の妨害があり、ネガティブエネルギーを浄化されるというロスが生じてしまいます」
「まあね、まあ私の方法は私しか出来ないから、他の人にやらせる事は出来ないのが最大の欠点だけどね」
「しかし1つだけ疑問があります、今回の戦いに居た男性…彼は何者なのでしょうか?放置していていいのでしょうか?」
機械は1つの懸念点をあげるが、暗薬博士は最初からわかっているような口を開く。
「放置で良いわ、一般男性が悪の組織と戦うにも限度があるわ、それに長く戦って敗れた方がネガティブエネルギーを多く発するはずよ」
「成る程…そう記録しておきます」
こうして悪の組織は暗躍していく…。
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