17、戦闘終了
「よし…勝利だな…はあ……はあ………」
短剣に全ての精神力を注いで全力でマラソンをやった後のように気疲れして、息切れを生じた自分は思わず座り込む。
「スカイホップ、最後の仕上げを」
「うん、ネガティブを過去に、クロノリカバリー!」
月凪が杖を掲げると、光が周囲に降りかかり、戦闘の余波で壊れた屋上の床とかが修復される、多分戦場になった教室も修復されるだろう。
「傷は治るけど…この精神的な疲れは取れないのか…」
今すぐ寝たいという感情が湧いてくるが、そういう訳にも行かない。
「………あなた、さっきの一撃、かなり無理して放ったの?」
「さっきの一撃は怪我するほどの無理はしてないぞ」
マフナが複雑な顔で話しかけてくる。
一般人に助けられて嫌だったのか?それとも嬉しかったとか?後者だったらいいな…。
「……貴方本当に何がしたいの?私にはわからないわ」
「まあ、今回は尻拭いの面もあったからな、頑張って戦ったさ」
「それ以外の面も教えなさい、今の貴方は不気味なのよ、魔法少女の技術が使われた装備を持って悪の組織と戦う男の子…普通じゃないわ」
「…なら今日の放課後ここに1人で来て欲しい、俺の目的を話そう」
そう提案をする、告白するにはまだ早いが…まずは友達になりたいと伝えよう。
「……わかった、このまま何度も戦いに首を突っ込まれるとたまらないから、放課後にここにくればいいのね?」
「ああ、決してスカイホップを連れて来ないでくれ…ひっそりと来てもわかるからな?」
「え、は、はーい…」
あ、これはついてくるな、後で知木に足止め頼もう…。
「色々と聞きたいけど、ひとまずは解散しましょう、クロノリカバリーを使った以上、避難も終わり、他の生徒や先生も戻ってくるわ、その短剣片付けた方が良いわよ」
「気遣い助かる」
短剣をポケットにしまう…短剣をポケットにしまえるて、よくよく考えたら凄いな…底を突き破らない辺り、知木の技術力を感じる。
「それじゃあ放課後に会おうな、マフナ」
俺はそう言って、扉から出ていった…物語ならこう、屋上から飛び降りるのがいいんだろうが、そんなことしたら死ぬので素直に屋上の出口から出ていく。
その後、うまい具合に自分のクラスと合流、トイレにいたと先生に嘘の事情を話し、お咎めなく戻ることが出来た。
「やあ、半身…どうやら私の装備は役立ったみたいだね」
避難が解除待ちの間に知木が近寄り話しかけてくる、その目は全てがわかっているという感じがした。
「ああ、まさか見ていたのか?」
「うん、ドローンで遠くからね…それよりこれ飲んどいて、精神的に疲れているでしょ?」
「それは…懐かしいメンドリだな…」
メンドリ…それは昔短剣と腕輪を使ったチャンバラごっこで、メンタルをカツカツまで使って動けなくなった際に知木がよくくれた、精神的に回復するドリンクだ。
「いたせりつくせりだな…ありがたい」
「それくらいしないと今の半身だと倒れるからね、倒れたら私は悲しいよ」
メンドリを飲んで一息つく…貰ってばっかりだから今度なにかしら埋め合わせしないとな…その前にこれからもう1つ頼み事しないと行けない…。
「重ねて悪いけど1つ頼み事1つ聞いてくれないか?」
「月凪ちゃんの足止めでしょ?任せて」
「ドローンにマイクでも付けていたのか…?」
「まあね、最新鋭だよ」
まあ、任せてという事は引き受けてくれるということだ、良かった。
「所でこれ午後の授業は潰れるのか…?」
「この時間だと半分潰れて、1つ授業があると思うよ」
知木がそういうと先生が大声で次のする事を話し始める、戻って1つ授業をして今日はおしまいらしい。
「今日はもう休みにすればいいのに」
「そういう訳には行かないよ半身、この学校だと悪の組織が暴れるのはかなり珍しいけど、他の学校だとよく悪の組織が暴れて、その度に休んでられないとすぐに復帰するのが普通なんだよ」
「そうなのか…」
他校の話は殆ど聞いたことないからへーと聞いていたら教室に戻るように先生に促されて教室に戻る事になった。
因みに屋上で悪の組織に良いように使われた人は月凪が保護して、保健室に運んだみたいだ。
ぐー…。
ああ、そういえば昼ご飯食べ損ねてたな…放課後になったらすぐに屋上で食べるか…。




