10、警察官と犯罪者
次の日の夕方、知木と妹の月凪と…肩に座っているマフナと共に学校を終えて下校していた、部活動は任意の為、3人とも帰宅部だ。
朝の登校時もマフナが月凪の肩に乗っていたが知木と共になんとかスルーして登校した。
「ねえ、今日はちょっと買い食いして帰らない?近くで美味しいクレープを売る販売車が来ているみたいなの」
「え、そうなの!?行きたい!いいよね、壁牙お兄ちゃん!」
「いいけど、晩御飯はしっかり食べろよな?」
そんな会話をして、知木がその販売車に向かって移動し始めたので、後ろから付いていくと、キャー!と悲鳴が鳴り響いた!
「何事!?」
素早く知木より前に出て、声のする方向を見るとそこにはコンビニがあり、店内で銃口に魔法陣がついた銃を構えて、店員にレジのお金を入れるように強要しているコンビニ強盗がいた!
「知木、バリアで銃弾て防げる?」
「不可能じゃないけど、基本的に止めたほうがいい、腕輪を盾にして、その盾で防げば問題ないよ」
素早く知木と言葉を交わす、万が一何見ているんだと撃たれた際を想定するが、腕輪の変形機能で盾にすれば防げるらしい。
「ねえ、マフナ…魔法少女の力であの強盗犯捕まえられない?」
「駄目!あのあの強盗犯が持っている銃は…銃口に魔法陣があるからゴルドガン、悪の組織に属して無い犯罪者のみが使える謎の銃で、一般人には撃たれても出血しないで死なないけど、死ぬほど辛い痛みを与えて、そしてなぜか魔力を持つ魔法少女相手には命を失いかねない致命的を与える危険な銃よ、絶対関わったら駄目、警察に通報して任せなさい!警察なら魔法少女は装備できないけど、あのゴルドガンを無効化する装備を持っているはずよ!」
月凪は魔法少女の力でとっちめようと考えるが、月凪の肩に座ったマフナに全力で説明しつつ止められる。
ゴルドガン、何度かテレビで取り上げられたな、犯罪者が持つ違法銃…普通の人を死なない程度に苦しませるとゆう拷問にも使えてしまう非人道的な性能と魔法少女を死に至らしめるとして、持っているだけで銃刀法違反よりも何倍も重い罪を科せられるやばい銃と報道されたっけ?
まあ、銃刀法違反に関しては俺もアウトかもしれないけど…知木からの短剣こっそり持ってるし…。
少なくとも月凪が狙われないようにしようと立ち位置に気をつけていると新たな乱入者が現れた!
「警察だ!ゴルドガンを捨てて投降しろ!」
「「健人」さん!」
そう、既に通報されていたのか3人の警察だ、しかもそのうちの1人は知木と俺の付き合いの長い知り合いだった。
健人さんは昔の知木絡みの事件の際に助けてもらい、その時から内心色々と憧れを抱いている人だ。
健人さんはチラリとこちらを見て驚いたがすぐに切り替えて、犯人の方をみる、手にはテーザー銃という鎮圧用の電気銃を持っている。
「動くな警察!動けばこの女を撃つ!」
コンビニ強盗はコンビニ店員にゴルドガンを押し付け、そんな脅しをする。
「く…卑劣な…」
警察の1人がそんな事を口にする、撃たれてもコンビニ店員は多分死にはしないがゴルドガンを撃たせてしまえば、警察は人質を見捨てたと世間で大バッシングを受けてしまうだろう、そうなってしまっては場合によっては健人さん含む警察3人はクビになってしまうだろう。
しかも位置関係的にコンビニ強盗はコンビニのドアに守られている為、不意を撃ってテーザー銃を撃ち込んでもコンビニのドアに阻まれてテーザー銃は届かない…かなり状況は悪い。
「せめてコンビニのドアさえ開けば…」
健人さんは頭を悩ましている。
警察は下手に行動出来ない状況だ、何とか力になれたら良いのだが…。
そう思い、辺りを見渡す…コンビニの入口がある壁は一面ガラス張りだが、下側が宣伝ポスターが貼ってあって、しゃがんで移動すればバレずにコンビニのドアを開けれそうだ、でも隠密は危ないか…。
コンビニのドアを開ければテーザー銃が届くだろうし、そうなれば健人さんなら何とかしてくれるだろう。
「……知木、月凪を頼めるか?」
「良いけど、いい作戦思いついたの?」
「まあ、上手く行くか分からないけど…」
そう話していると、ガシャンと音がなった、なんの音?と思って音の方をみたら、健人さんがテーザー銃と……大型の機械…あれはゴルドガンに対抗する為に作られたマテリアルバリアだったけ、ともかく武装を解除した健人さんがいた。
「人質は俺が変わろう、だからその店員を離すんだ」
「駄目だ!警察が人質なんて価値はねぇ!」
そう交渉を仕掛ける健人さん、だがコンビニ強盗は応じない。
「じゃあ俺が人質になる!」
「な!?」
「お兄ちゃん!?」
咄嗟に人質に立候補すると健人さんと月凪が驚く。
直接乗り込めれば、そこから腕輪をタワーシールドにして突撃攻撃ができそうだし、手っ取り早そうだ。
「……へえ、学生か…それならいいぞこっちに来な」
こちらの着ている学生服を見て、問題ないと思ったのかコンビニ強盗は応じてくれた。
健人さんが困ったようにこちらを見るが、任せろと言わんばかりにウィンクをする。
「健人、止めようこのままじゃ…」
「…いや、このままいこう、最悪責任は全部俺が取る、彼とは知人でなにするかなんとなくわかるし…それに今下手に止めたら犯人を暴れさせてしまう可能性がある…くそ、警察なのに情けないぜ…」
警察の1人がこちらを止めようとするが、健人さんが止める。
俺はそのままコンビニの入り口の前に立ち、そのまま中に入る事が出来た。




