エピローグ
数年後。
辺境の村は、ポムポムポーションのおかげで活気に満ちていた。村人たちは、アレックスを「村の守り神」と呼び、尊敬と感謝の念を抱いていた。
アレックスの錬金術工房は、村はずれの小高い丘の上に建てられ、村を見守るように佇んでいた。工房の周りには、色とりどりの花が咲き乱れ、ポムが楽しそうに走り回っていた。
アレックスは、今日もポムと一緒に薬草を採取し、新しいポーションの研究に励んでいた。ポムは、すっかり大きくなり、立派な魔獣へと成長していたが、アレックスへの愛情は変わらず、いつもそばを離れなかった。
「ポム、見てごらん。新しいポーションが完成したよ」
アレックスは、ポムにできたてのポーションを見せた。ポムは、興味津々にポーションの瓶を覗き込み、嬉しそうに尻尾を振った。
「これは、疲れを癒やし、活力を与えるポーションなんだ。村の皆に喜んでもらえるといいな」
アレックスは、ポムの頭を優しく撫でた。ポムは、アレックスの手に顔をすり寄せ、甘えた声を上げた。
二人は、工房を出て、村へと向かった。村人たちは、アレックスとポムの姿を見つけると、笑顔で手を振った。
「アレックスさん、ポムちゃん、おかえりなさい!」
「新しいポーションができたって?楽しみだなあ」
アレックスは、村人たちに新しいポーションを配り、皆の喜ぶ顔を見て、心から幸せを感じた。
「ポム、これからも一緒に、この村を守っていこうね」
アレックスは、ポムを抱きしめ、誓った。ポムは、力強く頷き、アレックスの頬に顔をすり寄せた。
追放された過去は、もう遠い昔の出来事のように思えた。アレックスは、ポムや村人たちの愛に支えられ、新たな人生を歩み始めていた。
そして、これからもずっと、この幸せな日々が続いていくことを信じていた。