第6章:王都での再会
数日後、アレックスとポムは、ガブリエルの案内で王都に到着した。王都は、以前と変わらず活気に満ちていたが、どこか重苦しい空気が漂っていた。戦争の影響で、人々の表情は暗く、街のあちこちに兵士の姿が見られた。
ガブリエルは、アレックスとポムを王宮へと案内した。王宮の中庭には、傷ついた兵士たちが横たわり、苦しそうな呻き声を上げていた。その光景を見て、アレックスは胸が締め付けられる思いだった。
「アレックス様、こちらへどうぞ」
ガブリエルに促され、アレックスは王の間へと進んだ。王の間には、国王や大臣、そして見覚えのある顔が並んでいた。
「これはこれは、アレックスではないか。まさか、こんなところで再会するとはな」
声をかけてきたのは、かつてアレックスの同僚だった錬金術師、ロバートだった。ロバートは、皮肉を込めた笑みを浮かべていた。
「ロバート…久しぶりだな」
アレックスは、複雑な気持ちでロバートを見つめた。ロバートは、アレックスが追放された後、錬金術師長に昇格していた。
「まさか、お前が王都に戻ってくるとはな。一体、何の用だ?」
ロバートは、疑いの目を向けてきた。
「ポムポムポーションを届けに来た。多くの兵士が傷ついていると聞いたので」
アレックスは、ポムを抱きしめながら答えた。
「ポムポムポーション?まさか、あの伝説のポーションを…?」
ロバートは、驚きの表情を浮かべた。ポムポムポーションの噂は、王都にも届いていたのだ。
「ああ、そうだ。ポムポムポーションで、一人でも多くの兵士を救いたい」
アレックスは、決意を込めて言った。
「まさか、お前がそんなことを…信じられん」
ロバートは、信じられないという表情でアレックスを見つめた。
「ロバート、私は変わったんだ。もう、過去の私ではない」
アレックスは、力強く言い切った。
その時、国王が口を開いた。
「アレックス、よく戻ってきてくれた。君のポムポムポーションは、我々にとって最後の希望だ。頼んだぞ」
国王は、真剣な表情でアレックスに頭を下げた。
アレックスは、深く息を吸い込み、ポムポムポーションが入った瓶を取り出した。
「必ず、皆を救ってみせます」
アレックスは、力強く宣言した。