8 第二王子派の貴族が頭を下げているから許してやったんだけど、後で知らんぷりして全滅させるつもりだよ(勇者目線)
「すみませんでした」
頭を下げている貴族がいた
御貴族様は大変だ~、と思っていたら第一王子から怒られた
「勇者に謝っているのに無視するな」
・・・いっちょん判らん!
いえね第一王子の護衛をしてたんだよ
なにせ第二王子から毒殺、暗殺、謀殺の三重苦な目にあっているんだ
それくらいしないとあっさり死ぬからね
・・・異世界って酷すぎね?
今日は珍しくお客があった
いつもの派閥の貴族ではなくって初めて見る顔だった
また大変なことになるんだろうな
そう思ったね
だってお客は第一王子の部屋に入って後、全然出てこないんだ
碌でもないとこになっているのは必然だろう
そう思ったら第一王子に呼ばれた
部屋に入ると第一王子と側近とお客の貴族と第一王子の派閥の貴族が居た
一体何が起こるのか?と思ったらお客の貴族が突然謝りだした
・・・せめて脈絡をくれ、と言いたい
まあ勇者には関係ないし~、と思っていたら第一王子から怒られた
それが冒頭のことだった
なんでも第二王子の派閥の貴族の跡取り息子が相次いで暗殺されているんだとか
被害者は全員第一王子を毒殺しようとした貴族
なので容疑者は第一王子(の部下)
それが王宮での常識になっているそうだ
なので
「謝りますから息子を殺さないで下さい」
と第一王子に懇願しにきたそうだ
一人息子を殺されたらお家断絶
いや息子が死ぬのは耐えられない
ですから第一王子の派閥に入ります
だから許してください
息子を殺さないでください
そう言ってきたそうだ
いや知らんがな
正直そう思った
第二王子の手先となって毒殺しようとしたんだ
そのせいで毒見役が死んだ
なのに自分の息子が死ぬかもしれないとなったら止めます、謝りますというのは筋が違うというものだ
某99代皇帝も言っていた
「ヤっていいのはヤられる覚悟のあるものだけだ!」
そう言う事
「絶対に許さない」
「あ、でも暗殺は勇者じゃないよ」
「証拠もないのに犯人扱いとはとんだ言い掛かりだ」
「証拠を見せろ」
と言ってやったね
お客は顔が真っ青だったね
交渉が破綻したので息子の命は風前の灯
いや~、いい仕事した感じがする
今日のご飯はさぞ美味いことだろう




