72 勇者、偽物に出会う(その5)
「やめてくれ!」
偽物の勇者が叫んでいる
だけど振り下ろされる木の棒は全然やむことがなかった
・・・どんだけ嫌われているんだよ、(偽物の)勇者
木の棒を振り下ろしているのは主に若い娘さん達だ
非力だろうがそこは数で押している
おかげ?で勇者(を騙る偽物)はボロボロだ
「「「「「はあはあはあ」」」」」
娘さん達もうヘトヘトだった
・・・勢いというか復讐心だけで突き進んだ結果だな
ボロボロになった勇者は皆の体力が限界に来てもう復讐が終わったと思ったのか口元が笑っていた
多分ろくなことを考えていないだろう
いや自分が悪いとか思ってないだろうな
回復魔法を使って腕を治したら復讐に走ることだろう
たぶんだけど
だからちょっとだけ手助けしてやることにした
「そういえばこのクズの仲間がいたっけ・・・」
勇者がそう言うと皆がボクの方を見た
そしてボクの視線の先に(偽物の)勇者のパーティメンバーの魔法使いがいることに気が付いた
「い、いや私は・・・」
魔法使い♀は突然の注目にオロオロしていた
・・・勇者は女好きだから他のメンバー全員女なんだよね
「勇者がバカやるのを止めなかったんだよな?」
そう言ってやると周りのみんながようやく復讐先がまだあることに気が付いた
こいつらの名声があるために勇者は調子にのって私が犯されたのね
女の恨みは怖かった
「いや私は関係がないから!」
魔法使いはなにか叫んでいた
だが女の集団とその家族に囲まれて敵意を四方八方から受けたせいで魔法を使う暇がなかったようだ
早い話、後ろから不意を突かれて頭を木の棒で叩かれたのだ
そりゃ頭脳系の魔法使いは手も足も出ないってものだ
・・・ご愁傷様である




