65 勇者、海辺の町に行く(その15)~閑話:かなり後の話~
昔、昔、ある浜辺の町に横暴な領主がいました
価値がありそうなものならなんでも取り上げる酷い人でした
ある人は家宝のネックレスを盗られました
またある人は美しい娘を盗られました
町に来た商人はお金や珍しい商品を盗られました
剣士は高いお金を払って作った剣や鎧を盗られました
魔法使いは先祖代々使っている珍しい材料で作った杖や魔導書を盗られました
実際に盗りに来るのは兵士達です
兵士達は領主の命令に従っているだけでした
でも町のみんなが恐れているのをいいことにやりたい放題でした
食堂では食い逃げをしていました
美しい娘を見たら攫って酷い事をしていました
商店では商品を持っていくだけでお金を払いませんでした
つまりは領主もその手先の兵士達も凄く嫌われていたのです
ある日、町に冒険者がきました
フェンリルの仔を連れていました
フェンリルの仔は可愛いかったです
小さい身体で一生懸命食べている姿を見て町の人間は久しぶりに笑顔になりました
トテトテ歩く姿も可愛いです
町のアイドルになりました
そうすると欲しくなるのが町の領主様です
兵士に命令してフェンリルの仔を奪いに来ました
ああ、フェンリルの仔も奪われるのか
町の人間たちは絶望しました
ところが冒険者は違いました
フェンリルの仔を連れて町の外に逃げました
ああよかった
町の人達は思いました
あんな可愛らしいフェンリルの仔が領主のおもちゃにならなくてよかった
そう安堵しました
ところが領主は諦めませんでした
町の外まで兵士を送ってフェンリルの仔を盗もうとしたのです
冒険者は怒りました
そして禁断の魔法を使いました
底なし沼を作ったのです
作った底なし沼にフェンリルの仔を奪いに来た兵士達は嵌りました
底なし沼ですから抜け出せません
底なし沼に嵌った兵士を助けようとした兵士も居ましたが底なし沼が広がって嵌りました
助けようとした人間は底なし沼が広がって嵌まるようです
ですから誰も助けることはできません
というか助けようとしなくなりました
そして月日が立つと地面から生えている多くの骨の林ができていました
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なんか最終回のようですがまだまだ終わりませんよ?




