5 汚物は消毒だ!というなろうの常識が異世界では通じないのはなぜだろう?
手枷を付けられた犯罪者が縄で数珠つなぎに繋がれている
もちろん勇者の指示で女性だけだ
男の方は犯罪者として鉱山やら工事やらで働いているからな
ここには労働力にならない女が残っているのには訳がある
第一王子が処分に困ったからだ
まあだからといって王族である第一王子を毒殺しようとした罪は消えない
異世界は連座制だから犯罪者を一人見つけたら50人にも膨れ上がる
半分は男だとしても、労働力にならない女は結構な数となる
・・・異世界パないな
困っていた第一王子様に手を差し伸べたのが異世界から召喚された勇者、つまりボクだ
罰を与えましょう!
なろうで定番の娼館行き一択だよね
そう言ったら第一王子様は
「異世界、怖い・・・」
そう言っていた
異世界では、というかこの国では女性に罰を与えるにしても娼館までは酷くないらしい
だから舐められているんだよ
思わず怒ったね
毒殺暗殺謀殺が日常茶飯だというのにそんな優しい事を言っているから3人も毒見役が死ぬんだよ
彼らだって死にたくはなかっただろう
罪を犯した人間がのうのうと生きていて
真面目に暮らしている人間が損をする
そんな世界はクソだ、と言いたい
・・・99.89%該当しているのが現代の日本って国らしいけどな
という訳で第一王子様に代わって勇者であるボクが犯罪者どもに罰を与えることにした
「犯罪者諸君!女として生まれて来たことを後悔させてやるからな!」
そう言ったら泣いて喜んでいたね
王族を殺そうとした罪を償えることに感謝しているらしい
殊勝な考えでこちらも嬉しいよ
罪を認めて償うって人間らしい気持ちがあることにちょっとだけ心がほっこりした
ぜひちょっといい話ってタイトルで本にしたいものだ
多分異世界でもヒットするんじゃないかな
おらワクワクしてきたぞ(笑)
〈おまけ〉
女達が泣き叫ぶ声が王城の片隅から約1か月の間、昼夜絶え間なく聞こえて来たせいで第一王子への苦情が殺到したというのは別の話
その時の勇者のコメント
オレは悪くない!




