11 勇者の暗殺を止めてみた(第一王子目線)
「暗殺する、しない、の話ではない、今後しないように皆で誓い合うのだ」
切り口をかえて説得してみたのだが勇者は理解できないようだった
・・・夜な夜な楽しんで暗殺する人間の止め方を教えてくれ、と言いたい
勇者が第二王子の派閥の貴族の息子を暗殺するおかげでただでさえ悪い関係がさらに悪くなっていた
まあ向こうも暗殺しようとした負い目があるからこの辺で手打ちにしょうと言った打診が来ている
なにせ勇者は
「関係が悪くなる?とっくに悪くなっているから今更だろう」
などと言って全然歯牙にもかけないのだ
関係が悪くなったら元には戻らない
いや暗殺しにきて死人が出ているんだからもう最悪
これ以上悪くなることはないから安心すると良いと言う始末
そして隠れて暗殺しまっている
・・・いや死んではいないよ
でもある意味人生が死んだも同然の状態なのだ
そりゃ第二王子の派閥もこれ以上被害が広がらないように手打ちしたいというものだ
という訳で勇者に暗殺を止めるように説得しているのだが全然捗らない
「いやだな~、ボクがそんな酷い事するように見える?」
だとか言って一人で笑っているのだ
・・・一体今のどこに笑う要素があったのか教えて欲しい
あげくには
「証拠もないのに犯人扱いは酷い」
という始末
・・・暗殺しておいてしらばっくれるのは酷くないのか?と言いたい
のらりくらりと躱されているとなんで第二王子の派閥の貴族を守るためにこんなに一生懸命にならないといけないんだろう?と思うようになってきた
「第一王子が気に掛けなければならないのは自分の身内だと思うぞ?」
勇者にも言われてた
正しいことを言われたのだがなぜだが釈然としない
お前がいうな!と叱るべきだろうか?




