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お前みたいな召喚者がいてたまるか!  作者: 焼ミートスパ


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1 前編(第一王子目線)

「証拠を出せや、おらあっ」


相手の胸倉を掴んで怒声を浴びせている無法者が第一王子わたしの派閥の人間だと思いたくない・・・






初めましてこの国の第一王子です


でも側室腹なので立場が弱いです





だったら側室なんて取るなよ!って思われるかもしれません


ですが正妃様が王様と結婚して3年経っても子供が生まれませんでした


そのために側室を持つことになりました





後継者がいない国は荒れますからね


王様、王妃様を始めとして貴族全員が側室を望みました


そして側室に選ばれたのが子爵家の長女だった第一王子わたしの母です


半年後に見事に懐妊しました




やった!


皆がそう思ったそうです


皆、自分の生活の安定を望んでいますからね




ところが懐妊が判った後、数か月後に王妃様が懐妊しました


世継ぎを産めというプレッシャーが無くなったせいらしいです




そうすると人間、欲がでるようです


侯爵家出身の正妃様の王子の方が良い


そう言う事らしいです




おかげで側室、および生まれた第一王子は毒殺、暗殺、謀殺の嵐に見舞われました


毒見役が3人ほど亡くなりました


後遺症で身体に不具合が残った人間は両手に余るほどです





第二王子側に文句を言うべき?


証拠がないため泣き寝入りです


・・・立場の弱い第一王子側についてくれた人間には頭が上がりません




調子に乗った第二王子の派閥はさらなる躍進のため勇者召喚をしました


魔物や魔族討伐をすれば実績になり王太子になれるかも?、って考えらしいです




召喚された勇者である山田太郎様は最初は素人同然でしたがメキメキを腕を上げて半年後には騎士団長に勝つまでになりました


訓練の合間に出た魔物討伐も凄い魔法や剣技だったそうです




もう第二王子が王様でいいんじゃないか?


そんな雰囲気になりました





ところが第二王子の側近が勇者の逆鱗に触れてしまいました


「目ざわりな第一王子を暗殺して欲しい」


そう言ったそうです




勇者はその場でボコボコにしたらしいです




誰もいない場所で言ったそうですが勇者が人が居る所まで殴り飛ばしました


そして「第一王子を暗殺しろとは何事だ!」と断罪したそうです




王族を害すのは不敬罪です


それが明らかになればたとえ第二王子の側近であっても処罰は逃れられません




なんで側近がそんな事を不用意に言ったかというと勇者様が召喚する際に名前を聞いて魔法で縛り付けたと思ったそうです


実際は勇者様の方が一枚上で山田太郎という偽名を名乗ったそうで、魔法による隷属はなされなかったそうです




そして不敬罪が明らかになった側近は家族ともども処罰されました


毒杯を賜った訳です




そこで終われば良かったのですが、勇者様は第一王子わたしの派閥に鞍替えしてきました




勇者様の国では


強い第二王子派が弱い第一王子派は虐げるのは悪で


弱い第一王子派が強い第二王子派をやっつけるのは正義


だそうです




強い奴らを一族の末端まで全滅させても罪に問われない


いや国を挙げて(ドラマ化や漫画化で)賞賛されるそうです


・・・異世界って怖いって思いました




派閥に入って来た勇者様は第二王子派のやり口に激怒していました


特に毒殺、暗殺、という卑怯なやり口に、です




証拠を集めようとしても邪魔が入って立件できないという無法地帯な所が特に嫌らしいです




「真っ当に生きている人間がバカを見るのが我慢ならん」


とも言っていました


どうやら勇者様の過去の出来事いじめのトラウマを刺激するようです





そして第二王子派の各家の跡取り息子が不幸に見舞われることになりました




朝起きたら


剣で両目を一文字に切られている状態で発見されたり


片腕が肘の部分から切り落とされていたり


片足が切り落とされていたり


していました





当然のことながら第一王子わたしの所に苦情がきました




「言い掛かりを言うな、証拠を出せ」


勇者がきっぱりと撥ね付けました






今まで毒殺や暗殺をされるたびに文句を言っていましたがそのたびに


「証拠を出せ」


って言って撥ね付けられていました


その報復ですね





やられたらやり返す


倍返しだ!


が勇者様の国の常識だそうです


・・・異世界って怖いですね






そして勇者様は第一王子わたしの目の前で文句を言いに来た第二王子の派閥の人間を楽しそうに締め上げています


それが冒頭です


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