そして始まる物語
とある空間に浮いている、逆さまの城。そこの玉座に横向きに座りながら本を読んでいる天使…ルミのもとに1人の青年がコンビニ袋を持ってやってきた
「お菓子とジュース買ってきたよ」
「サンキュー槍君! 悪いね~」
「別にいいけどさ。もう一度配下でも集めてみたら?」
「無理無理~。どうせ集めてもこの空間に入ったらバラバラだし。だったら槍君に力を注いだ方が面白いもん」
「まあルミがいいなら、それでいいけど…」
そう言いながら青年は袋をルミに渡した
「でも…確かに2人だけじゃ、この城は大きすぎるよね。天否と白姫呼べないかな?」
「一応彼らは天使殺しだし…それはね」
「そっかぁ~」
それを聞いて、ルミは悲しそうな顔をした
「単に仲良くしたいだけなのに~。白姫ちゃんは仲良くしてるのに~」
そんな愚痴を言いながら、ルミは足をぶらぶらさせている
「んー…白姫に嫉妬してるんだね。天否に恋でもしてるの?」
「そうかもね。敵の私にも優しくしてくれたし、キュンってしたもん」
それを聞いたら青年は目に涙を浮かべた
「あの、戦い以外に何の興味もなかったルミが…ついに、恋愛を…」
「ちょちょちょ!? 泣くようなこと?!」
すると青年はルミの肩に手を置いて「応援します!」と言った
「けどね~。ロミオとジュリエット問題がね」
「まあ、ルミは一応4位だし。どこの勢力とも関わりがないから。静にしていたら問題はないだろうけど…」
「そうしたら、乗り遅れちゃう。すでに判明している時点で白姫っていう最大のライバルがいるんだから」
「確かに…嫉妬でルミがヤンデレになっても困るし。むしろ俺達も裏切っちゃう?」
「んー。正体を隠して第3勢力として動くとか? 今の立ち位置で情報も集めたいし。1位の奴の計画に私は興味ないしね」
「…まあ、それでいいか。それで最初は何をする?」
「もちろん♪ 愛しのあの人の情報を集める! ちょうど同じことをしようとしている子がいるしね」
「俺はついていかなくていい?」
「うん。天使陣営の情報操作は任せたよ~」
すると、ルミはどこからかフードを取り出した
「それじゃあ、行ってくるね! それと、ここもう要らないから壊しちゃっていいよ」
「ほーい。行ってら~」
そして、ルミは歪みを生み出しその中に入っていった
「さて…人の、いや天使の恋路のために…そして、ルミの後処理をしなくて済むように。頑張るとしますかね~」
そう言いながら、青年は身体を伸ばした
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こうして…運命の手綱を握る者達が全員動き始めた
天否 白姫 ルジ リンナ 光希 神喜 ルミ
彼らの行動によって物語は移り変わる…
「どうですか? 少し今までとは違いますでしょ?」
そう言って、彼はベンチに座って本を読んでいた私に話しかけてきた。一応彼も座れるように隣を開けているが全然座ってくれない
「…確かに面白そう。最後まで読んでみたいです」
「そうですか。なら、しばらく汽車はここに止まらせることにしましょう」
「うん。わざわざありがとうございます」
「いえいえ。あなたの成長のだめです。それに…」
「それに?」
「もしかしたら生まれるかもしれないんですよ…」
超越者が…
これにて、一旦完結になります。 ……わかりますよ「は?」と言いたくなる気持ちは。安心してくれ失踪はしない…と思う。では「salvation magician~動き始める者」でまた会えることを願おう!