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94話 まさかのブルーネルだったよ、オイ!

ブルーネルを賭けたリーンズとの戦いに勝利し、遂に俺はブルーネルをゲットした!


・・・って違う違う!仕方なく勝負を受けただけでゲットなんてしたつもりは無いからな!


客席から飛び出して俺の側まで来たブルーネルとアールとミミ。


「やっぱり私の見込んだ通りだったぜ!これからよろしくな、旦那様!」


ブルーネルはもうすっかり俺の嫁気分だった。


「旦那様じゃないから!結婚してないからっ!」


「でも私を賭けて勝負したろ?」


「それはお前が勝手に賭けを受けるからだ!」


「でも、私を取られたく無かったから受けたんだろ?良かったな!もう私は旦那様のモノだ!」


「いやいやそうじゃなくてだな!俺はそもそもお前と結婚する気は無いんだよ!だってさっき会ったばかりだぞ?」


「も、もしかして、私の事が気に入らないのか?そりゃ私は22歳で姉さん女房になるし、戦闘力だって旦那様より弱いだろうけど・・・精一杯努力するぜ?」


ブルーネルの顔が見るからにシュンとしている。

目の炎も、さっきまでメラメラしてたのが今は勢いがなくなっちゃって、チロチロと今にも消えそうな感じだ。


そんな悲しそうな顔するなよもうー!

16歳思春期真っ盛りの俺にとって22歳のお姉さんとのロマンスなんて最高すぎるよ?

しかもブルーネルってばめちゃくちゃ美人だしさ。


でもいきなり結婚ってのは、そりゃ尻込みするってば!


「私は別にウミツキの事を独り占めする気は無いんだぜ?第3夫人でも問題ねえしさ」


・・・ん?第3夫人?何言ってんだ?


俺はアールとミミを見た。


アールはその完璧なる無表情で少し首を傾げると、


「第1夫人・・・?」


そしてミミは俺を見つめると


「第2夫人・・・頑張る」


「だあああああ!2人は第1夫人でも第2夫人でも無いからあああ!ってかミミは何を頑張る気だあぁ?!」


俺は両手をワタワタさせた。


「分かったから!じゃあブルーネル、結婚じゃなくてさ、俺の仲間になってくれ!それでどうだ?」


「仲間なんて当然だろ?私はその先を望んでるんだよ・・・何もウミツキが強いから言ってるんじゃないんだ。勿論それもあるにはあるが・・・初めてなんだよ。私が心から愛おしく感じる奴が現れるなんてさ・・・私はこれでも冒険者美女ランキング7位なんだぜ?上位10人は美しさの格が違うってもっぱらの評判なんだ。だから絶対損はさせねえよ?」


「いやだから、損とか得とかそういう事じゃなくてだな…」


すると、客席から次々と野次が飛んできた。


「おい小僧!ブルーネル姉さんにそこまで言わせてまさかフるとか言わねえよな?」


「テメエ、もしブルーネルの姉御を袖にするなんて言ってみやがれ!ギルド全体を敵に回すぜ?」


「そうだそうだ!貴様、ガキの分際で羨まし過ぎんだよ!」


「ブルトスカを泣かせたら承知しねえぞこのエロガキが!」


「なんでこんな幸せすぎる申し出を断るんだよ?俺と代われ!」


「ブーブーブー!!」


野次はすぐに客席全体に広がり、やがて盛大なブーイングになった。


・・・だからお前ら仕事しろって!


けど、こりゃもう収集がつかないぞ?


≪結婚しちゃえば良いじゃない。カガリを独り占めするつもりは無いらしいし、それってハーレムもOKって事でしょ?ラッキーじゃない!超美女嫁1人ゲットでウハウハよ!≫


・・・そりゃアールは大ハーレム帝国を作るって使命があるからそう思うんだろうけどさ、結婚なんて俺にはまだ荷が重すぎるんだよな・・・


そんな俺の気持ちなどそっちのけで、闘技場はブーイングからいつの間にか結婚コールになっていた。


「結ーっ婚!結ーっ婚!結ーっ婚!結ーっ婚!結ーっ婚!結ーっ婚!結ーっ婚!結ーっ婚!結ーっ婚!結ーっ婚!」


「ああもう!分かったよ結婚するよ!すりゃいいんだろ?!」


途端にブルーネルが俺に抱きついて来た。


「旦那様ぁ!大切にしてやるからなぁ!」


・・・あのそれって、俺が言うべきセリフだよな?


俺が思わず口走ったのを皮切りに、そのままなし崩し的に結婚式が始まってしまった。


闘技場は最早、結婚会場になってしまっていた。


・・・まさか高校生で結婚する事になるなんてな。こりゃホリー達が知ったらどんな反応するやら。


≪ホリーには良い刺激じゃない?あの子は奥手だから。麻耶と沙彩は、地団駄踏んで悔しがるでしょうね。多分、私達とも結婚しろって迫って来るわよ?≫


・・・滝座瀬と三津島か。その可能性は高いよな。けどアイツらはスキルの影響でそうなってる訳だし結婚なんてもってのほかだしな。


≪じゃあホリーは?≫


・・・ホリーか?・・・ホリーは結婚の事知ったら怒るかな?


≪もしホリーが自分とも結婚してくれって言って来たら、結婚するの?≫


・・・まさか、ホリーがそんな事言ってくる訳無いだろ?だってあんな超美人が俺の事なんて恋愛対象として見る訳…


≪でも同じくらい超美女のブルーネルにカガリは惚れられてるのよ?≫


・・・ま、まあ確かにそうかもしれないけどさ。


俺がホリーと結婚か。

そう考えると、心がウキウキして幸せな気持ちが広がって行くのを感じた。


これって、俺はやっぱりホリーの事が好きなんだと思う。


今までは俺に釣り合わないと思って無意識で諦めていたんだろうな。


フラれて傷付くのがイヤだから。


今でも、ホリーにフラれて関係が壊れるのはイヤだ。

ホント、ヘタレだな。


でも、もうホリーへの恋愛感情に気づかないふりをするのは出来そうに無い。


・・・結婚したばっかなのにもう別の女の子の事考えてるなんて最低すぎるぞ俺!


≪そんな事ないわよ?この世界はもともと重婚が認められているらしいし。それに我々の文明でも認められているのよ?我々だけじゃない、宇宙規模でそれが普通なのよ。逆に地球は我々から見て原始的な文明だからこそ、倫理観も古いのよね。だから気にする事ないわよ。要は全員を真剣に愛せばいいの。簡単な事じゃない!≫


・・・無理無理!俺ってばその原始的な文明の一員なの!その古い倫理観にガッツリ囚われちゃってるんだよ?・・・けどまあ、もう地球には帰れないんだし、こっちの常識に慣れないといけないのは理解してるけどさ。もっと時間をかけてゆっくりとだな・・・


俺は花嫁のブルーネルを見た。


他の冒険者達から祝福されて嬉しそうだ。


その様子を見ていると・・・結婚自体にもはや後悔は無いと感じる事ができた。


俺も考え方を変えて行くべきか・・・


そして結婚式は盛大に行われた。


だって、大勢の冒険者やギルド職員に囲まれているんだからそれは賑やかになるだろう。


異世界式の結婚式は、日本で言うと教会での式に似ていた。


アールの計らいで、俺はタキシードに着替え、闘技場のど真ん中で待っていた。


暫くすると、アールとミミに付き添われたブルーネルが純白のウエディングドレスを着て登場した。


さっきまでの武骨な甲冑姿じゃないブルーネルは、それはもうとんでもなく綺麗で、赤い長髪をなびかせ、歩いて来る姿は、どこかの物語のお姫様を彷彿とさせた。


俺の隣に来たブルーネル。


「ど、どうだ?こんな姿になったのは初めてだから似合っているか分からないんだ」


「うん、めちゃくちゃ似合ってるよ。本当に感動的なくらい綺麗だよ」


「そ、そうか。そりゃ良かった!」


笑顔のブルーネル。その紅色の瞳はいつもの鋭さが取れて柔らかい。


ヤバい、魅力的過ぎて目が離せない。


急遽呼んだ神父様が式を進める。

内容は、映画やドラマで良くある流れだ。

神父様が色々と誓いの言葉を並べ、俺達は互いに『誓います』と言う。


そして指輪を互いの指にハメる。


いつの間に指輪を用意したのかはこの際、置いておくとして、俺の予想が正しければ、この後、アレがある筈だ。


神父は言う。


「では最後に・・・」


・・・ゴクリ!


俺は生唾を飲み込んだ。


俺には今この瞬間が、スローモーションの様にゆっくりと流れていた。


だって、生まれて初めての・・・夢にまで見たファーストキスなんだ。


それがブルーネルとのキスっていうのは、ついさっきまでは全く予想していなかったが、しかし相手にとって不足は無い。


よし!やるぞ!


足が震える。

しかし同時に歓喜にも震えていた。


そして神父の言葉の続きが耳へ飛び込んで来た。




「・・・誓いの・・・決闘を!」


・・・・・は?


一瞬、神父が何を言ったのか理解出来なかった。


しかし、


「うおおおおおおおおお!!!」


闘技場を割れんばかりの大歓声が包み込んだ。


俺は「はっ!」と我に返った。


俺は神父に詰め寄った。


「誓いの決闘って何ですか?!ここはどう考えても誓いのキスじゃないんですかぁ???」


神父は戸惑いながらも答えた。


「通常ならそうですが、冒険者同士の結婚式では、互いに信頼の置けるパートナーだと認め合う意味を込めて、誓いの『決闘』をするしきたりなのです」


・・・『なのです』じゃねえよおおお!!


どうやら俺のファーストキスは、まだまだ先の話になりそうだ。

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