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71話「真祖vs俺」、たぎるぞ?オイ

カガリの視点に戻ります。

ホリー達は、復活したヒットハイドと戦闘中。


スチルヘルミノは、街から現れたゾンビ共と戦闘中。


そしてアールは『黒光檻』を壊してなだれ込んできた大量の魔族達を『太陽葬』という太陽まで転送して焼き殺すエグイかつ楽ちんな技で一気に半分まで減らしていた。


そして俺はアールから太陽の座標を受け取った。


・・・アール、ランサムにも教えてやろうよ!


≪それは無理よ。ランサムにもペガコーンにも馬車にも転送機能は備わって無いの。結構貴重な技術なのよ?勿論、スチルヘルミノ達も持ってないわ≫


・・・そうなんだ。なら仕方ないな。俺がコイツを速攻で倒して助けに行けば良いしな。


≪あまり油断しないでよ?戦いって、単純な力比べだけじゃ無いんだからね!≫


・・・分かってるって。アールも油断するなよ?


≪誰に言ってるの?こちとらバトルジャンキーよ?≫


・・・自分で言っちゃってるし。


俺は無数のコウモリ達へ向けて『太陽葬』を放った。


パッ!


コウモリ達が一気に消えた。


しかし、まだ半分程度が残っている。


コウモリは密集する危険に気が付いたらしく、一斉にバラけ始めた。


「ちっ、面倒だな!」


俺はとにかく片っ端からコウモリを消して行った。


しかし、四方八方へ逃げ回るコウモリを完全に消し去る事は出来なかった。

コウモリ達が逃げるだけでなく、増殖し、そこかしこで数を増やして行ったからだ。


そして遂には俺の『太陽葬』の速さを上回る速度でその数をどんどん増やして行ったのである。


膨大な数にふくれ上がったコウモリ達は、そこら中で塊になっていった。


俺はいくつかの塊を消したが、消しきれなかった8つの塊が、そのまま8体のネフェクティプラゾーマへと姿をかえた。


8体のネフェクティプラゾーマは、猛烈な速さで不規則に動き回りながら俺に近づいて来た。


・・・参ったな。


『太陽葬』の弱点、それは、敵を転送する際の座標にあった。

正確な座標でないと転送出来ないのだ。


なので、高速で不規則に動き回るネフェクティプラゾーマを捉えきれない。

掠って体の一部をごっそり消す事までは出来るが、その都度、周囲のコウモリが集まって体を補完していくのだ。


コウモリ達は俺がネフェクティプラゾーマ本体へターゲットを移した隙に大増殖し、今や俺とネフェクティプラゾーマを取り囲む巨大なコウモリのドームを形成してしまっていたのだ。


「暗いな・・・」


俺は、次元収納から『異界(イカイ)(トモシビ)』を取り出して地面に投げた。

これは六条戦の時に、六条の光魔法エネルギーを吸収し尽くした超科学製の魔道具だ。


地面に転がった『異界の燈』は、六条から吸収した膨大な光魔法のエネルギーを使って周囲を照らす光を放ち始めた。


まさか、六条をおちょくる為だけに用意したこの魔道具がこんな所で役に立つなんて。


『ありがとな、六条!』


・・・って、六条が聞いたら超絶怒りそうだな、ププッ!


でも・・・


「これで明るくなったな!」


「ちょこざいな!」


≪カガリ、大丈夫なの?≫


≪≪旦那、大丈夫か?≫


アールとランサムの声が脳内に響いた。


・・・大丈夫だ。けどランサムが心配してくれるなんてな。


≪≪俺じゃねえ。嬢ちゃん達が心配してるんだよ!≫≫


・・・じゃあ、問題無いって伝えてくれ。それより、みんな、コウモリのドームから離れてくれ!絶対に近づくんじゃないぞ!


≪了解!≫


≪≪おう!≫≫


これで良し。

じゃあ、あとは少しばかり準備するとしようか。


俺は、ナノマシン服の出力を上げる為『太陽葬』のラッシュを一旦止めた。


それを俺の隙と判断したネフェクティプラゾーマは、8体で一斉に俺へ攻撃を繰り出して来た。


「「「「「「「「貰ったあああああああああ!!」」」」」」」」


8体同時に叫んだ。


そして・・・


1体は手を尖らせ鋭い爪にSSSの力を乗せた刺突を。


1体は吸血鬼の牙を伸ばして俺の血を吸わんと、背後から首筋へ狙いを定め飛びかかってきて。


1体は腰の剣を抜き放ち、俺を斬り捨てるべく鋭い斬撃を。


1体は反対の腰から取り出した鞭で俺の首を絞め殺すべく打ちかかって来て。


1体は魔法詠唱を。内容からすると氷魔法のようだ。


1体は同じく魔法詠唱を。コイツは雷撃を放って来そうだ。


1体はまたもや魔法詠唱を。どうやら闇魔法のようだがどんな魔法が来るのかは予想できなかった。


そして最後の1体は俺が逃げ出さないように、コウモリを操ってドームを強化していた。


恐らくどの攻撃がヒットしても良いように、そしてどれが外れてもカバー出来るように、フレンドリーファイヤーになろうがお構い無しの、8人が連携した同時特攻を仕掛けて来たのだ。


そして、それぞれの攻撃が一斉に俺を捉える寸前、


・・・よし、準備は整った。


俺は言い放った。


『大・太陽葬!』


次の瞬間・・・


パッ!


俺を囲んでいた暗闇が晴れ、視界が戻った。


そこにはコウモリのドームも、一斉に攻撃を仕掛けて来たネフェクティプラゾーマ8体の姿も何もかもが消えていた。


「よっしゃ!退治成功!」


一体何が起こったのか?


俺は自分の立っている地点を除いたコウモリのドーム全体を座標指定に加え、一発転送したのだ。


最初は逃げ回るコウモリ達や8体のネフェクティプラゾーマ達に対して個別に座標指定のラッシュを繰り出していたのだが全く捉えきれず、攻めあぐねていた。


しかし『異界の燈』の光が照らし出した巨大な円形のドームを見て、閃いたのだ。


奴らがドームという固定された場所に自らを閉じ込めたと考えると、一網打尽にする手があるのではないかと。


そして、ドーム全体を一つの大きな座標として指定する事で、全部ひっくるめて一発で転送できる事に気が付いたのだ。


ただ、一つの座標を大きな範囲で指定するのは負荷がかなり大きくなるらしく、ナノマシン服の出力を上げる必要があった。


なので準備に多少の時間がかかったのだ。


因みに、100体のスチルヘルミノの転送や、アールが魔族50体程を同時に転送したやり方は、一体一体を個別に座標指定して転送する方法だった。

そのやり方なら座標自体はそれぞれ範囲が小さい為、多少数が増えようが負荷的にはたかが知れているのだそうだ。


超科学ややこしいなオイ!



「カガリ!」


「カガリ殿!」


「・・・カガリ」


アールとホリー、そしてミミが集まって来た。

ミミはペガコーンの背に乗っている。


「やったわね!」


相変わらず完璧なる無表情で話しかけて来たアールさん。

でもその声は嬉しそうだ。


「おう!お前らも倒したのか?」


「ええ。魔族共、ちょこまかと動き回って一苦労だったけど、何とかね」


「お前もか?こっちもそうだったよ。それって『太陽葬』の弱点だよな?」


「カガリ殿!私達も3人協力してヒットハイドを倒しました!カガリ殿から頂いた『斬魔聖剣ホリー』の名前通り、見事、斬魔を成し遂げたのです!」


「お、おう。おめでとうな。因みに、その剣、あげてないからな?貸してるだけだからな?」


ホリーはニコニコ顔で、


「はて、何の事でしょう?」


・・・お前、このままなし崩し的に自分の物にする気マンマンじゃん?!・・・まあ、俺的にはあげちゃっても良いんだけど、それはアールが許さないんだよな。


『我々が誇る超科学の産物を他人へ譲渡する事は出来ないのよ』


だそうだ。


まあ、ずっとホリーと一緒にいれば、貸してるとかあげたとか関係ないしさ。


・・・ずっとホリーと一緒。


そう考えて俺は思わず顔がカーッと熱くなった。


≪なになに?本気でホリーの事が好きになっちゃったの?≫


・・・そ、そんな事・・・だってホリーだぞ?あの超美人だぞ?俺は無謀な夢は見ない事にしたんだ。委員長で痛いほど学んだんだよ!


≪またまた、そんな事言っちゃって!あと少し待っててね。良い報告が出来ると思うから!≫


・・・何の話だよ?


≪内緒。楽しみにしててね!≫


・・・お、おう・・・何の事だかさっぱりだけど、まあ悪い話じゃないだろう。


「カガリ・・・私も頑張った」


「ミミも良く頑張ったな!・・・ペガコーンもミミを良く守ってくれた。ありがとうな!」


俺は頭を低くしたペガコーンの頭を撫でてやった。


ペガコーンは目を閉じて気持ち良さそうだ。


コイツもナノマシンなんだよな?

それにしては反応が一々リアルだけど・・・

超科学製のAIってのは本当、本物の命と変わらないんじゃないか?


ふと気付くと、ペガコーンを撫でている俺をミミが物欲しそうに見ていた。


「お前も撫でて欲しいのか?」


コクリ、無言で頷くミミ。


やばい!めちゃくちゃ可愛い!

あ、妹的な意味でだよ!

絶対に妹的な意味でだからな!


ペガコーンの背の上でだと高すぎて手が届かないから、俺はミミを抱き下ろしてから、頭を撫でてやった。


ミミは気持ち良さそうに目を閉じていた。


よし、取り敢えず・・・・・戦いは終わった!




「ぐもおおおおおおおおおお!!」


あれ?


それはスチルヘルミノの悲痛な叫びだった。


スチルヘルミノは圧倒的な力の差で、ゾンビ共をなぎ倒しまくって無双していた。


しかし、敵の数が多過ぎた。

ナノマシン服に計算させると、人間のゾンビが約5万、ドラゴンのゾンビが約3000らしい。


余りにも数が多く、倒すのに時間がかかっていたのだ。


俺はスチルヘルミノへ向かって、


「ごめん、お前らの事、忘れてたよ」


そう謝ると、


「ぐもおおおおおおおおおおおおおお

おおおおおおおおおおおおおお!!」


スチルヘルミノの悲痛な叫びがそこかしこでコダマしたのだった。

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