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66話 復讐の続きだ、オイ!

「魔獣肉は美味かったか?腹ごしらえが済んだところで、復讐の続きと行くか?」


俺の言葉に六条はさっきまでの開き直った顔をまた恐怖で凍りつかせた。


「え?もうこの俺をボコるのは終わりじゃなかったのかよ?」


「あー、それで復讐が終わったと思ったのか?・・・悪い、ボコるのが終わっただけで復讐は終わってないんだ・・・だってお前らのせいでこっちは本気で死にかけたんだぞ?あの程度で終わりな訳ないだろ?」


「・・・何だよそれぇ!!俺だって死ぬ程ボコられたぞ?本気で死ぬ間際だったんだからな!それでおあいこだろ?!」


「あれで死ぬ間際とか無い無い。さっき俺はお前の体調をスキャンしながらボコってたんだよ。つまり死ぬ心配が無いようにダメージコントロールしてたの。だから見た目が痛々しいだけでぜーんぜん死ぬ心配は無かったんだよ!その証拠に、さっきは顔の傷をちょっと治しただけなのにめちゃくちゃ元気じゃん?流石、SS勇者様は頑丈だよ」


「う、嘘だ!確かに俺は死にかけてた!だいたい何だよスキャンって?それもバグの力って言うつもりじゃないだろうな?!」


「その通りだ」


「クソ!便利過ぎかよ!・・・おい・・・まさか・・・俺を殺す気なのか?」


「殺しはしない。だがお前がこれから真っ当に生きていく上で必要な処置をする」


「真っ当だと?今でも真っ当じゃねえか!訳分からねえ!」


六条の絶望的な声が響く。


滝座瀬と三津島が不安げな顔で口を挟んできた。


「ねえ、海月、コイツも反省してるだろうし、復讐なんてやめなさいよ。そんなの虚しいだけでしょ?」


「滝座瀬、コイツが反省なんてする奴に見えるのか?・・・な訳ないだろ。それに復讐が虚しいって、それは加害者側のお前が言うセリフじゃないな」


「ねえ、海月君・・・さっき、『お前らのせいで』って言ってたけど・・・もしかして、私達にも復讐するなんて言わないよね?」


「するけど?」


「はあぁ?!何で私達まで復讐されなくちゃいけないのよ?!やめなさいよそんな事!」


「海月君待って!私達さっきのハンバーガーで充分酷い目に遭ったから!もうそれで報いは受けた筈だよ?!」


・・・馬鹿野郎、ハンバーガーごときで復讐になるかよ!


俺は2人へ丁寧に理由を説明してやった。


「いいか?俺が称号を奪われたあの時、多数決でお前らは圧倒的な高みから俺の命綱を切った。『そんなつもりじゃない』とか『仕方なかった』とかそういう問題じゃ無いんだよ。あれはまさに不当な裁判だった。俺はお前ら偽物の陪審員から死刑判決を受けたんだよ。そしてクソ龍王とクソ王女が刑を執行した。そういう図式なんだ。なら不当な裁判を行ったお前らも罰せられなきゃ不公平だろ?お前らの罪状を教えてやる。六条は俺に対する殺人罪、そしてお前ら2人は殺人幇助罪だ。不当な裁判を行なった罪に関しては、俺も今やってるからチャラな。あと罪の基準は俺の主観だ。だから『俺が生きてるから殺人じゃない』とかそんな主張は通らない」


これを聞いた3人は反発した。


「ふざけるなよ?!何が裁判だ!何が殺人罪だ!お前の主観だと?そんな事が許されて良いはずがない!」


「そうよ!こんなの絶対許されないわよ?海月アンタ自分が神様にでもなったつもりなの?!」


「やられたからやり返すなんて負の連鎖でしかないよ?お願いだからそんな事やめて!」


・・・まあそう言うだろうな。けどな、俺はもう止まらないぞ?


「『許されない』ね。まだ分かって無いのか?その『許されない事』をお前らはあの時やったんだよ!もう一度言うが、あの時、多数決で手を上げなかった奴だっているんだ。つまり最悪の展開を回避する道だってあったんだよ!やり返すのが負の連鎖だと?復讐なんだからやり返すのは当たり前だろ?負の連鎖?それは覚悟してるさ」


・・・負の連鎖。これからは俺もコイツらに恨まれる立場だからな。この先、逆に復讐されるかもしれない。その覚悟はしようじゃないか!当然、逃げるなり抵抗なりはするけどさ、捕まった時に見苦しい真似だけはしないでおこう。コイツらを見てそう思ったよ。


「よし、それじゃあ判決を申し渡すぞ。六条はその傲慢の原因になっている顔と声とスタイルを剥奪、そしてSS勇者の称号を封印の上、懲役15年。滝座瀬は称号封印の上、懲役5年、三津島は称号封印の上、懲役3年だ」


「何が判決だ!俺だけ重過ぎじゃねえか!ぶっ殺すぞ海月!」


「懲役って何よ!私達を監禁でもする気?あと、何で私と沙彩で懲役の年数が違うのよ?!」


「滝座瀬は日本にいた時の俺への仕打ちも加味して三津島より2年増やしてみた」


「『増やしてみた』って・・・やってみた系のドーガダッチューバーじゃないのよ?そんな適当に決めないで!」


「こんなの不当だよ!理不尽だよ!こんな裁判無効だよ!・・・でも2年少ないのは一応、ありがとう・・・一応だよ一応!判決を認めた訳じゃないんだからね!」


俺は3人の文句や言い分を無視して話を続けた。


「実は俺、刑務所を運営しててさ、お前らにはそこに入って貰うつもりだ。日本の刑務所をイメージして作ったから、最低限、人間らしい扱いはされる筈だ。まあ飯はパン虫とポテ虫だけどな。この世界の標準飯って事でそこは勘弁してくれ」


「はあ?刑務所を運営って、訳分からないんだけど?私そんな所、絶対入らないから!」


「私だって嫌だからね!お願いだから考え直して!」


「おい答えろ海月!何で俺だけそこまで罪が重いんだよ?!」


どうやら六条は自分の罪が重すぎると思っているらしい。


日本なら控訴して最高裁まで争えるが、ここにそんなものは無い。

第一この裁判自体が全くの茶番だしな。

でも最初にそれをやったのはお前らなんだからな!


俺は六条へ告げた。


「そりゃ俺的にそれが妥当だと思ったからだよ」


俺はそう言うと、六条の目の前へ行ってヤツの頭を鷲掴みにした。


六条が慌てて逃れようとするが、ナノマシンの力も加わった俺の手が頭をガッチリ掴んで離さない。


「ちょちょちょちょっと待て!いや、待ってくれ!待って下さい!海月様!」


俺はそれを無視して六条の頭からある物質を流し込んだ。


すると、六条の体がみるみる膨れ上がり始めた。


「おいおいおいおいなんだこれやめろやめてくれたのむやめてくれおねがいしますやめてくださいやだやだたすけてゆるしてえええええ!!!」


六条の体は風船の様にどんどん膨らんで行き、遂には、はち切れんばかりの巨体へと変貌を遂げた。


「ちょっと500キロばかり太らせただけだ。健康には別状ない様にしてあるから安心しろ。服も破れないようにサイズを合わせておいたからな。どうだ?顔と、声と、スタイルが変わった気分は?」


「た、頼む、元に戻してくれ・・・」


そう懇願する六条にさっきまでのイケメンの面影は無かった。

顔は脂肪によってまるでパンパンに膨れた風船の様にはち切れんばかりになっていた。

あのカリスマ性を感じさせる良く通った声も、顔の肉が邪魔で喋りにくいのか、すっかり魅力のないモノに様変わりしていた。

そして自慢のスタイルは顔同様、今にも破裂しそうな程に膨れ上がると同時に、だるんだるんに脂肪が垂れ下がってしまっていた。


「「・・・・・」」


滝座瀬と三津島はただ呆然と立ち尽くすばかりで言葉も無い。


俺は変わり果てた六条へ告げる。


「これで少しは凝り固まったプライドもマシになるだろ?必死にダイエットすれば元にだって戻るしな。その間に他人への思いやりを身に付けろ」


六条は俺の言葉なんてそっちのけで、ガックリと地面に膝をついて懇願して来た。


「頼みます。お願いです。元に、元のあの超絶イケメンの姿に戻してください。何でもしますから・・・超絶イケメンじゃない俺なんて・・・あり得ない!俺はイケメンが良いんです!絶対にイケメンが良いんです!何が何でも他人が死のうが生きようがどうでも良い、とにかく俺だけは絶対にイケメンが良いんです!・・・こんな姿でこれからどう生きれば良いってんだよ?」


「・・・だからダイエットすれば元に戻るって。それに刑務所の中じゃイケメンなんて意味ないだろ?女子もいないしさ」


六条は俺の言葉が耳に入らないのか、ただ、イケメンが、イケメンが、と繰り返していた。


その時、ハッと我に返った女子2人が声を震わせながら頼み込んできた。


「お願い!海月・・・いえ海月様!絶対そんな姿にはしないで!頼むから・・・頼みますから!」


「海月君、私は大丈夫だよね?この中で一番罪は軽いんだし、私にだけはそんな酷い事しないよね?」


「沙彩、自分だけ助かろうとしてるんじゃ無いわよ!私だってそんな姿にだけは絶対なりたくないんだから!なるならアンタがなりなさいよ!」


「そんなの嫌に決まってるでしょ?!麻耶は自業自得だから海月君、やるなら私じゃなくて麻耶でお願い!」


「はあ?海月、沙彩はやっちゃって良いから私だけは助けなさい!」


再び醜い争いが始まった。


「さっきの判決を聞いてたか?・・・お前らにはやらないよ」


「「え、本当?はあ〜、良かった。もう驚かせないでよ!」」


2人のセリフが見事に被った。

お前ら仲が良いのか悪いのかどっちだよ?


六条は相変わらず現実を受け入れられずブツブツと呟いていた。


「俺の何が駄目だったんだ?だってイケメンは正義だろ?なら多少無茶したくらい許してくれるものだろイケメンだし。何でだ?俺はイケメンだぞ?何でイケメンの俺がこんな目に遭わないといけないんだ?・・・けどもうイケメンじゃ無くなった・・・こんな姿じゃ恥ずかしくて外を歩けないだろ?500キロって何だよ?聞いた事ないぞそんな体重の奴。てかイケメンじゃない俺に価値があるのか?だって俺を構成する要素の99%が無くなっちまったんだぞ?・・・もう空っぽだ・・・俺に残されてるのはもう勇者の力くらい・・・!!!・・・そうだ!勇者の力だ!この力なら何をするにもカロリーを食うだろ?燃費悪そうだしな。なら特大魔法を撃ちまくれば膨大なカロリーを消費して一気に痩せられるんじゃないか?!そうだ!それだよ!それで元の超絶イケメンに返り咲きだ!」


「よし、次はSS勇者の称号を封印する!」


「・・・や・・・やめてくれえええええええええええええ!!」

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