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52話 ミミの話を聞こうか、オイ

「ミミ、どうしてあの魔族と戦っていたんだ?」


「それは・・・アイツらの陰謀を・・・止めようと」


「陰謀?」


「ん・・・アイツらは・・・拡声石を使って・・・ドラゴンを・・・一網打尽にしようと・・・してたの」


「どういう事だ?」


「詳しくは分からない・・・でもアイツは・・・拡声石をバラ撒いて・・・『龍召声(リュウショウセイ)』を大陸中に響かせて・・・世界中のドラゴンを・・・集めようとしてた」


・・・うーん、イマイチ分からん。つまり、拡声石ってのが声を拡声させる魔道具ってところかな?それで何とかって声を拡声させてたって事か?


≪『龍召声(リュウショウセイ)』ね。多分、ドラゴンを呼ぶ声なんじゃない?それを拡声させて、広い範囲からドラゴンを呼んでたって事じゃないかしら?≫


「ドラゴンを集めてどうする気だったんだ?」


「それは・・・分からない・・・でも・・・この声は・・・ドラゴンの王族の赤ちゃんが発する、命の危機を知らせる声・・・これを聞いたドラゴンは我を忘れて助けに行く」


・・・うーん、なんかどこかで聞いた事あるような・・・


≪まあ、よくある設定だしね。そんな事よりドラゴンの王族って事はもしかして≫


・・・ああ。アイツの子供なのかもな


「みんなは龍人族だから・・・ドラゴンより人間の血が強い・・・だから龍召声を聞いても自我を保っていられたけど・・・声の主を守らないといけない気持ちだけは強く揺さぶられて・・・行動を起こしたの・・・犯人の魔族を見つけて何人か倒した・・・でも・・・ガージャックだけは強すぎた・・・みんな・・・返り討ちにあった」


「では、ミミのご両親も・・・」


ホリーが悲しそうな顔をした。そうだ、確かホリーのご両親も殺されたんだったよな。ミミの気持ちが分かるのだろう。


しかし、ミミは首を横に振った。


「私は龍人族じゃない・・・ドラゴンと人間のハーフ・・・ハーフドラゴン・・・父親は・・・クソ龍王で・・・母親は人間」


・・・ん?今なんて言った?


≪クソ龍王よ≫


・・・アイツかああああぁぁぁ!!


「私が生まれた時・・・私がドラゴンとして中途半端だって・・・龍王の手で龍人族の村に預けられたの」


・・・あんのクソ龍王ならやりかねん!マジでクソだなアイツ!


俺は努めて冷静に装いながら、ミミに話の続きを促した。


「ドラゴンは、人間と魔族の争いには中立を保ってるの・・・だから、魔族がどうしてドラゴンを敵に回すような事をするのかは・・・分からない」


「なあミミ、その龍召声ってのは何処から聞こえてるんだ?」


「あっち」


ミミは声が聞こえる方向を指差した。


・・・あっちって、俺たちが向かってる方向じゃないか?


≪ええ。今、声を検知したわ。人間には聞き取れない音域で発信されているわね。音波の劣化状況とかその他諸々分析した結果、どうやら私達が目指しているドバシェックの街から発信されているみたいね≫


・・・マジかよ?


≪ええ。どうする?このままドバシェックを目指せば、要らぬ騒動に巻き込まれるけど?冒険者証をゲットするだけなら他の街へ行くのもアリよね?≫


確かにアールの言う通りだ。

ホリーの目的を達する為には、最初は目立つべきじゃないと思う。


ならここは回避するのが妥当だ。


でも、俺は1つ、ミミに確かめたい事があった。


「なあミミ、ドラゴンを呼んでるって事は、龍王もその街にいるって事なんじゃないか?」


「分からない・・・でも、この声を聞いたなら・・・いる可能性は高い」


「ミミは、これからどうしたい?」


「龍人族のみんなの意思を引き継ぎたい・・・この声の主を・・・助けたい」


「でも、お前を捨てたクソ龍王がいるかもよ?逢いたいのか?」


「逢いたくない・・・もし逢ったら・・・逃げるかも」


「なあミミ。俺ってば、お前のお父さんにちょっとばかし恨みがあってさ、ボッコボコの半殺しにしちゃっても良いかな?」


ミミは俺の目を見て・・・・・小さく頷いた。


「・・・カガリ・・・私と気が合う」


・・・て事だアール!目的地は変わらず、ドバシェックの街だ!けど、馬車でちんたら向かうのはキャンセルだ!もう目立ちまくろうが何だろうが構わないから超高速でちゃちゃっと行くぞ!


≪了解!ならドリームバシャ号、第2形態で行くわよ!≫


・・・ドリームバシャ号?第2形態?


≪この馬車の名前よ!≫


ドリームバシャ号って・・・まんまやん!


ウィーーーン!


早速、ドリームバシャ号が変形を始めた。


馬の額からは角が一本、そして背中からは2枚の翼が生えて来た。


そして車両部分は車輪が変形して飛行機の様な板状の羽根になり、後部からはジェットエンジンの様な噴出口が現れた。


≪どう?馬はファンタジーっぽくペガサスに、車両は近代っぽくジェット飛行機風にしたわ。これが第2形態。飛行モデルよ!≫


ドヤ声でドリームバシャ号第2形態を紹介するアール。でもさ、


・・・そのペガサスだっけ?ペガサスは翼があるけど角は無いんだよな。角があるのはユニコーンで、ユニコーンには翼は無い。アールってば、勘違いしてると思うんだけど・・・


≪・・・ペガコーンよ!≫


・・・へ?


≪ペガコーンよ!言ってなかったかしら?オホホホ≫


・・・ペガコーンね。まあ、空を飛べれば何でも良いけどさ。


「カカカガリ殿!これは?馬が魔獣に?!馬車が変な形に?!これは一体?!」


驚くホリーに俺は告げた。


「馬車で地上からのんびり向かうのはやめだ。ここからは空から一気に向かうぞ!目指すはドバシェックの街、でも冒険者証は後回しだ。まずはその街から聞こえて来る、龍召声の発生源、ドラゴンの赤ちゃんを救うぞ!そしてついでに、クソ龍王をぶっ飛ばす!!」


「承知しました!って、そそ空からああぁぁ?!」



今、俺達は、空を飛んでいた。しかも物凄い速さでぶっ飛ばしていた。


そして馬車の御者台、第2形態ではこの御者台がかなり広くなっていて、俺達は全員、そこから空の景色を楽しんでいた。


「それにしても、これだけの速さで飛んでいるのに、風の1つも当たらないとは、さすがはカガリ殿の魔法!便利過ぎますね!」


・・・ホリーお前、俺を便利キャラ位に思ってないか?


ミミがホリーの言葉に反応した。


「カガリ・・・魔法使いなの?」


「そうなのですよミミ殿!カガリ殿は、偉大なる大魔法使い様なのですよ!」


「・・・大魔法使い・・・すごい」


「そうです凄いのです!そして隣のアール様はなんと、カガリ殿が使役している女神様なのですよ!」


「女神・・・様・・・ホント?」


「まあ・・・解釈次第ではね」


・・・おっ、アールが弱気になってる!


≪違うわよ!・・・でも我々の文明は途方も無い何月を過ごして科学だって頂点を極めているけど、歴史上、本物の女神なんて、実際に観測出来た事無いのよね≫


・・・そうなんだ。じゃあ存在しないって事か?


≪違うのよ。存在するの。それは、『神格実在理論』で科学的に証明されているのよ。だから、女神の姿かどうかは別として理論上、神は実在しているのよ。それでも、未だに観測出来た事は無いんだけどね≫


・・・神の存在が科学的に証明されてるって、なんだか皮肉な話だな。けどさ、理論上とはいえ、本物の神様がいるって事はさ、アールってば完全に偽女神じゃん!


≪違ぁーう!我々が未開拓惑星を調査した時とか、大抵は現地民に神様と間違われて敬われるのよ!て事はその現地民にとっては本物の神様って事じゃないの!≫


・・・分かったよ、そんなムキにならなくても・・・


≪全くもう失礼しちゃうわね!≫





ドバシェックの街に近づくにつれ、ドラゴンと遭遇する頻度が増えてきた。


ドラゴンは興奮状態なのか、馬車を見つけると問答無用で攻撃してくる。


俺は、ミミがいる手前、反撃はせず、攻撃を全て回避しながらドラゴンを追い越して行った。


更に街に近づいて行く。

遠くに街らしきものが見えてきた。


少し馬車のスピードを緩める。


しかし、あの街全体を覆い尽くす巨体な建物は何だ?

デカ過ぎだろ?


更に近づくと・・・ん?建物じゃない?・・・何だかモニュメントっぽいな?


更に近づくと・・・あれって・・・ドラゴン?にしては、幾ら何でもデカ過ぎるんだけど?


ミミがポツリと呟いた。


「・・・あれがクソ親父」


「あれが龍王かあああぁぁぁ?!」


おいおい、幾ら何でもデカ過ぎるだろ?街を完全に覆い隠してるじゃん!


でも龍王っていうくらいだから巨大だとしても納得は出来る。


まあ、俺としては的がデカイ分、思いっきり攻撃しまくれるから願ったりだけどな。


馬車はゆっくりと龍王へ近づいて行った。


近くで見ると、改めて龍王のデカさに度肝を抜かれるな。


しかし龍王は、まるでオブジェの様に、その巨体をピクリとも動かさない。


「何してんだ?」


≪カガリ、あれ見て?≫


突然、みんなの目の前にウインドウが開き、街をズームアップした映像が映し出された。


俺はそれを見て、思わず全身に鳥肌が立ち、その後、体中が燃える様に熱くなった。


龍王の側に、誰かが居た。


居るのは・・・・・


1人の魔族。


そして・・・・・




「六条おおおぉぉぉ!!!」

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